Netflix「新聞記者」ネタバレ感想 豪華で骨太な社会派エンターテイメント!!

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第43回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞した映画「新聞記者」が、Netflixでドラマ化
国家主導の公文書改ざん事件を、東都新聞記者・松田杏奈は徹底的に追及するが、様々な圧力がかかって…………

かなりクォリティが高い傑作
地上波では絶対に放送できない攻めたドラマとなっている

米倉涼子、綾野剛、吉岡秀隆、寺島しのぶ、横浜流星、ユースケ・サンタマリア、佐野史郎
豪華すぎるキャスト陣
真実を追求する女性記者を演じる米倉涼子は素晴らしい熱演
他のキャストも好演だが、特に吉岡秀隆の演技が圧巻
国家主導の公文書改ざん
新聞記者、官僚、一般市民
多くの人々の運命が交錯する見ごたえあるドラマとなっている
1話では登場人物や専門用語が多くて戸惑ったが、怒涛の展開に次第に見るのを止められなくなった
個人的には映画よりもはるかに面白かった
まさに「新聞記者」の完成形という印象
日本では珍しい社会派エンターテイメント
気になる人は絶対に見ておくべきだろう


予告編

『新聞記者』 予告編 – Netflix

作品情報
作品名「新聞記者」
監督:藤井道人
キャスト:米倉涼子、綾野剛、吉岡秀隆、寺島しのぶ、横浜流星、吹越満、田口トモロヲ、大倉孝二、田中哲司、萩原聖人、柄本時生、土村芳、小野花梨、橋本じゅん、でんでん、ユースケ・サンタマリア、佐野史郎
全6話
製作国:日本(2022年)

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ざっくりあらすじ

国家主導の公文書改ざん事件を、東都新聞記者・松田杏奈は厳しく追及するが、様々な圧力がかかり…………

感想(ここからネタバレ)

まさに期待以上の出来栄え

公文書改ざん

松田杏奈は東都新聞社会部の記者
官邸記者会見などで忖度なしの鋭い質問を連発することから、記者の間では異端児扱いされていた
松田はAI助成金疑惑で、内閣官房参与の豊田を追っていた

その頃、官邸・総理夫人付の官僚・村上真一は財務省の毛利理財局長と面会していた
学校法人・栄新学園
建設予定の土地の地下には、多くのゴミが埋まっている
その撤去費用12億円を控除して欲しい
この学園の建設には総理や総理夫人が関わっている

「総理のご意向です」

村上の言葉に、毛利局長は屈せざるを得なかった

大学生の木下亮は奨学金のために新聞配達をしていた
だが、亮はロクに新聞を読んだことがなかった
今はネットで何でも分かる
新聞なんて時代遅れだ

毎朝新聞にスクープ記事が載った
栄新学園の記事だった

「国有地安価で売却。設立に官邸関与か」

松田は上司から詐欺事件を離れて、この事件を担当するように言われた

「土地の売却について、私はいっさい関与していません。もし私や妻が関係していれば、総理大臣も国会議員も辞めます」
総理大臣の国会での言葉に衝撃が走った
もしこの言葉が嘘だったら、政権がひっくり返る
官邸・総理補佐官の中川は、この答弁を事実にするように村上に命じた
土地売却に官邸はいっさい関わっていない

鈴木和也は中部財務局に赴任したばかりだった
ある夜、急な呼び出しがあった
駆けつけると、一室に同僚たちが集まっていた
ドアが開き、財務省の毛利理財局長が入ってきた

「栄新学園のことは知ってるね。国会の答弁通りに文書を直してくれ」

それは公文書を改ざんするということだ
鈴木は思わず耳を疑ったが…………

作品解説

原作は東京新聞所属・望月衣塑子の「新聞記者」

監督は映画に続いて藤井道人が担当した

米倉涼子

東都新聞社会部の記者・松田杏奈を演じる
「声なき声を届ける」という熱い信念の持ち主
様々な圧力に屈せず真実を追求する
その分、敵も多い
植物人間になった兄に、何があったのかを探っているが…………

あまりに反政府的な内容のため、映画「新聞記者」では引き受けてくれる女優が見つからず、韓国出身のシム・ウンギョンが選ばれたという
そのドラマ版でまさか「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」で国民的スターの米倉涼子が演じるとは
女優根性に感服
本作は硬派な内容だが、米倉が持つスターのオーラがドラマに華をもたらしていた

綾野剛

官邸・総理大臣夫人付の村上真一を演じる
村上が栄新学園の土地を安く売却するように、財務省に働きかけたことが全ての発端となる
それが原因で内閣情報調査室に異動
ネットを使い政府に都合がいいように、世論をコントロールするように指示されるが…………

上の命令でしたことだった
だが、それが原因で人が1人死んだ
村上は罪悪感に苛まれる
追い詰められていく村上を演じる綾野剛は、迫真の演技だった

横浜流星

大学生の木下亮を演じる
奨学金のために新聞配達をしている
新聞を時代遅れだと思っていた亮
しかし、大好きな叔父さんの鈴木和也が自殺したことで、栄新学園の事件を追うようになり…………

横浜流星は藤井道人監督の「青の帰り道」にも出演
リョウ役を演じている
監督の分身だという亮
彼の成長する姿も本作の見どころの一つ

映画「新聞記者」

シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演
東都新聞の記者・吉岡エリカは匿名でもたらされた医療系大学新設計画の謎を追う
一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に都合のいいように情報をコントロールする任務に葛藤していて…………

第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)に輝いた
凄まじい熱量の力作だが、個人的には物足りなかった
生真面目すぎて遊びが足りないと感じたからだ
後味の悪いラストもモヤモヤした

だが、今回のドラマ版ははるかに面白かった
大きな要因の一つは、横浜流星演じる木下亮の存在だろう
映画では新聞記者と官僚の視点から描かれて、どこか他人事のように感じられた
けれどドラマ版では亮の市民の視点が加わり、がぜんと感情移入しやすくなった
また基本硬派な作品なので、亮の出演シーンがいい息抜きになった
映画版にはなかったメリハリが加わったのだ

映画とドラマの世界がつながっているのも見どころ
内閣情報調査室の多田さんが登場した時は、嬉しくてテンションが上がった

「新聞記者」で痛い目に遭って欲しい人No.1の多田さん♡

その強烈なキャラクターは相変わらずで、悪役ながらナイスだ

社会派ドラマ

「スノーデン」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「ザ・レポート」
政府の悪事を暴く
海外ではそういう社会派作品は少なくないが、日本ではめったにない
「新聞記者」はそういう意味でも貴重な作品である
ただ映画版はエンターテイメントとしてはもう一つに思えた

けれど、ドラマ「新聞記者」は違った
エンターテイメントとしても、かなり面白い

巨悪に立ち向かう勇気
絶体絶命からの大逆転
青年の成長
希望の残るラスト

見事に社会派ドラマとエンターテイメントが融合している
映画でもこれを見たかった
まさに「新聞記者」の完成形という印象だ

まとめ

役者、脚本、演出
全てが高いレベルでまとまっている
とっつきにくい地味な部分も、米倉涼子など豪華なキャストで和らいでいる
まさに会心の一作といえる出来栄えだ

The Journalist (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/the_journalist/s01
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/380776

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