「うる星やつら オンリー・ユー」はアメリカでは、1992年にレーザーディスクでリリースされた
日本では1983年2月11日に公開された
高橋留美子の人気コミック「うる星やつら」
そのテレビアニメの劇場版第1作
監督は押井守
ある日、あたるの関係者全員に結婚式の招待状が届いた
差出人は“諸星あたるとエル”
それを見てラムや面堂たちは激怒するが…………
押井守の実質上の劇場版アニメ初監督作品である「うる星やつら オンリー・ユー」
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「うる星やつら オンリー・ユー」
無類の女好きで浮気ばかり繰り返す高校生・諸星あたる
その押しかけ女房である宇宙人・ラム
2人を中心に友引町では、相変わらずドタバタが繰り返されていた
ある日、あたるのクラスメイトや友人たちに、あたるとエルという女の結婚式の招待状が届けられる
エルはあたるの婚約者だというのだ
それを知って面堂やしのぶ、メガネたちは激怒
ついにはラムの電撃が炸裂したが、あたるには全く心当たりがなかった
そんな時、巨大な宇宙船が飛来し、エルからの使い・ババラが現われた
エルが美人だと知って、あたるは大喜び
ラムは当然のごとく嫉妬し、2人の結婚を阻止しようとするが…………
原作は高橋留美子の「うる星やつら」
ラムを演じるのは平野文
諸星あたるは古川登志夫
しのぶは島津冴子
面堂は神谷明
メガネは千葉繁
エルは榊原良子
脚本は金春智子
監督は押井守
アニメーション制作はキティ・フィルム
海外の評価
アメリカでは「Urusei Yatsura: Only You」のタイトルでリリースされた
現時点でのIMDbのスコアは6.6/10
ロッテントマトの観客支持率は78%
メディアの評価
The Anime Review
通常22分のコメディから長編映画を作るのは難しい
それはこの「うる星やつら」の最初の映画にも当てはまる
このシリーズの映画でもっとも有名なのはビューティフル・ドリーマーで、これは非常に楽しかった
それと比較するとオンリー・ユーは、水増しされたテレビエピソードのように感じた
押井守を知らない人ならこの映画を見ても、彼がもっとも称賛されるアニメ監督の1人になるとは思わないだろう
だからと言って、押井がここで良い仕事をしていないというわけではない
ビジュアルへのこだわりなど、彼のトレードマークは早くから表れている
しかし、テレビ映画化作品にありがちなカメオ出演の多さのせいで、映画は必要以上に長くなっている
この映画は結局は長いテレビエピソードという印象だが、それでもレンタルする価値がある程度には面白い
評価:B
Rumic World
私にとってこれは「うる星やつら」映画の決定版です
他のどの映画でも上手くいかなかったテレビシリーズの魅力が、ふんだんに詰まっています
あたるは相変わらず面白くて、古川登志夫の演技は素晴らしかった
ラムはとても美しく、多面的に描かれています
アニメーションは今日の基準では少し時代遅れに見えるかも知れませんが、当時としては上位のクォリティでした
確かに「ビューティフル・ドリーマー」はより内容が充実しているかも知れません
しかし、純粋な娯楽性という点では、この映画の方が優れています
これこそが「うる星やつら」そのものです
これは私のお気に入りの映画の1つであり、うる星やつらの初心者にもお勧めします
4.5/5
myReviewer.com
高橋留美子は西洋でもっともよく知られている日本の漫画家の1人です
うる星やつらは彼女の代表作です
この映画の魅力は、その面白さです
ドタバタ、すれ違い、おバカ要素など、アニメコメディに必要なものが全て揃っています
頭を空っぽにして映画を楽しみたい人には、理想的な作品です
そして、この映画でもっとも魅力的なのは、ラムとあたるの関係性にあります
いつも逃げ回っているあたるは優しい面を見せる瞬間もあり、ラムが何故あたるに執着するのかが分かります
ただし、1時間40分という長さでは勢いを維持できず、中盤は中だるみします
しかし、クライマックスは再び盛り上がる
昔ながらのアニメを見たい気分なら、ぜひチェックしてください
7/10
Blu-ray.com
「うる星やつら オンリー・ユー」は非常に面白くて魅力的な映画です
偉大なる押井守(「攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」)の長編映画監督デビュー作である「オンリー・ユー」は、シリーズのファンだけでなく熱狂的な押井ファンにとっても必見の作品です
手描きのアニメーションは、今見ても驚異的です
強くお勧めします
4/5
Anime News Network
「オンリー・ユー」のアニメーションはテレビシリーズの品質をわずかに上回っていますが、ストーリーはファンにとって目新しいものではありません
再びあたるが新しい女の子と出会い夢中になり、ラムはそれを阻止しようとします
いつものキャラクター全員が登場し、期待通りの行動をしてくれるので、ファンは喜ぶでしょう
シリーズで行われたことの寄せ集めであるにもかかわらず、ストーリーはかなりスムーズに進みます
「うる星やつら」はこのジャンルを定義づけた元祖のラブコメディの1つです
昔からのファンも新規も、安心してこの映画を楽しめるでしょう
ただし、英語版はオリジナルに比べるとやや物足りません
評価:B
観客のレビュー
「素晴らしい作品ですが、映画というよりテレビの長いエピソードのような感じがします」
「うる星やつらのテレビシリーズには吹き替えがなかったが、映画はちゃんと吹き替えられた。映画は30年近く前の作品であるにもかかわらず、とても良い出来だ。真の名作」
