Netflix「アイ・アム・マザー」感想 ロボットに母性はあるか!?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

NetflixオリジナルのSFスリラー
人類が絶滅した世界
シェルターでロボットに育てられた少女
物語は限定された空間で、少ない登場人物で進行する
ロボットやシェルター内の無機質なデザインが秀逸
ジャンルでいうと定番のロボット怖い系
オスカー女優ヒラリー・スワンクも熱演
かなり知的で観客の想像力に訴えかける作品
完成度は高い
人によっては退屈に思えるかも知れない
本格SFが好きな人は楽しめるだろう


予告編

I AM MOTHER | Official Trailer | Netflix

作品情報
作品名「アイ・アム・マザー」(原題I Am Mother)
監督:グラント・スプートア
キャスト:ヒラリー・スワンク、クララ・ルガアード、ローズ・バーン
上映時間:113分
製作国:オーストラリア(2019年)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ざっくりあらすじ

人類は絶滅した。その少女はマザーと名乗るドロイドに、シェルターで育てられた。ある日、シェルターに一匹のネズミが迷い込んだ。外の生物は死滅したのではなかったのか? 疑問を抱いた少女はマザーの目を盗んで、外の世界を確かめようとするのだが………………

感想(ここからネタバレ)

予想以上に本格的なSF
歯ごたえのある作品である

死滅した世界

人類は絶滅した
少女は保存された胚から、”マザー”と呼ばれるロボットに、シェルターで育てられた
マザーは少女のことを”娘”と呼んだ
シェルターに人間は少女だけ
10数年の歳月が流れた

少女はマザーにより様々な教育やバレエを教わった
そして、定期的にテストを受けさせられた
自由時間には昔のTV番組を見て過ごした
他の人間には会ったことがなかった
世界に人間は少女しか残ってないからだ
外は汚染されていて出ることが出来ない

ある日、施設の電気が停まった
マザーも動かない
初めてのことだった
少女は原因を探った
そして、一匹のネズミを見つけた
ネズミが電気系統をショートさせたのだ

外に生物は生き残ってないのではなかったのか?

少女の心に疑惑が生じた
そのことを尋ねると、マザーは曖昧な返事をして、ネズミを焼却してしまった
どうも様子がおかしい

少女はマザーが充電でスリープ状態の時に、彼女の目を盗んで、外界への扉を開けてみようとした
するとドアの外で、女性の助けを求める声が聞こえた
全く予想していないことだった
少女が扉を開けると、そこには血まみれの女性が倒れていた………………

登場人物


ロボットにシェルターで育てられた
人類は絶滅したと教わっていたが………………
演じるのはクララ・ルガアード

女性
血まみれで助けを求めてきた女性
ドロイドを異様に恐れているが………………
演じるのはヒラリー・スワンク

代表作


「ミリオンダラー・ベイビー」
ヒラリー・スワンクといえばこれ!!
クリント・イーストウッド監督の名作
ヒラリー・スワンクの熱演が凄い
ストーリーも衝撃的
ヒラリーはこれでアカデミー主演女優賞を受賞

ロボット怖い系SF

日本ではロボットは巨大ロボットなど、憧れの存在として描かれることが多い
一方、欧米ではロボットを得体の知れない怖いものとして描写される
この「アイ・アム・マザー」も同様である


「ターミネーター」
ロボット怖い系の代表作
コンピューターが反乱を起こし、ロボットが地球を支配しているなど、本作に通じるところが多い
新作も製作中


「エクス・マキナ」
ロボットに悪意はあるのか!?
衝撃のSFスリラー
「アイ・アム・マザー」は色々と影響を受けていそうだ

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

本格SF

「アイ・アム・マザー」は美術のセンスなど、スタンリー・キューブリック的なものを感じる
「2001年宇宙の旅」からも影響を受けているのかも知れない

物語の中盤までは、ずっと閉ざされたシェルターの中が舞台である
人類は絶滅した
そうマザーから聞かされていた少女
しかし、徐々に少女にも観客にも疑惑が生じてくる
このロボットの言ってることを信じていいのか?

そして少女の目の前に、外界から1人の女性が出現することによって、信じていたものが根底から覆される
世界はロボットによって支配されていたのだ

人類は自ら絶滅すると判断したロボットは、現在の人類を一度淘汰し、優秀な人間を自ら育成するプロジェクトを実行した
そうして、育てられたのが少女だった
実はその少女が最初の1人ではなかった

定期的に行われるテスト
それに不合格となった子供は、全て処分されていた
そして、また一から育てられていたのだ

衝撃的な展開である
本作は緻密な設定に基づいた本格的なSFと言っていいだろう

マザー

少女を育ててきたロボット「マザー」
時には優しく、時には母親の包容力さえ感じさせた

その無駄のないデザイン
それなのに感情すら感じさせるような描写は見事
このロボットに本当に母親としての愛情はあるのか?
観客は疑心暗鬼のまま、映画を見続けることになる
このもどかしい感じが本作の特徴

マザーの声を演じるのは「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」や「インシディアス」シリーズのローズ・バーン
その声は穏やかな中に緊張感を感じさせる

もどかしいラスト

女性に連れられて外の世界に逃げた少女
だが、他の仲間はいなかった
女性もたった1人で暮らしていたのだ

クライマックス、少女に取り残された女性の前に、マザーが現れる
女性は孤独に耐えられなかった
少女をとして欲していたのだ
これは母親になりたいもの同士の対立の物語だったのである

マザーは女性をどうしたのか
少女は小さな命と共に、これからどうやって生きていくのか
マザーに少女への愛情はあったのか

それらは全て観客に委ねられる
物語はもどかしい印象のまま幕を閉じる

まとめ

知的な作品である
物語の多くは観客が自ら補完しなくてはならない
苦手な人もいるだろう
モヤモヤした印象も残る
だが、こういう歯ごたえのある作品が好きな人なら、満足できるはずだ
監督はこれがデビュー作らしい
今後の活躍が楽しみだ


I Am Mother (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/i_am_mother
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=368655

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ブログTOP

関連記事
スポンサーリンク
PC レスポンシブ
PC レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする