「シェイプ・オブ・ウォーター」感想 デル・トロ版美女と野獣!?

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俺たちのデルトロ兄貴がオスカーを獲った!!
この作品はもうそれだけで満足!!

予告編

『シェイプ・オブ・ウォーター』日本版予告編

作品情報
作品名「シェイプ・オブ・ウォーター」(原題The Shape of Water)
監督:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン
リチャード・ジェンキンス
ダグ・ジョーンズ
上映時間:124分
製作費:$19,400,000(imdb推定)
製作国:アメリカ(2017年)

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ざっくりあらすじ

イライザは口のきけない孤独な女性
ある日、清掃員として彼女が勤める研究所に謎の生物が運び込まれる
お互い孤独な同士、次第に心を通わせ始めるが……

感想(ここからネタバレあり!)

アカデミー賞作品賞受賞
ロマンチックなポスター
タイタニックのような感動的なラブロマンスを期待して見に行った人も多かったんじゃないかと思う
開幕、いきなりオ〇ニー!!
けっこうな人がドン引きしたのではないだろうか
そういう僕もあまりのインパクトにしばらくストーリーが頭に入ってこなかった(笑)
だがそれこそがギレルモ・デル・トロなのだ

ギレルモ・デル・トロ

メキシコ出身の監督で日本びいきのオタクとしても有名
作品は「ブレイド2」や「ヘルボーイ」シリーズや「クリムゾンピーク」など
もうすぐ続編が公開される「パシフィックリム」は怪獣や巨大ロボットへの愛があふれてて大興奮した
とくにロケットパンチは最高!!
でも監督作品の中で一本を選ぶとすれば、やはり「パンズラビリンス」である

その素敵なポスターを見て、ジブリ映画のような優しいファンタジー作品を予想していたら、むっちゃえぐい映画だった!!
見終わった後は放心状態
こんなラストやっていいの!?
というかワインの瓶こえー!!
価値観がひっくり返されたような強烈な映画体験だった
そしてシェイプオブウォーターも、同じく一筋縄ではいかない作品だった
周囲で見た知人の感想は一様に「面白かったけど、人に薦めるかは迷う」

半魚人

シェイプオブウォーターを見ていてまず思ったのが、うん、半魚人は無理!
だって、むっちゃリアルなんだもん、肌がぬるぬるしてるし
確かに映画が進むにつれ、ちょっとかわいく見えてきたけど、やっぱり無理
恋人どころか友達としてすらキツイ
ぎりペットとしてなら何とか……いや、それも怖いな
「美女と野獣」の野獣ならまだ言葉が通じるからセーフだけど、半魚人はキツイ
まず意思疎通ができないし、ゆで卵以外は何を食べるのかも分からないし(あっ、猫か
そんな半魚人をイライザは受け入れて、マイケル・シャノン演じるストリックランドは受け入れなかった

イライザ

サリーホーキンス演じるイライザはかなりのインパクトがあった
ぶっちゃけ全然美人じゃないし、普通におばさんだし(ファンの皆さん、ごめんなさい
監督はエマ・ワトソンみたいな美女じゃなくて、なんでこんなおばさんをヒロインにしたの?と正直思った
だが見終わってみると、やはりサリー・ホーキンスじゃないとこの作品は成立しなかった気がする
サリー・ホーキンスのいい意味での野暮ったさが、このファンタジーにリアルな血を通わせていた
そして風呂場での水の中のラブシーンも映像的にも素晴らしくて印象的だった
まあ、ちょっと下の映画館に迷惑かけすぎとは思ったけど(笑)

キャストの好演

イライザの隣人で孤独な老人ジャイルズ
彼は同性愛者という誰にも言えない悩みを抱えている
イライザの職場の同僚で頼りになる友人ゼルダ
彼女も黒人ということで時に蔑まれる
口のきけないイライザといい、この作品の主要キャラはみな何らかのハンディを背負っている
そしてそういう人々への監督の視線は優しい
誰もがいきいきとしてユーモアをもって描かれる
そしてその対極にいるのが半魚人を痛めつけるストリックランドである

ストリックランド

マイケル・シャノン演じる軍人ストリックランドは異様だ
イライザと半魚人のラブロマンスを吹き飛ばすほどのインパクトがある
病的にエリートであろうとし、弱者を憎む
パンズラビリンスの時もそうだったけど、監督なんで悪役をこんなに怖くするの?
半魚人よりもインパクト凄いんだけど!?
もはやファンタジーを見てるということを忘れそうになる存在感
だが、ストリックランドはこの作品のもう一人の主役なのかもしれないとも思える
美しい妻や子供たちがいて、家や立派な車もある
人生は順風満帆なはず
しかし、時折覗かせる孤独と絶望感
それが本当に恐ろしくて寂しい
この作品の狂気を一手に引き受けたストリックランドは、やはりシェイプオブウォーターのもう一つの顔なのだろう

ラストの考察

映画のラスト、銃で撃たれたイライザは水の中で息を吹き返し、半魚人と手を取り合い去っていく
うん、ハッピーエンド
良かった、良かった
いや、ちょっと待て
スピルバーグやクリスコロンバスならそれでいいかも知れんが、これはあのギレルモ・デル・トロの作品だぞ
見たままを鵜呑みにしちゃっていいのか?
そして思うにこの作品の語り部はイライザの友人ジャイルズなのだ
だが、ジャイルズは海に落ちた後のイライザと半魚人を一度も見ていない
やはりこのラストは、こうであって欲しいというジャイルズの願望なのだ
半魚人はともかくイライザはやはりあのまま死んでしまったのに違いない
とドヤ顔で思っていたら、首の傷と水辺で幼い頃に捨てられていたことから、イライザも実は半魚人かそれに近いものだったのではないかという説をネットで発見
なるほど、それは思いつかなかった
やっぱりイライザは生きてたんだ!(切り替え早いな
と一瞬思ったが本当にそうだろうか?
それらの細かい伏線こそ罠のような気がする(どんだけ疑り深いんだよ
やはりイライザはあのまま死んだ
そう思った方が個人的にはしっくりくる
でも、やっぱりイライザは水中で蘇り、モンスターとそのあと幸せに暮らした
それも決して間違いではないのだろう
見た人それぞれがハッピーエンドと思えばハッピーエンド
不幸な結末と思えば不幸な結末
ラストシーンは完全に観客に委ねられたのだと思う
その人なりの結末があればいい
パンズラビリンスのラストのように
このモヤモヤした感じ、嫌いではない


The Shape of Water (2017) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_shape_of_water_2017
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=361841

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