「この作品はうる星映画の中で一番好きです。シリーズの奇抜な精神を捉えている唯一の作品です。他の映画も素晴らしいですが、どれもうる星やつら以上のものになろうとしているように感じました」
「2作目の方が評価が高いですが、私はこれがうる星やつらの神髄だと思います。この作品はシリーズの核心を捉えています。スケールも壮大で、わが青春のアルカディアのような古典的名作だと思います。全てのアニメファンが見るべきです」
「テレビシリーズのファンにとっては非常に面白い映画」
「押井守監督の初作品『うる星やつら オンリー・ユー』は、その後に彼が生み出した名作には遠く及ばない。押井監督のスタイル、視覚的モチーフ、哲学のほとんどが完全に欠如している。オンリー・ユーが悪いと言っているわけではない。楽しいし、素晴らしい映像美のシーンもある。しかし、彼のフィルモグラフィーの中では劣った作品だ」
「夫がこのシリーズのファンで、私にこの映画を見るように勧めてきました。私はシリーズを一度も見たことがありません。それでもラムが誘惑的な王女から、バカなボーイフレンドを救おうとするシーンは、とても面白かったです」
「これは本当に素晴らしい映画です。テンポがよくて、ロマンチックで、いつものキャラクターのドタバタが楽しめます。うる星映画のベスト!」
「素晴らしい映画ですが、6作品の中では間違いなく最高ではありません。少しペースが遅く、合間のロマンチックな歌はドタバタの雰囲気に合いませんでした。日本語の声は素晴らしく、特にあたるはシリアスから金切り声まで見事でした」
「優しいオープニングから、妙に笑えるエンディングまで、オンリー・ユーは侮れない作品です。あたると間違えられた面堂の反応やメガネのキレっぷりなど、笑えるシーンが多かった。エルの最後のショットは印象的でした。オンリー・ユーはあらゆる点でテレビシリーズを改良し、向上させた映画です」
「押井監督の作品だとは思えない」
「ストーリーはうる星やつらの世界によく合っていて、あたるは相変わらずクズ野郎で面白い」
「この映画の最大の強みは、シリーズの最高傑作であり金字塔である『ビューティフル・ドリーマー』の影に隠れる必要がなかったことだ。その後の映画はつねにビューティフル・ドリーマーを意識し、余計に原作から遠ざかってしまった(完結編を除く)。原作を軽視しているとして論争を起こしたビューティフル・ドリーマーを監督した押井守が、もっともうる星やつららしい映画を監督したというのは皮肉な話だ。うる星ファンなら間違いなくこの映画を楽しめるだろうが、偉大な監督の初期の作品として見ても興味深い映画である」
「ラムはもっともホットなアニメの女の子です。この映画は間違いなく見る価値があります」
「これが押井作品としては劣ると考える人がいるのも無理はない。だが、これは色彩と明るさに溢れ、押井のより深い野心が時折垣間見える喜びに満ちた映画だ。また原作の魅力がもっとも表現されている映画でもある」
「初めての人は混乱するでしょう(私はしました)。それは主に登場人物の多さによるものです。しかし、ギャグは視覚的に分かりやすく、すぐに映画にのめり込みました」
「アニメーションが素晴らしい。エルの宇宙船が高校上空に現れて、空から花びらが降り注ぐシーンが大好き」
「これは私にとって初めてのうる星やつらで、本当に楽しかったです。でも、私はあたるを蹴飛ばしたい」
「他のうる星映画はシリアスな雰囲気ですが、これは軽いノリで、最初から最後までコメディです。またスタッフは全てのキャラクターを登場させるために、最善を尽くしています。これはシリーズの最高の映画ではないかも知れませんが、テレビシリーズにもっとも近いものです。これはまさにうる星やつらの映画です」
「ラムは本当にかわいい」
「みんながビューティフル・ドリーマーが最高だと言いますが、私はこの映画の方が好きです」
「私の一番好きな映画は攻殻機動隊です。その押井守監督のデビュー作ということで、うる星やつらのことを全く知りませんでしたが見てみました。これは驚くほど面白かったです。魅力的なラブコメで、それ以上でも以下でもありませんが、間違いなく史上最高の日本人監督のデビュー作だと納得しました」
「シリアスな作品ばかり有難がっている押井ファンには、この映画を見て欲しい」
「この映画が素晴らしいものだとは言わない。それでも腹を抱えて笑った」
「軽くて楽しくてテンポは速いが、深みはない。でも、それこそがうる星映画に求められるものだ」
「押井守の映画作品を全て見たいと思っている私にとって、うる星やつらの2本の映画は高いハードルでした(シリーズを一度も見たことがありません)。正直、偏見を持って見始めました。驚いたことに、オンリー・ユーはなかなか面白かった。エルはとても魅力的なキャラクターでした。押井監督もすでに才能を発揮しています。次は評価の高いビューティフル・ドリーマーを見るつもりです。押井らしさ全開と聞いていますが、このコメディ作品がどうやったらそうなるのか見当もつかない」
「映画シリーズの中で、もっともうる星らしい作品」
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コメント
劇場公開時の併映作品がよりによってあの相米慎二監督の怪作だったのは
押井監督にとって不幸でしたね。
当時はあまりの違いに押井氏は衝撃を受けてリベンジを誓ったとか。
いわく、あちらは本物の劇場映画で、自分のは単なるテレビの延長に過ぎない、と。
パヤオにも「全然あなたの映画になってないじゃないか」って言われて
「アンタに言われなくても自分が一番わかってるよ」って答えたんだよね
性格は反対なのに「TVのでっかい版は映画じゃない」って認識は一致してる
パヤオはコナンの総集編映画にも反対して自分の名前をクレジットさせなかったし
戦争が始まったのにメガネ達が大喜びして、しのぶに怒られるシーンをなぜか覚えている