「紅の豚」はアメリカでは、2005年2月22日にDVDでリリースされた
日本では1992年7月18日に劇場公開された
宮崎駿監督の長編アニメーション映画第6作
第1次大戦後のイタリア・アドリア海で、ポルコ・ロッソは暴れまわる空賊相手に賞金稼ぎをしていた
ある時、目障りなポルコを倒すため空賊たちは、アメリカ人の凄腕パイロットを雇い…………
宮崎駿の短編漫画を映画化した「紅の豚」
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「紅の豚」
第1次大戦後のイタリア、深紅の飛行艇を操る豚のポルコ・ロッソは、かつて人間だった頃はイタリア空軍のエースだったが、今ではアドリア海で空賊相手に賞金稼ぎをしていた
ある夜、昔馴染みのジーナが営むホテルを訪れたポルコは、アメリカ人のパイロットであるカーチスに出会う
カーチスはポルコを倒すために、空賊連合が雇った用心棒だった
しばらく後、ミラノに向かって飛んでいたポルコはカーチスと遭遇し、エンジンの不調もあり撃墜されてしまう
機体の修理のためポルコは、昔なじみの飛行機製造工のピッコロのもとを訪れる
そこでピッコロの孫娘フィオに出会い…………
原作は宮崎駿の短編漫画「飛行艇時代」
ポルコ・ロッソを演じるのは森山周一郎
マダム・ジーナは加藤登紀子
ピッコロおやじは桂三枝
マンマユート・ボスは上條恒彦
フィオ・ピッコロは岡村明美
ミスター・カーチスは大塚明夫
音楽は久石譲
監督は宮崎駿
アニメーション制作はスタジオジブリ
海外の評価
アメリカでは「Porco Rosso」のタイトルでリリースされた
現時点でのIMDbのスコアは7.7/10
ロッテントマトの批評家支持率は96%、観客支持率は87%
メディアの評価
Loud and Clear Reviews
「紅の豚」は宮崎駿監督の真骨頂と言える作品だ
アドリア海の美しい映像と、ファシスト政権下で自分のためにしか空を飛べないと言い切る豚の賞金稼ぎという、あり得ないヒーローの物語が巧みに織り交ぜられている
フェミニスト的な言説と反ファシズムの精神を掲げるこの作品は、30年以上前に初公開されてから何度観返しても、決して古びたり、時代遅れだと感じたりすることはない
4.5/5
Deep Focus Review
宮崎の他の作品のように分かりやすく家族向けではないため、残念ながら米国の観客には「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」などの人気作品に押されて見過ごされてしまった
「紅の豚」は宮崎作品の中で最も過小評価されている作品であり続けている
しかし、気楽なエンターテイメントを目指したこの作品は、今でも観客を飽きさせない
4/4
Larsen On Film
ポルコは実に魅力的な主人公だ
男らしく、ぶっきらぼうで、口数も少ない(英語吹き替え版ではマイケル・キートンが演じている)
ポルコが戦争中の悲惨な任務を回想するシーンは、宮崎駿ならではの詩情あふれるシーンとなっており、心に深く刻まれる
3/4
Groucho Reviews
宮崎駿監督は美しい手描きアニメーションと、見事な風景、バラエティーにとんだキャラクターによって、観客を魅了し続けます
特に飛行シーンはスリル満点で、傑出しています
物語はファシズムなど深刻な問題にも触れていますが、宮崎監督の軽妙なタッチと遊び心は、あらゆる人々を心温まる94分間のファンタジーに引き込むことを約束します
3.5/4
Movie Mezzanine
「紅の豚」は「風立ちぬ」で描かれた自由で美しい飛行機という存在が、いかにして戦争機械へと堕落させられたかというテーマに通じるものがある
ポルコは戦争で戦った後、人間性を奪われて動物の姿をとらざるを得なくなった
もちろん表面下で非常に深刻なテーマが渦巻いているにもかかわらず、この映画は最初から最後までめちゃくちゃ面白くて楽しいことも無視できない
またマイケル・キートンのポルコ役の完璧な無表情の演技を聞くためだけに、日本語版ではなく英語吹き替え版を見ることをお勧めする数少ない作品の1つでもある
評価:A
Combustible Celluloid
「紅の豚」は日本の巨匠アニメーター宮崎駿の作品の中では、劣る作品のように思えるかもしれない
確かに彼の他の作品のような壮大な雰囲気は今ひとつだ
しかし、宮崎が自身の水上機への情熱を満たすために作った作品であり、その個人的な情熱ははっきりと伝わってくる。
そして、本作で重要なのは楽しい時間を過ごすことだけであり、93分間の上映時間はまるで空中を疾走するように、あっという間に過ぎ去っていく
4/4
MovieMartyr.com
豚が主人公の「カサブランカ」を彷彿とさせるこの映画は空中戦、コメディ、ロマンスを驚くほど優雅に織り交ぜている
また若い女性エンジニアのフィオとの友情や、ジーナのポルコへの秘めた想いは、アニメ作品とは思えないほど強く心に響く
そして、この映画には実写映画を上回る息を呑むような飛行シーンが満載だ
宮崎駿の他の作品と比べると「紅の豚」は少し物足りないように思えるかもしれないが、その魅力は否定できない
3.5/4
観客のレビュー
「何年も前からこの映画を勧められていて、ようやく見ることが出来ました。予想通り、大満足でした。主人公のポルコはクールだけど、欠点もたくさんあり、それがキャラクターを魅力的なものにしています。英語吹き替え版ではマイケル・キートンが非常に上手にポルコを演じていて、素晴らしかった」
