Netflixオリジナルの南アフリカ映画
不可解な連続殺人事件の裏には、壮絶な復讐劇があった…………
児童人身売買という重い題材
気が滅入る内容だが、刑事ドラマとして及第点
「ハンターキラー 潜航せよ」のドノバン・マーシュ監督作品
実話に触発されたストーリー
現在でも子供の人身売買が横行している事実に愕然
人身売買に関わっている者を殺していく犯人
その犯人を追う刑事
何が正しいのか分からなくなってくる
重い題材だが、スリラーとして見ごたえあり
ただ気が滅入ること間違いなし
その覚悟があるなら、見る価値は大いにあるだろう
予告編
作品情報
作品名「アイ・アム・オールガールズ」（原題I Am All Girls）
監督：ドノヴァン・マーシュ
キャスト：エリカ・ウェッセルズ、フルビー・ンボヤ、デオン・ロッツ、ブレンドン・ダニエルズ
上映時間：107分
製作国：南アフリカ（2021年）
ざっくりあらすじ
南アフリカで奇妙な連続殺人事件が発生。被害者は皆、人身売買の容疑者たちだった。刑事のジョディは事件を追ううちに、意外な犯人に辿り着く…………
感想（ここからネタバレ）
南アフリカ映画はほとんど見たことないが、クォリティは高かった
連続殺人
南アフリカのヨハネスブルク
ジョディ刑事は人身売買の取引を追っていたが、犯人を取り逃がしてしまい、別の事件に回されてしまう
それは白人男性が殺された事件だった
被害者は銃殺された上、胸にTSCというスペルが刻まれていた
殺された男は小児性愛者で、児童人身売買にも関わっていた
1994年に6人の少女が誘拐された
綴られたスペルはその内の1人の頭文字と同じだった
ジョディはそのことを上司に訴えた
このままでは再び殺人が行われる
それに人身売買組織のしっぽを掴む糸口になるかも知れない
だが、上司は事件に入れ込みすぎるジョディの精神状態を心配し、3ヵ月の休暇を取るように言った
上司の言葉に納得できず荒れるジョディ
鑑識で親しい仲のヌトンビは、そんなジョディを慰める
しかし、再び同じような殺人事件が発生し…………
作品解説
監督は「ハンターキラー 潜航せよ」のドノバン・マーシュ
「ハンターキラー 潜航せよ」
ロシアでクーデターが発生
アメリカの潜水艦ハンターキラーに、クーデター阻止のミッションが下されるが…………
ジェラルド・バトラーとゲイリー・オールドマンが出演
潜水艦ものにはずれなし
かなり面白かった
ジョディ
女刑事
人身売買組織を潰すことに執念を燃やしている
暴走してトラブルを起こすことも多い
演じるのはエリカ・ウェッセルズ
ヌトンビ
鑑識課
ジョディと親しい
捜査に入れ込みすぎるジョディを、そばで支えるが…………
演じるのはフルビー・ンボヤ
ジョディの恋人でもあるヌトンビ
だが、その正体は連続殺人の犯人だった
そして、次第に彼女の壮絶な過去が明らかになっていく
人身売買
現在、人身売買の被害者の女性の数は年間50万～70万
その半数以上が子供
無事に保護されるのは1％に満たないという
また本作では児童虐待にも触れている
直接的な描写はない
だが、見ていてかなり気が滅入る
あまりに過酷な現実
しかし、目をそらせない事実でもある
そんな重い題材を真っ向から描いたことは、評価すべきだろう
復讐
ジョディの友人である鑑識のヌトンビ
彼女こそ連続殺人の犯人だった
それは早い段階で明かされる
1994年に誘拐された6人の少女
その内の1人がヌトンビだった
他の5人は中東に売られ、ヌトンビだけが残りおもちゃにされた
そして用済みになると、売春宿に売られた
ヌトンビはそこから這い上がり、警察に入った
人身売買に関わった者たち
そいつらを殺し、6人それぞれのイニシャルを刻んでいった
「I Am All Girls!」
ヌトンビが殺す直前に言った言葉
それは誘拐された少女たち全員の想いを背負ったものだった
何が正義か？
幼い子供たちが汚い大人たちによって売られていく
それが分かっていながら、警察は止められない
そんな連中に自ら報復していくヌトンビ
何が正しいのか？
真の悪人を処罰できない法律に意味があるのか？
そしてジョディはヌトンビの後を継ぎ、銃を取る
法に頼れない過酷な現実
苦みの残るラストだった
まとめ
非常に重くデリケートな題材
それを真っ向から描いた
刑事ドラマとしても見ごたえあり
気楽に見られる作品ではないが、時間を費やす価値はあるだろう
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/i_am_all_girls
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