劇場版「クラッシャージョウ」はアメリカでは、1996年に英語字幕版がレーザーディスクでリリースされた
日本での公開は1983年3月12日
人気SF小説「クラッシャージョウ」が初の劇場アニメ化
原作者の高千穂遥が自ら脚本を執筆
原作小説の挿絵を担当している安彦良和がキャラクターデザイン・脚本・監督を手掛けた
同時期に「幻魔大戦」「宇宙戦艦ヤマト 完結編」も公開され、「1983年春のアニメ映画興行戦争」と呼ばれた
第6回アニメグランプリ大賞を受賞した「クラッシャージョウ」
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「クラッシャージョウ」
22世紀、人類は宇宙へ進出していた
その頃、宇宙の様々な仕事を請け負うクラッシャーと呼ばれる人々がいた
西暦2161年、若くして特Aクラスのクラッシャーであるジョウは、仲間のアルフィン、タロス、リッキーたちと仕事を終えて、ホテルで休暇を取ろうとしていた
そこへ財閥スコーラン家の執事と名乗るバレンスチノフという男が現れ、重病の令嬢エレナを緊急移送して欲しいと依頼してきた
急を要するということで、ジョウは本部の許可を取らずに依頼を受けてしまう
ジョウたちの宇宙船ミネルバ号が目的地へ向かっていると突如、機体が制御不能に陥ってしまった
そして、気が付くと依頼人もエレナも姿を消していた
その上、連合宇宙軍のコワルスキー大佐が現れ、ジョウたちを海賊と疑い逮捕してしまう
ジョウたちはバレンスチノフにはめられたのだ
海賊の疑いは晴れたものの、ジョウたちはクラッシャー評議会から6ヶ月の資格停止処分を宣告される
ジョウは何としても汚名を晴らそうとするが…………
原作は高千穂遥の人気SF小説「クラッシャージョウ」シリーズ
ジョウを演じるのは竹村拓
アルフィンは佐々木るん
タロスは小林清志
リッキーは小原乃梨子
コワルスキーは納谷悟朗
監督は安彦良和
アニメーション制作は日本サンライズ
海外の評価
アメリカでは「Crusher Joe: The Movie」のタイトルでリリースされた
現時点でのIMDbのスコアは6.9/10
メディアの評価
The Anime Review
80年代のアニメに対するあなたの意見が何であれ、「クラッシャージョウ」は当時の作品としてはよく出来ています
新しいものはありませんが、ストーリーは十分に安定しています
また入場料を払う価値があるだけの、素晴らしいアクションシーンがいくつかあります
しかし、「クラッシャージョウ」がつまらない作品になっているのは、多くの点で単純に退屈だということです
「オネアミスの翼」「天使の卵」「銀河鉄道の夜」などの当時の名作を見た後だと、刺激が欠けているように感じます
劇中のドライブインシアターで「ダーティペア」が上映されるシーンがありますが、こちらを映画にした方が良かったのではないかと思ってしまいました
「クラッシャージョウ」は決してひどい作品ではありません
良いところはたくさんあり、もう少し忍耐力のある人なら楽しめたかも知れません
しかし、同時期に作られた「わが青春のアルカディア」のような優れた大作とは比べ物になりません
評価:B
Animehead’s Retroworld
これは1983年の昔ながらのSFアクションアドベンチャー映画です
私はこの映画の存在をかなり前から知っていましたが、最近まで見たことがありませんでした
「クラッシャージョウ」は深い映画でも、感動する映画でもありません
代わりにアクション満載で、多くの魅力的なキャラクターが登場します
その世界観は1980年代の多くのアニメ作品と同様に、細部に信じられないほど細心の注意が払われ、まるで宇宙にいるような気分を味わえます
そして、アクションアドベンチャーに求められる全てが、この映画にはあります
美しい女性、賢明なヒーロー、悪者、素晴らしいメカデザイン(スタジオぬえや河森正治が手がけています)
クラッシャーチームはやや無謀なところがありますが、それぞれが愛すべきキャラクターで、私はずっと彼らを応援していました
