Netflixのオリジナル映画「信じる者たちへ」が配信された

スペイン発のミステリー映画
監督はロヘル・グアル
母親の死をきっかけに実家に戻ったルース
久々に再会した父親はまるで別人のようになっていた
ルースは父が母の死に関わっているのではないかと疑い始め…………
母親の死の真相
製薬会社の陰謀とは?
海外サイトなどを参考に解説してみた
なお映画のネタバレ全開なのでご注意を!!
「信じる者たちへ」
ベルリンのクラブでバーテンダーとして働くルース
ある日、疎遠になっていた母親ルシアから、電話がかかってきた
電話は何度もかかってきて、メールも送られてきたが、ルースはそれを無視した
呑み明かした翌朝、ルースは母親が死んだことを電話で知らされた
ルースは急いで故郷に帰り、2年ぶりに父親マルティンと再会した
マルティンの話では、ルシアは浴室で転倒して亡くなったとのことだった
その時、ルシアは泥酔していた
母が酒を飲むはずがない
ルースはその話を信じられなかった
久しぶりの実家で、ルースは父親の異常にも気付いた
近所で失踪したアレハンドロという少年
町に進出してきた製薬会社サーティックスが、少年を人体実験のために誘拐したのだとマルティンは信じていた
どう見ても正気じゃない
ルースは母親の死にも、父が関わっているのではないかと疑い始め…………
疑惑
母親ルシアは泥酔して、風呂場で転倒して亡くなったということだった
警察は事故として処理しようとしていた
しかし、ルースは納得できなかった

母は酒なんて飲まない
昨日、何度もかかってきた母からの電話
マルティンの様子がおかしい、という残されたメッセージ
ずっと鍵がかかったままの父の屋根裏部屋
母はそこで何かを見たのか?
葬儀の時にいた見知らぬ女性
そして、父マルティンの異常な言動
「母の死に父が関与しているのではないか?」
ルースの中でその疑惑は、日に日に膨らんでいった
陰謀論
近所でアレハンドロという少年が行方不明になった
警察も住民も連日捜索したが、少年は見つからなかった
マルティンは地元に進出してきた大手製薬会社サーティックスが黒幕だと信じていた
少年たちをさらって人体実験しているのだ
真剣にそう語る父を、ルースは正気だとは思えなかった

父が母を殺した
そう確信したルースは、そのことを警察に告げに行った
すると警察署には父親がいた
父は担当の刑事に「ルースがルシアの死に関わっているかも知れない」と相談していた
マルティンは元警察官だ
警察に顔が利く
父が自分を陥れようとしている
ルースは急いで警察署から離れた
死の真相
製薬会社が少年たちをさらっている
父は強迫観念から正気を失い、それを止めようとした母を殺害した
ルースはそう確信した
鍵がかかったままの父の屋根裏部屋
あそこに全ての秘密が隠されているはずだ

だが、母親の死の真相は意外なものだった
母は本当にただ転んで亡くなったのだ
屋根裏部屋でルシアは、マルティンがサーティックスを爆破する計画を立てていることを知った
もちろん止めようとしたが、マルティンは全く聞き入れようとしなかった
こんなこと誰にも相談できない
ルシアは酒に逃げるようになった
そしてあの晩、泥酔したルシアは浴室で転倒して亡くなったのだ
父は母を殺していないし、殺そうと計画を立ててもいなかった
極端な考えにとらわれた人は、事実と自分の信じたいことを区別できなくなる
それはマルティンだけでなく、ルースも同じだった
浴室で泥酔して転倒
自分の母親がこんなつまらない死に方をするわけがない
ルースは母の死を受け入れられなかった
誰かのせいにしたかったのだ
その方が楽だから
そうして父が殺人犯であることを証明しようとするあまり、彼が無実であるという他の証拠を無視した
父と同じく、自分も強迫観念にとらわれていたのだとルースは気付いた
ラストシーンの説明
警察を引退したマルティンは、心に穴が開いてしまった
そして人生に目的を見い出そうと、あり得ない陰謀論を信じるようになった
製薬会社が子供たちを誘拐した
そう信じたマルティンは賛同者のベルタと共に、サーティックスに爆薬を仕掛けた
ルースが駆け付けた時には手遅れで、マルティンとベルタは瓦礫の下敷きになり亡くなった
その後、失踪した少年の遺体が湖から発見された
父の死から1年後、ルースはマドリードに引っ越した
そして、水泳を再び始めた
かつて母に無理矢理やらされていた水泳
それが嫌で家を出たのだが、今は泳いでいると母親の存在を感じられた
街でルースは見知らぬ男に話しかけられた
「お父さんは死んでないんだろ?」
男はルースがマルティンの娘だと知っていた
そしてマルティンはまだ生きていて、次の計画のために密かに準備しているというのだ
ルースは否定したが、男はそう信じ切っていた
しかもその男だけでなく、そう信じる人たちが大勢いた
ルースは戦慄を隠せなかった

人は時に不快な現実よりも、こうであって欲しいという物語を信じるようになる
そうした「信じる者たち」は自分に都合の悪い事実から目をそらそうとする
その方が楽だからだ
本作はただ殺人事件の解決を描いた作品ではない
悲しみや恐怖や絶望が、いかに人を誤った確信に陥れるか
陰謀論であれ、個人的な罪悪感であれ、そういった思い込みは、目の前にある真実を見えなくしてしまう
そして、人間関係を崩壊させ、自分を気遣ってくれる人々から孤立させ、取り返しのつかない悲劇を招く可能性がある
そのことがいかに危険かを描いているのだ
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