Netflix「獣の棲む家」ネタバレ感想 闇に潜むものの正体は!?

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Netflixオリジナルのホラー映画
戦火のスーダンを離れ、イギリスに亡命してきた夫婦は、ある家をあてがわれるが…………

こいつは凄い
映画史に残るホラー

夜中に聞こえる女の子の声、足音
この家には何かが潜んでいるのか?
ありがちな幽霊屋敷ものと思わせて、驚きの展開
おかしいのはこの家か、自分たちか?
極限まで追い詰められる主人公
そして、衝撃のクライマックス
ホラーというジャンルで、これほど深いテーマが追求できるとは
幽霊屋敷ものとして見ても、かなり怖い
間違いなく2020年を代表する1作


予告編

『獣の棲む家』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「獣の棲む家」(原題His House)
監督:レミ・ウィークス
キャスト:ショペ・ディリス、ウンミ・モサク、マット・スミス、ハビエル・ボテット
上映時間:93分
製作国:イギリス(2020年)

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ざっくりあらすじ

戦火のスーダンを離れ、英国に亡命してきた若き夫婦。彼らは家をあてがわれるが、そこには恐ろしい何かが潜んでいた…………

感想(ここからネタバレ)

ハロウィーンだからと軽い気持ちで見たら、凄い作品だった

亡命

ボルリアールの夫婦は、戦火のスーダンからイギリスへ逃れてきた
2人は逃げる途中、海で幼い娘ニャガクを失った
イギリスに着いても、2人は何ヵ月も収容所に閉じ込められた

ある日、ボルたちは呼び出された
英国は2人に家を提供するという
しかし、決してそこから引っ越すことは許さない
問題を起こしたら、祖国へ強制送還する

案内されたそこは低所得者が住む地域にある質素な住居だった
掃除もされてなく、壁のいたるところに穴が開いていた
ここから新生活が始まる
ボルは早く英国に慣れるように努力しようと誓った
だが、リアールは気が乗らない様子だった

慣れないイギリス
近所の誰もがよそよそしく感じた
2人は疎外感を味わった

そして、奇妙なことが起こり始めた
ボルが夜中に1人でいると、どこかから女の子の声が聞こえた
それはまるで亡くなったニャガクの声のようだった
他にも得体の知れない何かの存在を、闇の中に感じた
ボルは妄想だと思い込もうとしたが…………

ボル

スーダンの紛争から逃れて、イギリスへ来た
元銀行員
娘のニャガクを失ったことを、いまだに引きずっている
イギリスで地域に馴染もうと努力するが…………

リアール

ボルの妻
信心深い
英国の生活にいまだ慣れない
やがてニャガクが自分のそばにいると信じるようになるが…………



幽霊屋敷

ホラー映画の定番、幽霊屋敷もの
多くの作品がある
Netflixだとドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」が有名

幽霊屋敷というと、辺鄙なところにある一軒家というイメージがある
しかし、本作ではどこにでもありそうな住宅
ありふれた外観からは、とても忌まわしい場所とは思えない

だが、本作は幽霊屋敷ものとして見ても、かなり怖い

夜中に聞こえる足音
壁の穴から覗く目
背後に立つ何か

演出も冴えていて、何度も飛び上がりそうになった

社会派ドラマ

紛争の激しいスーダン
そこからイギリスへ亡命してきた夫婦、ボルとリアール
出だしはとてもホラー映画だとは思えない

難民をテーマにした社会派ドラマか?

本気でそう勘違いしそうになった

社会問題を絡ませたホラーというと、「ゲット・アウト」を思い出す

「ゲット・アウト」
人種問題を巧みに絡めたジョーダン・ピールの傑作ホラー
第90回アカデミー賞で脚本賞を受賞

だが、社会派ドラマをより深く絡めたという点では、この「獣の棲む家」に軍配が上がるだろう
スーダンからの難民
最初は何故ホラーというジャンルで、こんな題材を取り上げたのか分からなかった
ところが驚くほど効果を発揮している

イギリスでの慣れない生活
疎外感
いつ強制送還されるか分からない不安
娘を失った苦しみ
戦争の悲惨さ

難民である主人公たちの境遇が、「恐怖」というフィルターを通すことで、鮮明に浮き彫りになるのだ
着眼点の見事さには唸るしかない

それでも中盤までは、まだよくあるホラーの範疇に過ぎなかった
しかし、クライマックスで衝撃の真実が明らかになる

主人公たちが生き残るためにしたこと
その罪の重さ

なぜボルたちに幽霊がつきまとうのか
原因は家ではない
彼ら自身にあったのだ

このどんでん返しには本当に驚かされた
ボルたちは自分の罪、幽霊たちと向き合って生きていくしかない
本作はドラマとしても見ごたえのあるものになっている

まとめ

難民問題をホラーというジャンルで描くとは
こんな映画、見たことがない
最後には深い感動
幽霊屋敷ものとしても一級の出来
定番のホラーを期待すると戸惑うかも知れないが、非常に優れた一作である


His House (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/his_house
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/374061

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