「結末は少し不満だったものの、メッセージが上手く伝わる素晴らしい映画でした」
「この映画は宮崎作品の中で一番好きではないのですが、それでもなかなか良い作品です。ただ、漫画的な部分とシリアスなテーマのコントラストが、奇妙すぎると感じました。それでも観て損はないと思います」
「愛と自由のために戦う男の心安らぐ冒険物語。今年見た映画の中で、一番美しかったです」
「素晴らしいジブリ映画。10/10の評価を与えます」
「『ファシストになるより豚の方がマシさ』おそらくもっとも過小評価されている宮崎駿の名作」
「一言で言えば、楽しいです。飛行機のアクションが素晴らしく、他のジブリ作品と比べてもかなり面白いです」
「スタジオジブリの中で一番好きな作品ではありませんが、それでも一度は見る価値があります」
「本当に魅力的な映画です」
「『紅の豚』は初めて観て以来、ずっと宮崎監督作品の中でも私のお気に入りの一つだ。観るたびに、何か心を奪われるものがある。鮮明な飛行アニメーション、音楽、美しい風景、そして全てを包み込む魔法。どれも素晴らしい」
「反戦のテーマと、ワクワクする飛行艇の冒険が、チグハグに感じました。宮崎監督の他の作品と比べると、物足りない出来です」
「ジブリ作品の中で一番好きです。ストーリーが他の作品よりも現実に根差していたのが新鮮でした。マイケル・キートンの演技も素晴らしかった。導入シーンも完璧でした」
「『紅の豚』は壮大な飛行アクション、コメディ、そしてポルコが豚になった理由をめぐる興味深いドラマが織りなす、魅力的で楽しめる作品です。他のジブリ作品のような感動や華やかさには欠けるものの、楽しくて夢中になります」
「宮崎駿の最高傑作ではないが、それでもあらゆる年齢の人を魅了する優れた作品だ」
「主人公が豚というのは奇妙ですが、非常に上手く機能しています。ストーリーは素晴らしく、魅力的でユーモラスで、複雑なキャラクターと、この種のファミリー映画にはめったに見られない奥深さを備えています。ジブリ作品の中でも、本作ほど興味深いテーマを描いている作品は他にありません」
「宮崎駿監督作品の中では数少ない、現実世界を舞台にした作品の一つ。記憶に残るキャラクターが登場する、楽しくて面白い作品です」
「楽しい作品ですが、明確な反戦・反ファシズムのメッセージも込められています。結末は少し物足りなかったですが、これまで観たスタジオジブリ作品の中でもっともユニークな作品の一つであり、ぜひお勧めしたい作品です」
「宮崎駿監督の傑作の一つ。アニメーションはいつものように息を呑むほど美しく、ストーリーも宮崎監督独特のスタイルで期待を裏切らない。初期の航空界へのオマージュとして、素晴らしい飛行シーンが描かれている。ユーモアたっぷりでロマンチック、そして心暖まる物語で、音楽も秀逸だ」
「なんて美しい映画でしょう。宮崎駿監督作の中で、2番目に好きな作品です」
「優れたアニメーション、ユーモア、そして鋭い社会風刺に魅了されました」
「この映画の設定は非常にユニークで、空を飛ぶことの素晴らしさ、そしてそのクールさを堪能することができました。中でも特に素晴らしかったのは、主人公のポルコ・ロッソです。彼はクールで格好よく、機知に富んだ軽妙なセリフが印象的でした。水上機の設計と組み立てを、女性が担っていたことも興味深かった」
「魅力的でロマンチック、そして英雄的。ジブリ作品の中で、一番好きです」
「宮崎映画の中では過小評価されている作品。でも、とてもしっかりした映画なので、一度は見る価値があります」
「スタジオジブリの最高傑作を決めるのは至難の業です。どの作品をあげても、意見が分かれるでしょう。しかし、史上もっとも楽しいジブリ映画といえば、間違いなく『紅の豚』です」
「ジブリ作品の中でも特に好きな作品の一つです。空飛ぶ豚をめぐる、面白くて大人っぽくて、しかも驚くほど奥深い物語。この映画の登場人物全員が大好きです! アニメーションと久石譲の音楽も最高です」
「この作品は印象的で生き生きとしたアニメーション、息を呑むような飛行シーン、スリリングで魅力的な物語を特徴としている。しかし、スタジオジブリの最高傑作からは程遠い」
「宮崎駿の初期の作品と比べると明らかに劣っているものの、それでも彼らしい魅力は色濃く残っている。本作が見事に成功しているのは、飛行と航空への探求である。他のジブリ作品と比較すると『紅の豚』は傑作とは言えないが、それでも90年代のアニメーション作品のほとんどを凌駕している」
「最近初めて観ましたが、ジブリ映画の中で個人的にトップに躍り出ました。アニメーションは素晴らしく、キャラクターも面白く、ストーリーとテンポも優れています。老若男女問わず、1000%おすすめです」
「楽しくてロマンチック、素晴らしい冒険と壮大なアニメーション。大好きです」

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コメント
英語版はマイケル・キートンでフランス語版はジャン・レノ
当時の飛行機はアニメで描くような速度や機動性は全くないけどね
もっとずっと遅くてもったりと時間をかけて軌道を変えていく
それを言い出したらアニメの99%がデタラメになっちゃうよ
進撃の巨人だって鬼滅の刃だって重心移動や慣性を無視してるし、ルパン三世だって動体視力や反射神経が人間の限界を超えてるし
アニメは娯楽なんだからもっと気楽に楽しめよ
物足りないとか言う感想はどっからでてくるのかわからない。豚の姿を人間に戻して結婚エンドとかみたいのか?
だからジーナに「この国ではあなたのお国より少し人生がフクザツなの」って言われちゃうんだよ。