この映画の上映時間は2時間を超えますが、現代のハリウッド大作よりも2倍面白く、ペースもはるかに優れています
マイケル・ベイはこの映画を見て、勉強した方がいい
Anime News Network
ストーリーは独創的で、アクションはノンストップですが、「クラッシャージョウ」は退屈な映画です
キャラクターの背景の欠如、そして深みのなさは致命的です
同じ4人組でも「カウボーイビバップ」は驚異的でした
ケイとユリの2分間の出演は、この映画の2時間よりも印象的です
のちにクラッシャージョウではなく、ダーティペアのテレビシリーズが制作されたのも不思議ではありません
この映画は知的なストーリーと完成度の高いアクションが、魅力のないキャラクターで台無しになっています
評価:D
Akemi’s Anime World
1980年代の激しい宇宙アクションを探しているなら、「クラッシャージョウ」以上のものはありません
キャラクターの深みや革新的なストーリーはありませんが、アニメではこれまでに見たことのない最高のアクションシーンを見ることができます
あなたが銃撃戦、宇宙空間での戦いが好きならば、この映画はあなたにピッタリです
この映画の見どころはアクションですが、それでもストーリーは悪くなく、キャラクターは深みはありませんが好感が持てます
またジョウたちが乗るミネルバは、これまでに見たSFアニメの中で最高にクールでした
ジャングルや宇宙基地まで様々なロケーションが登場し、その描写はどれも素晴らしい
結論として「クラッシャージョウ」は、スリリングでペースが速く、面白いスペースアクション映画で、このジャンルの中では最高のものの一つです
5/5
観客のレビュー
「悲しいことに『クラッシャージョウ』はアメリカではほとんど知られていませんが、80年代アニメの最高傑作のひとつです。1983年の作品としては、アニメーションのクォリティは非常に高い。アクション満載なのにもかかわらず、非常に説得力のあるストーリーと、素晴らしい声優の演技が観客を魅了します。この映画を強くお勧めします」
「ドッグファイト、銃撃戦、冒険活劇。全てが躍動感あふれる手描きのアニメーションで描かれます。2時間は長いが非常にテンポがよく、アクションが満載です」
「ディスコの乱闘シーンは最高です。アニメ史上、もっとも好きなシーンかも知れない」
「今まで私が見た中で、もっとも夢中になった映画の一つです。スター・ウォーズのオリジナル三部作全てを合わせたよりも優れています」
「史上最高のアクション映画の一つ」
「アクション、爆発、銃撃戦、ドッグファイト。これ以上、何が必要ですか? 次はOVAを見てみたいです」
「めちゃくちゃ楽しい! いい意味でハリウッド感が強い作品でした。安彦良和のキャラクターデザインと監督としての手腕は見事です。次のガンダム映画も、彼に監督して欲しい」
「驚くほど美しいアニメーションに楽しいアクション。ユーモアとシリアスのバランスが絶妙。アニメファンは見逃せない作品です」
「かなりクールでテンポもいい。大好きです」
「アニメーションは美しいですが長すぎますし、英語の吹き替えも酷かった。個人的にはテレビシリーズなら、もっと上手くいったと思います」
「優れたSFアドベンチャー映画の一つ。何か革新的なものがあるわけではないが、あらゆる側面が非常に良く出来ており、弱点が見当たらない。本当に楽しい時間が過ごせた」
「驚くほど面白い。これまでに作られた中で、最高のアニメ映画です。私はアクション映画は好きではありませんが、この作品の魅力に抗うのは難しい。全てのアニメファンは見るべきです。アメリカでは犯罪的に認知度が低いのが悲しい」
「この作品はカウボーイビバップのルーツだと思います。違うところといえばビバップは一貫してジャズ風ですが、ジョウはどちらかというと冒険小説風です。この作品は本物のダイヤモンドの原石です」
「80年代を代表するアニメは『AKIRA』だと思われていますが、私は『クラッシャージョウ』だと思います」
「私にとって、この映画は退屈でした。ビジュアルもアクションもストーリーも良いが、それ以上のものは何もありません」
