今、もっとも話題となっている韓国ドラマ
自閉スペクトラム症を抱えた新人弁護士のウ・ヨンウは、その天才的頭脳を駆使して裁判に挑んでいく…………
ウ・ヨンウがとても愛らしくて、周りのキャラクターも魅力的
脚本がかなり優れていて、法廷ものとしても面白い
天才的な頭脳の持ち主だが、自閉スペクトラム症を患い他人と上手く接することのできないウ・ヨンウ
パク・ウンビンがとても愛らしく魅力的に演じている
暖かくウ・ヨンウを見守る周囲の人々も好感が持てた
基本的にはハートウォーミングなストーリーだが、自閉症への差別や現実の厳しさもしっかり描かれる
本作で扱われる事件は殺人事件から企業間のトラブルなど様々
もう打つ手なしという土壇場で、ウ・ヨンウが天才的なひらめきで流れを変える姿が痛快
一話完結なのも見やすかった
危なっかしいウ・ヨンウを優しく見守る同僚のイ・ジュノとのロマンスも見どころ
あとクジラ好きにはたまらない
弁護士としても人間としても成長していくウ・ヨンウ
とにかくウ・ヨンウの一挙一動から目が離せない
愛すべき一作である
予告編
作品情報
作品名「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」（原題Weird Lawyer Woo Young Woo）
演出：ユ・インシク
キャスト：パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨン、チョン・ベス、ペク・ジウォン、チュ・ジョンヒョク、チン・ギョン、チュ・ヒョンヨン、ハ・ユンギョン
全16話
製作国：韓国（2022年）
ざっくりあらすじ
自閉スペクトラム症を抱えた新人弁護士ウ・ヨンウは、同時に天才的な頭脳を持っていた。ウ・ヨンウは様々な事件に挑みながら、弁護士として成長していく…………
感想（ここからネタバレ）
あまりに話題だったので、今頃になって視聴（遅すぎ…………
風変わりな新人弁護士
ウ・ヨンウは初出勤の日を迎えた
大手の法律事務所であるハンバダに、弁護士として採用されたのだ
IQ164でロースクールを首席で卒業した逸材
しかし、今までどこからも採用されなかったのには理由があった
彼女は自閉スペクトラム症を抱えていたのだ
そのためヨンウは他人と上手く接することが出来ない
父親のウ・ビョンホは心配そうに、ヨンウを見送った
ハンバダがあるビルに到着した
だが、ウ・ヨンウは回転ドアに苦戦していた
なかなかビルに入ることが出来ない
ようやくドアをくぐり抜け、ヨンウは法律事務所ハンバダのチョン・ミョンソク弁護士の部屋を訪れた
ミョンソクは新人弁護士が自閉症だと知って驚いた
挙動不審で自分と目を合わせようともしないウ・ヨンウ
とても弁護士など務まりそうにない
ミョンソクはハンバダの代表であるハン・ソニョンのところへ行って抗議した
ソニョンはヨンウに事件を一つ任せてみて、使いものにならなかったら解雇していいと約束した
その事件は妻が認知症の夫をアイロンで殴り、殺人未遂に問われているものだった
何もしなくても執行猶予が取れる簡単な事件だと思われたが…………
作品解説
本作は2022年6月29日からENAチャンネルで放送中
爆発的な人気を呼び、国民ドラマとさえいわれている
ドラマの撮影は2022年7月14日に終了した
パク・ウンビン
新人弁護士のウ・ヨンウを演じる
父親と二人暮らし
自閉症スペクトラム障害を患っている
抜群の記憶力など天才的な才能を見せるが、社会性に乏しく他人とのコミュニケーションを苦手としている
周囲の音に敏感で、街中ではヘッドホンをしている
クジラが大好きで、話し出すと止まらなくなる
あとキンパ（韓国の海苔巻き）が好物で、ほぼそれしか食べない
「どちらから読んでもウ・ヨンウです。キツツキ、トマト、スイス、子猫、南」
いつも同じ自己紹介をするウ・ヨンウ
本作の最大の魅力はウ・ヨンウのキャラクターだろう
彼女の言動は独特でどこかとぼけていて、いつの間にか目を離せなくなってしまう
演じるパク・ウンビンはNetflixの「恋慕」など、多くの話題作に出演
パク・ウンビンはウ・ヨンウ役を非常に難しいと考え、自閉症を誤って描写すると誰かを傷つける可能性があると引き受けるべきか迷ったが、製作陣の強い説得によって出演を決めた
いったん引き受けると自閉スペクトラム症について綿密なリサーチを行い、役に挑んだという
カン・テオ
法律事務所ハンバダの訟務チーム職員イ・ジュノを演じる
二枚目で親切で優しく、女性陣から絶大な人気を誇る
またウ・ヨンウのクジラの話に延々と付き合うことが出来る忍耐力の持ち主である
最初は危なっかしいウ・ヨンウを保護者のように見守っていた
