「赤毛のアン」の英語吹き替え版は2016年から、YouTubeで公式に視聴可能となっている
日本では1979年1月7日から12月30日まで、全50話がフジテレビで放送された
「世界名作劇場」の第5作目に当たる
L・M・モンゴメリの名作小説「赤毛のアン」を、原作に忠実にアニメ化
高畑勲が演出、宮崎駿が作画スタッフとして名を連ねた最後の作品となった
プリンスエドワード島のグリーン・ゲイブルズに住むマシュウとマリラの兄妹は、孤児院から働き手の男の子を引き取ろうとする
ところがやってきたのは空想好きの赤毛の少女アン・シャーリーだった
何かの手違いだとマリラは、アンを孤児院に戻そうとするが…………
日本で根強い人気を誇る「赤毛のアン」のTVシリーズ
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「赤毛のアン」
カナダのプリンスエドワード島のグリーン・ゲイブルズに住むマシュウとマリラのカスバート兄妹は、孤児院から働き手の男の子を引き取ることにする
しかし、何かの手違いで、やってきたのは空想好きの赤毛の少女アン・シャーリーだった
駅まで迎えに行ったマシュウは、目を輝かせるアンに本当のことを言い出せなかった
グリーン・ゲイブルズに向かう馬車の中で、アンは楽しそうに色々な話をした
次第にマシュウはその瘦せっぽちの少女のことを気に入るようになった
だが、楽しかったのは家に着くまでだった
アンを見て驚いたマリラは、マシュウを問い詰めた
全てが手違いだったと知り、アンは絶望した
アンは孤児院に戻されることになった
翌日、マリラはアンを連れて馬車で出発した
道中でアンはマリラに自分の生い立ちを語った
生まれてすぐに両親を病気で失ったこと、孤児院での孤独な生活
話を聞くうちにマリラは、このまま孤児院へ返していいのか迷いが生じるが…………
原作はL・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」
アンを演じるのは山田栄子
マリラは北原文枝
マシュウは槐柳二
ダイアナは高島雅羅
ギルバートは井上和彦
キャラクターデザインは近藤喜文
場面設定は宮崎駿、櫻井美知代
監督は高畑勲
海外の評価
アメリカでは「Anne of Green Gables」のタイトルで知られている
現時点でのIMDbのスコアは7.7/10
メディアの評価
The Goods Film Reviews
このシリーズはのちにスタジオジブリの共同創設者となる高畑勲と宮崎駿の初期のコラボレーション作品です
シリーズを全話見たわけではありませんが、見たエピソードは全て傑作でした
ビジュアルは魅力的で、それと同じぐらいストーリー展開が素晴らしい
エピソードの中にはほとんど馬車に乗って会話しているだけのものもありますが、決して退屈しません
このシリーズは慎重にキャラクターとプリンスエドワード島の生活を探求し、共感と没入感を生みだしています
7/8
Nishikata Film Review
私が「赤毛のアン」のアニメシリーズを見始めたのは、アンへの日本人の強い関心に対する好奇心があったからです
私はモンゴメリのファンで、彼女の著作を全てコレクションしています
世界中の人々がこの元気な孤児の少女に恋をしている
しかし、日本人ほどアンを愛している国民はいません
カナダで育った私は、毎年プリンスエドワード島に大勢の日本人観光客が押し寄せ、キャベンディッシュのグリーン・ゲイブルズを訪れると聞いていました
このアニメシリーズは50話で構成されており、それは原作の38章それぞれに1話以上が割り当てられたことを意味します
オープニングのアンが馬車に乗って歓喜の白い路の中を飛ぶシーンは、作り手がモンゴメリの自然に対するロマンチックさを共有していることを感じさせます
登場人物や衣装に関しては、全てが正確であるように思えます
場所の描写も正確で、かなりの調査をしたに違いありません
このシリーズの唯一の不満点は、ナレーションが男性であることです
