Netflix「ザ・ボス」感想 ワンマン社長を救うのは女性清掃員!? 

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Netflixオリジナルのスペイン映画である
スペインでは7月6日に劇場公開された
安心安定の人情物
ワンマン社長と女性清掃員の心の交流
ラストは爽快な気分にさせられる
スペインを舞台とした大人のコメディである


予告編

作品情報
作品名「ザ・ボス」(原題Jefe)
監督:セルヒオ・バレホン
キャスト:ルイス・カイェホ、フアナ・アコスタ、カルロ・ドウルシ
上映時間:89分
製作国:スペイン、ポルトガル(2018年)

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ざっくりあらすじ

性格が悪く横暴で社員から嫌われている社長。会社の株価は暴落し、妻とも破局寸前。そんな彼を救ってくれたのは一人の女性清掃員だった………………

感想(ここからネタバレ)

スペインのコメディ映画というのは馴染みがなかったが、なかなか楽しめた
ただ笑いが満載というタイプの作品ではないので、その点は注意
どちらかというと人情物である

絶体絶命の危機

セサールはある会社の社長である
彼は横暴で気が強く、人の言葉を聞かないタイプ
女遊びが好きで、陰でコカインをやっている
そのため社員からも嫌われていた

そんなセサールは人生で最大のピンチを迎えていた
妻と大喧嘩し、破局寸前
家を追い出されてしまった
会社の方は株が大暴落
1週間以内に何とかしないと倒産してしまう

家にも帰れず、仕方ないので会社で寝泊まりするセサール
コールガールを会社に呼んで憂さ晴らし
その後、全裸で深夜の会社をうろついていると、突然エレベーターのドアが開いた
慌てて隠れるセサール
エレベーターから出てきたのは、若い女性の清掃員だった
その清掃員アリアナは社長が見ているとも知らず、歌ったり踊ったりやりたい放題
ついには服を脱ぎ捨て、シャワーを浴びてしまう
セサールは困惑した

シャワー室からバスタオル姿で出てきたアリアナは、勝手に会社の電話を使用
かけた先はコロンビアの実家だった
彼女は出稼ぎのために息子を置いて、スペインまで出てきたのだ
アリアナと息子の愛情たっぷりの会話を聞いて、しんみりするセサール
電話を切ったアリアナは、机の下にいるセサールに気づき悲鳴を上げる
彼女はセサールが止めるのも聞かず、バスタオル姿で飛び出していった

翌日の深夜、社内を清掃中のアリアナの元に、セサールはワインを持って訪れる
最初はギクシャクしていたものの、次第に打ち解ける二人
彼女は社員の机の中をこっそり覗くのを楽しみにしていた
思いもよらない物が出てきて、驚くセサール
お宝を探して机の中を漁る二人
アイスホッケーのマスク、ぬいぐるみ、ヌンチャク、ライトセーバー
山積みになったそれらで、二人は夜通しオフィスではしゃぐのだった

翌日、上機嫌なセサール
そこに思いもよらない報せが耳に飛び込んでくる
役員の誰かが会社の金を横領しているというのだ!!

キャラクター

セサール
ワンマン社長
横柄な態度で、皆から嫌われている
妻との仲は破局寸前
演じるのはルイス・カイェホ

アリアナ
清掃員
コロンビアからスペインに出稼ぎに来ている
国に一人息子がいる
シングルマザー
演じるのはフアナ・アコスタ

ハビエル
セサールの片腕であり友人
唯一、彼に率直な意見を言える人物

ゴメス
役員の一人
セサールのご機嫌ばかり取っている

ワンマン社長

嫌われ者の社長が主人公というのが、この作品のミソだろう
実際、この主人公には序盤、イライラさせられる
業績の不振を社員のせいにして、オフィスから叩き出す
陰ではこっそりドラッグをやっている
妻にも愛想をつかされ、家を追い出される
人の話には耳を傾けない
皆から嫌われるのも納得のキャラクターだ
とても感情移入できそうにない

そんな主人公、セサールが清掃員のアリアナと出会ったことで変化が生まれる

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奇妙な関係

コロンビアから出稼ぎに来ている女性アリアナ
最愛の息子を母親に預け、スペインで頑張っている

セサールを惹きつけたのは、その自由奔放な性格と美貌だろう
妻と破局した寂しさもあったかも知れない
だが、お互いの身の上話を打ち明ける内に、彼女の人柄に惹かれていく
アリアナはセサールに、社員の気持ちが分かってないと諭す
セサールは何故かアリアナの言葉だと、素直に聞けるのだった

