「王立宇宙軍 オネアミスの翼」はアメリカでは、1987年2月19日に初上映された
日本での公開は1987年3月14日
のちに「新世紀エヴァンゲリオン」などを手がけたアニメ制作会社ガイナックスのデビュー作
脚本・監督は山賀博之
キャラクターデザインは貞本義行
庵野秀明は作画監督として参加した
シロツグ・ラーダットは戦わない軍隊「王立宇宙軍」の兵士
彼はやる気のない同僚たちと、張り合いのない日々を送っていた
そんなある日、街で神の教えを説く少女リイクニに出会ったことをきっかけに、シロツグは宇宙パイロットに志願するが…………
当時のアニメ映画としては破格の8億円という製作費が投入された「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
オネアミス王国の兵士であるシロツグ・ラーダット
かつては戦闘機のパイロットを目指していたが、今では世間から落ちこぼれと見下されている王立宇宙軍に所属していた
やる気のない同僚たちと、怠惰な日々を送っていたシロツグ
ある日、歓楽街でシロツグは、神の教えを説く少女リイクニ・ノンデライコと出会う
リイクニとの出会いをきっかけにして、シロツグは有人飛行実験のパイロットに志願する
最初は呆れていた同僚たちも、シロツグのやる気に感化されて、ロケット打ち上げのために一致団結する
しかし、準備は難航して…………
シロツグ・ラーダットを演じるのは森本レオ
リイクニ・ノンデライコは弥生みつき
キャラクターデザインは貞本義行
音楽は坂本龍一
脚本・監督は山賀博之
アニメーション制作はGAINAX
海外の評価
アメリカでは「Royal Space Force: The Wings of Honnêamise」のタイトルで公開された
現時点でのIMDbのスコアは7.2/10
ロッテントマトの批評家支持率は100%、観客支持率は80%
メディアの評価
THEM Anime Reviews
「王立宇宙軍」は元々はアメリカで吹き替え版と、大幅に短縮された「Star Quest」というタイトルのバージョンがリリースされました
こちらの短縮版はお勧めしません
この映画は良い作品ですが、素晴らしい作品とは言えません
説得力のあるアートワークやアニメーション、科学的考証など多くの優れた点があります
しかし、この映画はドキュメンタリーではなくSF映画であることを、ガイナックスは時々忘れているようです
この映画がどこに向かっているのか、困惑することが何度かありました
宇宙やアート映画が好きなら、この映画をきっと気にいるでしょう
だが、単独の映画としてみると見ごたえはありますがムラがあり、最高の作品のリストには入れません
4/5
Onderhond
80年代は日本のアニメが本格的に始まった時期です(ジブリ、押井監督の天才ぶり、「AKIRA」)
そんな中で忘れられてしまった作品もあります
「オネアミスの翼」はまさにそれです
この映画を批評家は称賛しましたが、興行成績は期待外れでした
オネアミスはいわゆるアート映画で、大勢の観客を集めるタイプではありません
しかし、25年以上が経っていますが、今でも本当に素晴らしい作品です
興味深いテーマ、至福のアートワーク、素晴らしい音楽、そして完璧なエンディングが、何年経っても輝きと洗練さを失っていません
4.5/5
Roger Ebert
視覚的にセンセーショナルな2時間
3/4
The Anime Review
最近、オネアミスの翼を見直しました
おそらくもっとも壮大で、もっとも素晴らしいアニメですが、商業的には明らかに失敗作です
しかし、ほとんどの映画と異なり、オネアミスの翼は15年経った今でも、公開当初よりさらに重みを持っています
この作品は全てのアニメファンが見るべき数少ない映画のひとつです
評価:A+
BREAKING IT ALL DOWN
この映画は「ライト・スタッフ」風の成長物語で、ストーリー自体は悪くない
また世界観やアニメーションに関しては、とても素晴らしい
しかし、中盤の腹立たしいレイプ未遂シーンのせいで、非常にお勧めしづらい
この映画を見ることが出来て良かったですが、あのシーンのせいで絶対に見るべき映画だとは言えなくなりました
Anime News Network
公開当時、この映画は多くの若いアニメファンには理解されませんでした
しかし、10年が経ち、ようやくまともなDVDがリリースされ、オネアミスの翼は再評価されるようになりました
細部へのこだわり、野心的なストーリー、そして志においてオネアミスは抜きんでています
オネアミスの翼はキャラクターと社会に焦点を当て、これまでに見たもっとも素晴らしいアニメーションで命が吹き込まれています
あのAKIRAでさえ、これほどのデティールへのこだわりはありません
すぐに成功したわけではないものの、オネアミスの翼は尊敬される古典として、ずっと残り続ける映画です
評価:A-
観客のレビュー
「素晴らしいアニメーションに音楽。やや中だるみがあるものの、感動的で情熱に満ちたストーリー。オネアミスの翼はほぼ全ての点で、時代をはるかに先取りした作品だ」
「美しくリアルなアニメーションと、人間の精神についての豊かな物語が組み合わされています」
「過小評価されているが素晴らしい映画」
「あまりにも気取った映画。かなり説教臭かった」
「非常に美しいシーンがいくつかあり、とても気に入りました」
「当時としては素晴らしいビジュアル。アニメファンなら必見です」
「私はこのようなサスペンスのないスローな映画は我慢できない。それでも技術的には素晴らしく、好きな人がいるのも分かる」
「ガイナックスの最初の作品は80年代アニメの最高傑作のひとつで、おそらくこの時代の最高のアニメ映画。ビジュアルは細部までこだわりが感じられる。SFファンなら誰でもこの作品を大いに気にいるはずだ」
「大好きな芸術作品」
「ビジュアルが素晴らしい。別の世界へ連れていかれます」
「アニメーションも脚本も本当に素晴らしい。英語の吹き替えもまずまず」
「先ほど見終えましたが、今まで見たアニメの中で最高の作品のひとつです。形而上学的、宗教的な側面が気に入りました。AKIRAよりも優れていると思います」
「アニメ界の忘れられた宝石。見るたびに面白いと感じます」
「非常にゆっくりとしたペースですが、映像は素晴らしく、テーマも非常に興味深い。傑作といっても過言ではありません」
「とても美しい映画です。山賀博之はシロツグをとてもリアルに作り上げました。1987年の作品ですが、現在のどのアニメ映画よりも心がこもっています」
「本当に知られていない逸品。信じられないほどゆっくりとしたペースですが、登場人物の奥深さと彼らが住む奇妙なパラレルワールドに引き込まれずにはいられません。ただただ素晴らしい作品ですが、奇妙なレイプシーンのせいで評判を落としています」
「良いアニメ映画だが、もう少し短くても良かった」
「おそらくガイナックスの最高傑作。見るたびに新しい発見があります」
「ゆったりとしたペースにかかわらず、始まってすぐに夢中になりました。画期的な作品です」
「途中はかなり退屈しました。もっと短くできたはずです。シロツグとリイクニの関係も受け入れがたかった。しかし、ロケット打ち上げの最後の20分間は、欠点のほとんどを補っています」
「この映画は最初から最後まで豊かな体験で、見れば見るほど良くなります。異なる世界を作り出すために、全てのカットにこれほど多くのこだわりや愛情が注ぎ込まれている作品はめったにありません」
「余計なレイプシーンがなければ、素晴らしいアニメだった」
「ガイナックスの最初の作品であり、真のアニメの傑作です。坂本龍一の音楽は当時としては画期的でした。少しテンポが遅いですが、見る価値があります」
「人間の美しい面と醜い面を描いた映画」
「1987年の作品ですが、視覚的には今日の最高傑作に匹敵するクォリティです」
「アニメーションやビジュアルはかなり良かった。ストーリーは良いが、レイプ未遂シーンは全く不要。それがなければ、もっと評価が高くなっただろう」
「見事にアニメーション化された壮大な人間ドラマ。音楽も本当に素晴らしい」
「細部にまでこだわった画期的なアニメーション、素晴らしい音楽、SFとドラマの融合が非常に興味深い。しかし、残念な作品でもある。後半はかなり退屈だった」
「とりとめのない脚本、主人公の非常に疑問のある行動、やや混乱したメッセージにもかかわらず、私は最初から魅了されました。ガイナックスは世界の構築方法を知っています」
「あらゆる意味で名作。ガイナックスはエヴァンゲリオンやトップをねらえで知られていますが、この映画は過小評価されており、もっと認知されるべきです」
「ガイナックスが大好きです。ストーリーには推進力が欠けていますが、この映画には情熱があります。アニメーションのデティールは信じられないほどでした」
「素晴らしいアニメです。この映画の正規バージョンを見つけるのが難しいところが、評価を下げているんだと思います」
「当時としては素晴らしいアニメーションで、スチームパンクな世界観もなかなかクールですが、ストーリーが陰鬱で冗長」
「息を呑むほど美しい。視覚的に豪華で、精神的に満たされます。アニメに対する偏見を捨てて、この映画を見てください」
「史上最高のアニメ映画。20回以上見ました。この映画がどれだけ傑作か、言葉では言い表せません」
「とにかく素晴らしい。オネアミスの翼はおそらくこれまででもっとも優れて、もっとも精緻な手描きアニメーションです」
「とても感動的なアニメ作品。もっと多くの人に見てもらいたいです」
「別の世界を作り出すために注がれた細部へのこだわりは信じられないほどです」
「これまでに制作されたアニメ映画の中で、もっとも野心的な作品のひとつ」
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」をAmazonビデオで視聴
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コメント
宗教少女にどんなにアプローチしても一歩も心の中に入れてくれないから
ダメもとで暴力的に扉を開けようとしたけどまったく揺るぎもしないという
そういう感情の流れはまったく通じてないのだなあ
いや、どう考えてもレ〇プ未遂事件は要らなかった
あれがあるから人に勧められないし
まともに地上波で放送もできなかった
ガイナックスが世の中に登場したデビュー作なのに
今思うとあのレイプ未遂シーンって1980年前後の青春アイドル映画とかでもあった当時のセオリーみたいなものではなかろうか
今思うとあのレ○プ未遂シーンって1980年前後の青春アイドル映画とかでもあった当時のセオリーみたいなものではなかろうか
あのシーンはハリウッド恋愛脳の外人は不要不要と言うんだろうが話の流れ的に必要だろ
それに昔は普通に地上波で放送してたぞ
クオリティは高かったけど、エンターテイメントではなかったな
低予算で絵は酷いが面白いアニメとは真逆な作品
押井守の天使の卵なんかと同じ、宇宙オタは面白いかもしれないが爽快感がない
たしかにエンタメではないし爽快感もない
だが心に響くものは確かにある
シロツグという男の心の成長……機微の映画だよな。そういうのが好きな人にはたまらないんだけど、あのくらいでも説教臭いと言われてしまうのか……
レイプ未遂シーンのせいで見る人をより限定してしまう面はあるけど、不要かと言われるとどうだろうね
そのシーン知らずにげんしけんでネタにした程度の感覚でDVD買って観たけど森本レオがチラつくし発射シーンはすごいけどやっぱ借りて観りゃ良かった
レイプは嫌だなFate系もそれが好きではない回復術師とかだと全然笑ってしまうんだけどね
オネアミスはストーリーじゃなくあの世界を見せる映画なんだけどねえ
レイプシーンが要らんとか、なに言ってんだこいつら
ジブリとかの全年齢向けメインストリームから少しそれたサブカルオタク向けに煮詰めた作品で、文学的な要素も入れたかったからの宗教少女とのやりとりだったと思うし、そこを理解したうえで好きな人はメチャクチャ好きな作品という評価はむしろ正しいし、人にお勧めできないから駄目とかいうのも何かズレてんなって感じる。