小説に忠実にするには、女性がナレーターだった方がずっと良かったでしょう
Studio Ghibli Blog
カナダで製作された「赤毛のアン」のテレビ映画を見たのは、私が中学生の時でした
私はこの映画が大嫌いで、特にマリラの辛辣さにはうんざりしました
最近になって私は高畑勲の1979年のアニメシリーズを見ました
こちらは紛れもなく傑作でした
世界名作劇場で高畑が手がけた3つの作品(「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」)はどれも素晴らしく、テレビアニメでこれに匹敵するものはありません(「未来少年コナン」は別です)
そもそも3時間のテレビ映画で、アンの物語を描き切るなど不可能です
だからこそ高畑勲の「赤毛のアン」はアンの決定版なのです
マリラも決して単なる意地悪な女性として描かれていません
こうしたキャラクターへの誠実さが、高畑や宮崎のような人々が、アニメーションから芸術を生み出す理由です
そして近藤喜文がいなければ、「赤毛のアン」はこれほどの傑作になっていなかったでしょう
視聴者のレビュー
「私は本を映画化することに基本的には反対です。短い上映時間では原作に忠実な作品など作れません。だが、このアニメは違う。50話あれば、38章からなる小説にふさわしい内容になります。これは間違いなく赤毛のアンの映像化の決定版です(ちなみに多くの人がこれを宮崎作品と思っているようですが、彼が関わったのは最初の15話だけです)」
「私はこの美しいアニメを心から愛しており、赤毛のアンを知ることが出来てとても幸せです」
「この作品のことは以前から噂で聞いていましたが、見る方法がありませんでした。しかし、ネットのおかげで、字幕付きバージョンを見ることが出来ました。何て素晴らしいシリーズでしょう。私自身がカナダ出身なので、アニメでこんなに美しく描かれているのを見て興奮しました。全てが正確に描写されています。このシリーズが1979年に作られたとは信じられません」
「高畑勲の最高傑作。他のどの赤毛のアンの映像化作品よりも素晴らしい」
「中盤でアニメーションが乱れるところがあります。そんな些細な不満はありますが、これほどの長編作品でこんな完璧な作品を見たことがありません。美しい背景から登場人物(シリーズが進むにつれて、誰もが年を重ねていく描写が凄い)、巧妙なストーリー、そして何気ない日常の描写の見事さは他の追随を許しません。ネットで見たのですが、もしブルーレイが発売されたら、知り合い全員に貸してあげたいです」
「これは文字通り、赤毛のアンの最高の映像化作品です。これ以上のものは生まれないでしょう。この作品について何時間でも絶賛できます」
「私は『赤毛のアン』シリーズのファンで、子供の頃から大好きです。最近、インターネットでこのアニメに偶然出会いました。素晴らしい作品です。ストーリーは原作にとても忠実です。赤毛のアンのファンなら、誰にでもお勧めします」
「この高畑勲の赤毛のアンは、これまでで最高の映像化作品です。これに匹敵するアンの映画やテレビ番組はありません。何故これがアメリカで正式にリリースされなかったのか理解できない。アニメーションと絵はまさに芸術作品であり、今日のCGアニメよりはるかに優れています。驚くほど原作に忠実で、全てのエピソードがモンゴメリが意図したとおりのものに感じられます」
「赤毛のアンの映像化作品を見たいなら、このアニメシリーズをお勧めします。悲しいことにノルウェーで見つけるのは困難ですが、これを手に入れて1秒たりとも後悔することはありません」
「私は10歳の時にこのシリーズを見ましたが、1979年に作られたものとは知りませんでした。本当に素晴らしい映像化です。アンのおしゃべり、マリラの想い、マシュウの無条件の愛、アンとギルバートのライバル関係、原作の要素が全て入っています。このアニメを試してみてください。たった1つのエピソードを見ただけで、永遠に好きになってしまうでしょう」