清掃員企業の社長
しかし、対等な友人になった二人
この奇妙な関係が本作の見どころの一つ

類似作品

セサールとアリアナの関係を見て、思い出した作品


「最強のふたり」
首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として雇われた刑務所から出たばかりの黒人青年
最初はギスギスしていた二人だが、次第に友情が芽生えていく
実話を元にした映画
立場を越えた友情は「ザ・ボス」と同じ

最強のふたり (字幕版)


「釣りバカ日誌」
日本を代表する喜劇作品
平社員の浜ちゃんと社長のスーさんの関係は、セサールとアリアナに通じるものがある

魅力的なサブキャラクター

「ザ・ボス」では出番は多くないものの、魅力的なキャラクターが登場する

伝言サービス

「セサール、もう限界よ!! 家には帰ってこないで」

社長室に入ってくるやいなや、まくしたてる男
奥さんの伝言をそのまま伝えるサービスらしい
怒ったセサールが奥さんに伝言を伝えようとすると

「返信料金は貰ってません」

仕方なく金を渡すセサール

「追加料金で歌も歌いますが」

このキャラクターとのやりとりは、かなり愉快だった

テレサ
社長を社長とも思わないマイペースな女性警備員
いつも本を読んでいる
終盤ではセサールの心強い味方に

横領事件

中盤、役員の誰かが横領をしていることが発覚する
ここから物語は俄然と面白くなる

頭に来てハビエルが止めるのも聞かずに、「裏切り者は絶対に許さない!!」と役員たちの前で怒鳴りたてるセサール
早急に犯人を見つけるように言いつける
折り悪く奥さんの浮気が発覚
セサールは精神的に参っていた
そこへいつも従順なゴメスがやって来る
横領犯はセサールの腹心ハビエルだと言うのだ
最初は信じないセサールだが、証拠のメールを見せられる
頭に来たセサールはろくに言い分も聞かず、ハビエルを解雇した
その話を聞いて不審に思うアリアナ
ゴメスが怪しいと睨んだ彼女は、彼の動向を探る
そして、不正の証拠を発見するのだった………………

サスペンス色が生まれる終盤
思わぬアリアナの活躍が楽しい

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悪役

黒幕はセサールがずっと馬鹿にしてきたゴメスだった
不正の証拠を叩きつけても動じないゴメス
全ての取締役のメンバーが横領の共犯だった!!
たった一人、ハビエルを除いて
しかもセサールの奥さんの浮気相手はゴメスだった

明日の取締役会で、セサールを追放すると言うゴメス
今まで小者だと舐めていた男が、真の敵だった
このゴメスの豹変ぶりが面白い
悪役が魅力的だと話が盛り上がる

クライマックス

絶望して屋上から身を投げようとしたセサールを、アリアナが間一髪で助ける

「私はクソ野郎だ」

アリアナの前で今までの自分を嘆くセサール
そこに一人の男が入ってくる

翌日、ゴメスたち役員から、セサールは追放を言い渡される
しかし、セサールは自ら辞任すると言い出す
ゴメスたちはそれを受け入れ、辞任の書類にサインした
そこに解雇されたはずのハビエルが入ってくる
セサールとハビエル、二人の株は売った
そして、役員たちの横領の件は国際機関と検察、マスコミに資料を送った

「君たちは有罪になる」

怒りをあらわにするゴメス

「お前も有罪になるぞ!!」
「私は確かにクソ野郎だが、横領はしていない」

クライマックスの大逆転と、ゴメスたちのうろたえっぷりは痛快だった
そして同時にセサールは会社を失った

二人の未来

家族も会社も全て失ったセサール
しかし、晴れ晴れとした表情だった

コロンビアに帰ることにしたというアリアナ
一緒に行くというセサールの申し出を、アリアナは断った
行く当てがないというセサール

「今夜は私の家に泊まって」

それを聞いてセサールの顔が輝く

「勘違いしないで。ただ寝るだけよ」

それでもセサールは嬉しそうに、アリアナについていくのだった

爽快な気分になるラストである
全てを失って憑き物が落ちたようなセサール
二人は対等な関係で歩き出す

まとめ

89分でコンパクトにまとまったコメディである
主人公のキャラクターがとっつきにくいが、次第に共感させられる演出が上手い
また男性は何だかんだいって、女性にはかなわないという気にさせられる
終盤のサスペンス展開も面白い
大人のコメディとしてなかなか楽しめた


Jefe (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/jefe

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