2026年6月5日、「マスターズ・オブ・ユニバース」が全米で公開された

マテル社が生み出したアクションフィギュアを原作に、コミックやアニメなど様々なメディアで展開されてきた人気シリーズ「マスターズ・オブ・ユニバース」を実写映画化
監督は「バンブルビー」「KUBO クボ 二本の弦の秘密」のトラビス・ナイト
日本でも全米と同時公開
大ヒットした「バービー」に続く玩具メーカーマテル社の人気フィギュアシリーズの実写映画化
カミラ・メンデス、ジャレッド・レト、イドリス・エルバとキャストも豪華
だが、この「マスターズ・オブ・ユニバース」が興行的に苦戦しているというのだ
一体、何が起こったというのか!?
「マスターズ・オブ・ユニバース」
惑星エターニアの王子として生まれたアダム
しかし、幼少の頃、故郷で戦争が勃発し、アダムは身を守るべく地球に送り込まれた
15年後、成長したアダムは、偶然伝説の剣「パワーソード」を手に入れる
そうしてアダムは故郷へ戻るが、エターニアは邪悪な魔術師スケルターによって支配されていた
故郷と人々を救うため、アダムは戦士ヒーマンとして、悪の軍団に立ち向かうが…………
アダム・グレン役を演じるのはニコラス・ガリツィン
ティーラはカミラ・メンデス
スケルターはジャレッド・レト
ダンカンはイドリス・エルバ
監督はトラヴィス・ナイト
オープニング成績
「マスターズ・オブ・ユニバース」は2026年6月5日に全米で3,677の劇場で公開され、3,000万~3,500万ドルの興行収入が見込まれていた
だが、最初の週末の成績は2,930万ドル
「最終絶叫計画 令和!」に次ぐ2位という物足りない結果となった
「マスターズ・オブ・ユニバース」の製作費は、1億7,000万ドルから2億ドルの間と報告されている
業界の常識として、映画が黒字になるには製作費の約2.5倍の収益が必要と言われている
つまり本作の損益分岐点は4億ドルから5億ドル以上
しかし、現時点での興行収入は全世界で合計9210万ドルで、1億ドルにも届いていない
「マスターズ・オブ・ユニバース」が黒字になる可能性はほぼゼロといえるだろう
開発地獄
実は「マスターズ・オブ・ユニバース」は完成までに、長い年月がかかっている
2009年、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが実写版の製作権を獲得
だが、脚本・監督・キャスティングが複数交代して製作は難航し、2022年にNetflixがソニーから権利を取得した
Netflixは開発に3000万ドルを費やしたが、予算が膨らみすぎるという理由で製作を断念
最終的に2024年、Amazon MGMスタジオが買い取り、映画を完成させた
こうして完成までに15年以上を費やし、製作費も膨らんでしまった
評価
紆余曲折の末に完成した「マスターズ・オブ・ユニバース」
その映画の評価は現時点でのIMDbのスコアは7.0/10
ロッテントマトの批評家支持率は68%、観客支持率は86%
シネマスコアによる観客の評価は「B」となっている
これは決して酷い結果ではない
むしろ、なかなか好評といってもいいだろう
しかし、「まあまあの出来栄え」という程度では、観客に劇場まで足を運ばせることは困難だったようだ
観客層
同じくマテル社のフィギュアシリーズを実写映画化した「バービー」は、全世界で14億4800万ドルと大ヒットをした
もちろんマテル社は「マスターズ・オブ・ユニバース」にも、同様の期待をしていただろう
しかし、データによると観客のうち12歳未満はわずか5%、13歳から17歳は6%にすぎなかった
最大の観客層は29%で、45歳から54歳
つまり「マスターズ・オブ・ユニバース」を見て育った世代だ
本作は新規層に全く刺さらなかったようなのだ
新しい世代の子供たちや若者へのPRとして作られた映画としては、完全な戦略的失敗と言わざるを得ない
ブランド
80年代のノスタルジーは大流行で、その時代の主要シリーズは驚くほど長い人気を誇っている
例えば「トランスフォーマー」などは、新しい世代のために絶えず新作が作り続けられている
問題は「マスターズ・オブ・ユニバース」は「トランスフォーマー」などと比べると、ブランドとしては弱かったことだ
一方でこの作品のジャンルをもっと広く、スーパーヒーロー映画の一つとして見たらどうだろう
だが、残念ながらスーパーヒーロー映画のブームはとっくに過ぎてしまっている
2010年代はMCUなどの作品がチャートを席巻していたが、現在はほとんどのスーパーヒーロー映画は期待外れの結果に終わっている
成功したのは「スパイダーマン」「デッドプール」「スーパーマン」など、格上のビッグタイトルのみだ
「マスターズ・オブ・ユニバース」は世に出るのが遅すぎたのだ
ストリーミング
このように「マスターズ・オブ・ユニバース」の興行成績は惨憺たるものだった
しかし、本作が爆死したと断言するのは早計かもしれない
この作品を制作したのはAmazon MGMスタジオ
当然ながら、そう遠くないうちにプライムビデオに登場するだろう
劇場では厳しくても、ストリーミングなら成功する可能性はまだ残されているのだ
実際、作品の評価は決して悪くない
もしプライムビデオで多くの視聴者数を獲得することが出来たなら、Amazonも良しとするのではないだろうか
上手くいけば、おもちゃのヒットにもつながるかもしれない
そうすればマテル社も満足するだろう
監督のトラヴィス・ナイトは続編やシリーズ化の可能性も考えていると語った
確かに劇場での興行は残念な結果だったが、「マスターズ・オブ・ユニバース」が人気シリーズになる可能性はまだ消えていないのだ
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