「しっかりした80年代SFアニメ。その確立されたキャラクターと世界観は、まるでシリーズの後半を見ているような気分になりますが、楽しいSFアドベンチャーです」
「クラッシャージョウがひどく過小評価されていることは明らかです。革新的なものは何もありませんが、宇宙冒険ものとしては全ての点で成功しています」
「確かに132分は長いですが、この映画を嫌いになるのは困難です」
「私は安彦良和の大ファンであり、この映画では彼の魅力が存分に発揮されています。キャラクターデザインも良いが、アクションやユーモアも良かった。ディスコの乱闘は楽しかったです」
「SFアドベンチャーが好きなら、このアニメ映画はぴったりです」
「この映画はアクション満載の壮大なスペースオペラです。昔から私のお気に入りで、一緒に見た友達もとても楽しんでくれました。間違いなく史上最高のアニメ作品のひとつです」
「テレビシリーズが制作されるより前のダーティペアが登場したのは感動した」
「もしも、あなたが70年代から80年代のSFアニメのファンなら、この映画は絶対に楽しめます。銃撃戦、宇宙船のドッグファイト、ジャングルでの死闘、そしてディスコでの殴り合い。とても楽しかった」
「良いアイデアがたくさんあり、映像はかなり素晴らしい。しかし、この映画には強い物語の推進力が欠けています」
「80年代アニメファンなら必見。スペースアドベンチャーコブラを彷彿とさせます」
「宇宙西部劇アニメに期待するものは、全て揃っています。アクションが満載で、とにかく全体的に楽しい」
「安彦良和は天才です」
「好感の持てるキャラクターや、魅力的なメカデザイン。特にアクションに関しては最高レベルです。132分はちょっと長すぎるかも知れませんが、本当に楽しかった」
「この映画は最高です。滑らかなアニメーションとユーモア、緻密に書かれた脚本が見事。続編のOVAも面白かった」
「ダーティペアに比べると、魅力は劣ります」
「完全に時代を先取りした作品です。残念ながら、アメリカでは全く知られていません」
「私が今まで見たアニメ映画の中で、もっとも見栄えのいいものの一つ。今日公開されている多くのアニメよりも優れているのはクレイジーです」
「クラッシャージョウはこの素晴らしい映画とOVAが制作されましたが、残念ながらテレビシリーズは作られませんでした。それでも偉大な傑作です」
「クラッシャージョウ」をAmazonビデオで視聴
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コメント
手描きでコルドバが大回頭する作画が当時の売りだったんだが
いまやだれもそのシーンに言及する人がいないのは可哀そうだなw
OUTの座談会で当時アニメーターの佐藤元が河森に恨み辛みを言ってたね
後、ウイスキーグラスの氷の表現理論は面白かった
宇宙空間でのドッグファイトシーンで、戦闘機の全ての機動において
きちんとバーニア噴射が行われるアニメは、後にも先にもこの作品だけだな
安彦さんの最高の作画だけでも見る価値がある
そしてこれはカリ城のパロディでもある
安彦さんの作画とネバーっとした動きがやっぱり格好いい作品。
まだフルアニメコンプレックスだった時代で、もう無理矢理髪の毛一本ズレたような線が動いていくアニメーションは今観るとこれはこれで魅力的で面白い。
翌年がナウシカ、マクロス、ビューティフルドリーマーなので、今振り返るとこの83年は次の時代との境界線だったのかもしれない。
>当時の作品としては
昔はレベルが低く新しい物ほど高いという思い込みはどうにかならんか?
小説のスピンオフ映画って感じだから
映画だけだと確かにメインキャラの説明が足りなく感じるのかもね
自分は安彦さん監督作品では一番好きです
今だとテレビで見ても分かる背景のクオリティの低さ…
セル画時代は背景のサイズが撮影台の大きさまでに制約されたから仕方ないな
当時はこれを劇場の大画面で見ても不満がなかったんだけどねぇ
昔のというか、中村光毅さんだからというのも大きいような
メカデザイナーとしては大河原さんより凄い人だと思うんだが、背景美術はなあ
ナウシカで宮崎監督がよくOKしたなと当時から思ったもん