Netflixオリジナルの韓国映画
AIを使って亡くなった人と再会できるサービス「ワンダーランド」をめぐるヒューマンドラマ
喜び、悲しみ、絶望、様々な感情を刺激される
キャストも豪華で見ごたえのある一作
亡くなった人を人工知能で再現し、対話することができるサービス「ワンダーランド」
それを利用して悲しみを紛らわせる人々のドラマ
タイトルからもっと泣かせる恋愛映画かと思ったら、かなり深い内容だった
亡くなった母親、昏睡状態の恋人
それぞれのドラマが並行して描かれる
序盤はとっつきにくいが、次第に物語に没入することが出来た
生前の親しい人と対話することが出来る
こんなサービスが本当にあったら、確かに利用してしまうかも知れない
だが、一方でワンダーランドの負の側面も描かれる
タン・ウェイ、ペ・スジ、パク・ボゴム、チェ・ウシク、コン・ユとキャストが豪華
深い感動を味わえる一作
予告編
作品情報
作品名「ワンダーランド: あなたに逢いたくて」(原題:원더랜드)
監督:キム・テヨン
キャスト:タン・ウェイ、ペ・スジ、パク・ボゴム、チョン・ユミ、チェ・ウシク
上映時間:115分
制作国:韓国(2024年)
ざっくりあらすじ
人工知能で人格を再現し、亡くなった人と対話できるサービス「ワンダーランド」。亡くなった母親、昏睡状態で目覚めない恋人。そのサービスを利用する人々のドラマが描かれる。
感想(ここからネタバレ)
タイトルからは恋愛映画だとばかり…………
「ワンダーランド: あなたに逢いたくて」
亡くなった人物や死に準ずる人間の人格を人工知能で再現し、スマホなどを介して対話することが出来るサービス「ワンダーランド」
画面に映される人物はAIとはいえ生前と瓜二つ
亡くなった両親、恋人、孫
多くの人々がそのサービスを喜んで利用した
だが、あまりにリアルな仮想人物は、人々に様々な影響を与え…………
作品解説
監督は「レイトオータム」のキム・テヨン
韓国では2024年6月5日に劇場公開され、初週の興行成績は第1位を記録した
テジュ役のパク・ボゴムはこの映画の撮影後、入隊した
仮想人物ソンジュン役で「新感染 ファイナル・エクスプレス」などのコン・ユがゲスト出演している
ワンダーランド
亡くなったり死に準ずる状況(脳死、植物人間など)の人物の人格を人工知能で再現し、ビデオ通話で対話することが出来るサービス
利用者は気軽に電話をかけることができ、時には仮想人物からかかってくることもある
仮想人物は性格は生前とほぼ同じで、記憶も残っている
ただし、本人は自分が亡くなっていることに気付いていない
海外出張や留学など、自由にシチュエーションを設定することが出来る
サービスの中断を望んでも、月末まではサービスは維持される
バイ・リー
シングルマザーで幼い娘と母親と暮らしていたバイ・リーは、病で倒れる
バイ・リーは自分が死んだ後の娘のために、ワンダーランドサービスに申し込む
子供の頃の夢だった考古学者という設定にして、発掘のために海外にいることにした
娘のジアは母親の死を理解できず、ビデオ通話の相手が本物の母親だと信じて疑わない
だが、いつまで経っても帰ってこない母親に、ジアは自分から会いに行くと言い出す
一方で自分が亡くなっている自覚がない仮想人物のバイ・リーは、何かがおかしいと気付くのだが…………
バイ・リーを演じるのは、「別れる決心」「ラスト、コーション」などで知られる中国出身の国際派女優タン・ウェイ
仮想人物なのに主人公というのが斬新だった
バイ・リーのドラマでは、娘や母親への愛情が描かれる
次第に世界の違和感に気付き、バイ・リーは自分がすでに亡くなっているという事実に直面する
同じ空港にいるのに娘と会うことが出来ないラストシーンは切なかった
また仮想人物のバイ・リーを娘として受け入れられない年老いた母親が、最後に心を開くシーンは感動的
ク・ジョンイン
キャビンアテンダントのジョンインは、恋人のパク・テジュからのモーニングコールで目が覚めた
テジュは宇宙ステーションに勤務しており、頻繁に電話をくれた
だが、それはあくまで設定であり、実際のテジュは病院で昏睡状態のままだった
ジョンインは寂しさに耐えかねて、ワンダーランドサービスに申し込んだのだ
ビデオ通話の中のテジュは、以前と同じく優しかった
そんな時、入院中のテジュが奇跡的に目を覚ました
泣いて喜ぶジョンイン
しかし、事故で脳を損傷しているテジュは、以前とは違っていて…………
ク・ジョンインを演じるのはドラマ「スタートアップ 夢の扉」「イ・ドゥナ!」のペ・スジ
昏睡状態から目覚めた恋人は、以前とは違っていた
そんな彼を受け入れようとするジョンイン
しかし、次第に違和感は大きくなっていく
一方でワンダーランド内のテジュは相変わらず優しかった
自分が本当に好きなのはどちらなのか?
ジョンインのドラマでは実際の恋人とその仮想人物との間で、葛藤する姿が描かれる
恋愛の生々しい面も描かれて印象的なエピソードだった
まとめ
死者と対話するサービス
確かに死を受け入れるために、必要な人もいるかも知れない
一方で依存や現実逃避など、負の一面も描かれた
タイトルから受ける印象に反し、かなり見ごたえのあるSFドラマ
韓国映画好きなら見逃せない一作だ
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/396059
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