しかし、彼女の独特の魅力に次第に惹き込まれていく
ハンサムで優しく思慮深い
まさに完璧超人
そんなジュノがウ・ヨンウのことを好きになるが、想いが全く伝わらず振り回される姿が面白かった
演じるカン・テオは本作で人気がうなぎのぼりのようだ
カン・ギヨン
ウ・ヨンウの上司の弁護士、チョン・ミョンソクを演じる
誠実で真面目
最初は自閉症を抱えているウ・ヨンウを、弁護士が務まるわけがないと決めつけていた
だが、ヨンウのずば抜けた才能を見せつけられ、次第に彼女を認めていく
良心的で部下想い
ヨンウにとってミョンソクは良き上司である
カン・ギヨンは「キム秘書はいったい、なぜ?」や「十八の瞬間」などに出演
ハ・ユンギョン
ウ・ヨンウの同期の弁護士、チェ・スヨンを演じる
ヨンウとはロースクール時代からの付き合い
学生時代、日常生活に問題が多いのに成績は常にトップのウ・ヨンウに、複雑な感情を抱いていた
しかし、ヨンウが困っていると、つい助けてしまうお人好しな面もある
父親は判事
イ・ジュノに片想いをしている
気が強い性格でウ・ヨンウの恋のライバル
そんな設定だと嫌な人物に描かれそうなものだが、チェ・スヨンはとても魅力的なキャラクターになっている
ウ・ヨンウが差別や嫌がらせに遭うと、本人よりも怒りを爆発させる
仕事を通してヨンウと友情が深まっていく姿が微笑ましかった
ハ・ユンギョンは「賢い医師生活」シリーズで有名
チュ・ヒョニョン
ウ・ヨンウの親友、トン・グラミを演じる
居酒屋に勤務
高校時代、転校してきていじめられていたヨンウをかばい親しくなる
奔放な性格で、ヨンウに様々なアドバイスをする
全く正反対の2人だが、固い友情で結ばれているのが面白い
いつもヨンウとする謎の挨拶がSNSで話題に
チュ・ヒョニョンは「イルチンに目を付けられた時」などに出演
自閉症
自閉スペクトラム症は社会性や他社とのコミュニケーションに困難が生じ、こだわりが強いといった特徴を持つ
一般的には治療法は存在しない
ドラマや映画では「グッド・ドクター」や「レインマン」などが有名
驚異的な記憶力と天才的なひらめき
ウ・ヨンウが裁判で見せる活躍は痛快だ
また周囲も心暖かい人が多い
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」は自閉症をテーマとしているが、かなり明るく前向きに描いている
とはいえ、ただ能天気な作品ではない
第3話では自閉症の被告人が登場し、ウ・ヨンウのように上手くいっているのはレアなケースなのだと、厳しい現実を思い知らされる
裁判
殺人未遂
結婚式の賠償問題
兄弟の遺産相続争い
企業間のトラブル
本作で扱われる事件は多岐にわたる
ドラマチックなものばかりではないのが興味深い
裁判で窮地に追い込まれ敗色濃厚になった時、ウ・ヨンウが起死回生の一手を思いつく
まるで潮風が吹いたかのように前髪がなびき、脳内をクジラが飛び跳ねる
定番の「待ってました！」と思わせる痛快な場面である
本作は法廷ものとしても上質だ
ロマンス
本作の見どころの一つがウ・ヨンウとイ・ジュノのロマンス
ヨンウをいつも優しく見守るジュノに、誰もがときめいてしまうだろう
彼女のことを好きになってしまうジュノ
けれど問題も多かった
2人で歩いていてもボランティアをしていると勘違いされる
当のウ・ヨンウ自身が自分には恋愛は無理だと決めつけている
障害を持つ者との恋愛の困難さ
それを本作はコミカルに、しかし真摯に描いている
成長
この作品が支持された理由の一つは、本作が成長物語となっていることだろう
自閉症を抱えているウ・ヨンウ
社会の中で生きていくのに、ヨンウはつねにハンディを背負っている
彼女はいつも逆境に立たされているのだ
それを理解すると、ヨンウが一生懸命話したり、時にとんちんかんなリアクションをする姿が、とても愛おしく思えてくる
法廷に立つ彼女は美しい
そんなウ・ヨンウの姿に誰もが共感し、惹かれてしまうのだろう
まとめ
自閉症というテーマをコミカルに明るく、けれど誠実に描いている
法廷ものとしても良質
ウ・ヨンウの活躍にワクワクした
ドラマ史に残るヒロインを生み出した本作は必見である
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/extraordinary_attorney_woo/s01
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/383670
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