映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」の前日譚
ロビエト連邦で空港爆破テロが発生し、銭形警部は容疑者のルパン三世を追うが…………
原点回帰を目指した「LUPIN THE IIIRD」シリーズの最新作
ハードで見ごたえのある出来栄え
映画の前日譚ということであまり期待していなかったが、予想以上の完成度
冒頭から衝撃の展開で、度肝を抜かれた
かなりハードボイルドでアダルトな作品になっている
事件の真相を追求する銭形警部が、非常に渋い
とはいえ、ちゃんとルパンの出番も多くて、物足りなさは感じなかった
そして、偽ルパンが本当にデンジャラスな相手で、非常にキャラが立っていた
前日譚ではあるが、ちゃんときりのいいところまで描かれるのも好印象
ただし、かなりヘビーなストーリーでユーモアは少なめなので、好みは分かれるかも知れない
小池健監督の「LUPIN THE IIIRD」シリーズが好きなら、本作も楽しめるだろう
劇場版を見る前に、絶対に押さえておきたい一作だ
予告編
作品情報
作品名「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」
監督:小池健
キャスト:栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、堀内賢雄
脚本:高橋悠也
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
ざっくりあらすじ
ロビエト連邦で最悪の空港爆破テロが発生。容疑者として浮上したのはルパン三世だった。しかし、銭形警部は犯人は偽者だと気付き…………
感想(ここからネタバレ)
前日譚とはいえ、内容は濃かった…………
「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」
極寒の地・ロビエト連邦の空港に降り立った銭形警部は、爆破テロに遭遇する
惨状の中で銭形が目撃した犯人の顔は、間違いなくルパン三世だった
その頃、ロビエト連邦を訪れていたルパンは、列車に乗り込もうとしていた
そこへ銭形が現れ、ルパンを取り押さえる
爆破テロを起こしたルパンを銭形は罵るが、ルパンには全く身に覚えがなかった
銭形はルパンが嘘を言っていないことを確信する
そこへ列車に乗り込んできた次元が現れ、銭形は2人に逃げられてしまう
一方、峰不二子はサーカス団に潜入し、空中ブランコの乗り手として、最高指導者ブレーリンの寵愛を受けていた
しかし、車で帰る途中に、不二子は何者かから襲撃を受ける
その相手はルパンだった
不二子はそのルパンが偽者だと気付いて…………
『LUPIN THE IIIRD』シリーズ
TVシリーズ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」から続く一連のシリーズ
「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」
「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」
「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」
そして2025年6月27日より、映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」が公開される
どれも原点回帰を目指した作風で、ハードな内容でユーモアは控えめ
2作目からの監督である小池健の個性が、色濃く表れた作品となっている
銭形警部 CV.山寺宏一
本作の主人公
空港で爆破テロに巻き込まれ、犯人のルパンを目撃
執拗に追い詰めるが…………
このシリーズの銭形はハードで冷酷
「とっつあん」と軽々しく呼べない雰囲気がある
ルパン三世 CV.栗田貫一
アルセーヌ・ルパンの孫で、自らも大泥棒かつ変装の達人
爆破テロの犯人とみなされ、銭形やロビエト連邦に追われることとなる
テロの濡れ衣を着せられ、散々な目に遭うルパン
ある島を目指しているようだが…………
前日譚
2025年6月27日より公開予定の映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」
本作はその前日譚である
見る前は映画のおまけのような作品なのかと期待していなかったが、予想以上に内容が濃かった
もちろん多くの謎は残るのだが、十分に見せ場も多くて、一本の作品として成立している
終わり方もきりが良かった
一作品として満足できて、それでいて続きが気になって、映画も見たくなる
ある意味、理想の前日譚と言えるかもしれない
ルパンと銭形
タイトルから完全に銭形が主役なのだと予想していた
しかし、ルパンの出番も十分に多い
むしろ銭形よりも多かった気がする
そういう意味では昔からのファンも安心して見られるだろう
本作の見どころのひとつは、ルパンと銭形の関係
このシリーズはルパンたちの若き頃を描いているので、2人の関係もまだ浅い
いつものシリーズのような馴れ合いが全くないのだ
そんな緊張感ある関係が、見ていて新鮮だった
お互いを敵として認識しているルパンと銭形
だが、物語を通して、自然と相手に一目置くようになる
最後にルパンが銭形に「俺と組まないか」とまで言い出すほどだ(明らかに本気ではないようだったが)
ルパンと銭形の奇妙な絆が成立していく過程は、非常に見ごたえがあった
偽ルパン
本作の最大の見どころは「偽ルパン」
こいつが予想以上にデンジャラス
冒頭の爆破テロを起こすシーンには度肝を抜かれた
何百人死のうが、全く意に介さない
むしろ自分の命すら、平気で投げ出す
完全に危険な異常者だ
最後に偽ルパンは爆弾で自爆する
けれど、その正体は何も明らかにならない
何故、ルパンと顔が瓜二つだったのか?
最後まで自分がルパン三世だと言い張っていたのも引っかかる
全ての謎は映画で明らかになるのだろうか
これは劇場に行きたくなってきた
まとめ
アニメーションのクォリティは高い
映画の前日譚とはいえ、ストーリーも本格的
十分にシリーズの一本として成立する
「LUPIN THE IIIRD」シリーズが好きなら、絶対に見ておくべき一作だ
IMDb
https://www.imdb.com/title/tt36757407/?ref_=fn_all_ttl_5
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/400413
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