「このシリーズがきっかけで、私は赤毛のアンに夢中になりました。これは貴重な宝石であり、私の子供時代の全てです」
「原作が10点満点だとしたら、このアニメも10点満点です。高畑さんは人間の感情の奥底を探り、シンプルかつ完璧に伝える方法を心得ています」
「このシリーズがプリンスエドワード島を、どれほど上手く描写しているかには驚かされます。私は生まれてからずっと島に住んでいますが、全てが完璧に再現されています。オープニングのアンがリンゴの花の間を飛ぶシーンも好きです。実際、私の土地にはリンゴ園があり、春はとても美しいです。私は博物館で働いているので、日本人観光客が大勢訪れます。赤毛のアンを好きな日本人が、こんなに多いことに驚かされます。アンの本を読んだことのある人には、このアニメをぜひお勧めします」
「アニメーションは原作を映像化するのに最適であるように感じます。アンがキャラクターとしてどれほど圧倒的であるかを、本当によく捉えています」
「この作品を表現できる美しい言葉はありません」
「クリスマスから新年にかけて、このシリーズを子供たちと一緒に見ました。私はアルプスの少女ハイジをとても楽しんだのですが、このシリーズも素晴らしかったです。特に最後の10話はとても感動的でした」
「このシリーズの最初の数話を見ただけで、これが私の生涯のお気に入りの1つになるとすぐに分かりました。そして予想通り気に入っただけでなく、最後の方は大泣きしました。アンの成長とストーリーは完璧に描かれています。マリラ、マシュウ、ダイアナとの関係もとても楽しかった。スタッフとモンゴメリのおかげで、間違いなく史上最高のシリーズになりました」
「日常生活を描いたアニメとしては史上最高」
「恥ずかしながら、これが私が初めて見た高畑作品です。彼は物語をゆっくり描くと聞いていましたが、この作品はまさにその通りでした。しかし、そのゆっくりとしたペースのおかげで、物語にどっぷりと浸り、世界と登場人物に愛着を抱くことが出来ました。このアニメを一言で表すなら、『素晴らしい』でしょう」
「名演出家として知られる高畑勲の、文字通りの頂点。第1話から最終回まで到達不可能なレベルの美しさ。これ以上の作品は誰にも作れないだろう」
「赤毛のアン」をAmazonビデオで視聴
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コメント
プリンスエドワード島の地元の人が違和感ないというなら間違いないな。
じつは40年間ずっとそれが心配だった。
児童文学アニメの最高峰といっても過言ではない
リアルタイムで見ていた。再放送がないな。今はネットで見れけど。
2020年にTOKYO MXで放送してた
東京だと過去作品の再放送は地方3局(TOKYO MX、テレビ神奈川、テレビ埼玉)で被ることが多いんだけど赤毛のアンはMX単独での再放送だった
ググるとこの再放送がネットニュースになっていてどうも全国でもMXだけだったみたい
近藤善文さんに言及してる人がいて良かった
観てタメになる、考えさせられる、高畑・宮崎だからクオリティが高い等々
これぞ名作とか言っちゃうと、途端に観るのが面倒くさくなるだろう。
なので、そんな物はどうでもいい。赤毛のアンは面白いから観て!これにつきる
確かに中盤、ダイアナがコマ送りのようにギクシャクしていたな。ちょうどハヤオが「カリ城」作るために抜けたあたり。高畑演出は冴えていた。淀川さん風に言えば「キャメラがいい」またTVアニメで初めて35mmフィルムで撮影されたと記憶している。そのせいか背景美術は精緻。印象に残るはあの赤い土!
富野監督も序盤で参加してるね
赤毛やマリラがマシューをフルネームで呼んだりするの
1stガンダムに影響与えてると思うわ
名前も挙がってる宮崎駿はアンという夢想少女を理解できなくて、
あまり好きではなかったと言われてるね
それで途中降板したという話にもなってるが、今となっては真偽は分からん
世界中に腹心の友が一杯いる作品だよね
なぜ誰も音楽について語らないのか不思議だ