Netflix「ずっとあなたを待っていた」感想 大人のための恋愛ミュージカル映画

Netflixオリジナルのミュージカル映画
近年、話題になった「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」などと比べると、小粒で地味な作品だ
だが、ぶっちゃけ凄く良かった
この作品が素晴らしいのは、女性視点のミュージカル映画になっていること
シングルマザーの恋に踏み出せない臆病な心
それが歌とダンスで描かれる
大人のための恋愛ミュージカル映画である


予告編

作品情報
作品名「ずっとあなたを待っていた」(原題Been So Long)
監督:ティンジ・クリシュナン
キャスト:ミカエラ・コーエル、アリンゼ・ケニ、ジョージ・マッケイ、アシュリー・トーマス
上映時間:100分
製作国:イギリス(2018年)

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ざっくりあらすじ

シングルマザーのシモンは友人のイヴォンヌに強引に夜遊びに付き合わされる。行った先のバーで彼女は魅力的な男性と知り合う。しかし、その男はムショから出たばかりだった………………

感想(ここからネタバレ)

イギリスのミュージカル映画である
Netflixはカンヌ映画祭で数百万ドルで、この作品の世界配信権を買い取った
イギリス映画の中では最高額らしい
よほどこの作品に惚れこんだのだろう

出会い

シモンは娘を一人で育てているシングルマザー
マンディは足が不自由で車いすに乗っている
そのこともあり、シモンの生活は全てマンディ中心
新しい恋など、とんとご無沙汰だった

友人のイヴォンヌはそんな彼女を心配し、夜遊びに誘う
シモンは渋ったが強引に連れ出されてしまう
久しぶりに来たバー
そこでシモンは魅力的な男性に出会う
話が弾む二人
だが、その男性レイモンドは刑務所から出たばかりだった
そのことに気づいたシモンがからかうと、レイモンドは気分を害して出て行ってしまった

夜の街で再会した二人
シモンは失礼を謝り、レイモンドと電話番号を交換した
二人はメールをやり取りするようになる
刑務所を出たばかりで肩身の狭いレイモンド
シモンからのメールだけが喜びだった

シモンとレイモンドはとうとうデートをすることに
その日は最高の一日になり、二人は結ばれた
シモンにすっかり夢中になったレイモンド
もう彼女なしの人生なんて考えられない
二人の仲は順調に進行するかと思えた
だが、浮かれたレイモンドがシモンが娘といるところに勝手に会いに来たことで、彼女の態度が豹変してしまう
シモンと連絡がいっさい取れなくなった
彼女は一体どうしてしまったのか?

キャラクター

シモン
女手一つで娘を育てている
過去に辛い経験をしたため、新しい恋に臆病
演じるのはミカエラ・コーエル

レイモンド
刑務所を出所したばかり
保護観察を受けている
親しかった友人たちとも疎遠になり孤独
演じるのはアリンゼ・ケニ

イヴォンヌ
シモンの友人
派手な外見で遊び好き
シモンのことをいつも心配している

ギル
レイモンドのことをつけ回す男
彼に何か恨みを持っているらしいが………………

バーニー
シモンやイヴォンヌの友人
バーを経営しているが繁盛していない

マンディ
シモンの一人娘
足が不自由で、いつも車いすに乗っている
意志の強い明るい女の子

閉じた世界

シモンはマンディが生まれてから、夜遊びやお酒を断つようになった
この子をちゃんと育てなくてはならない
しっかりした母親にならなくてはならない
頼れる人間は他にいないのだ

「私たちの味方はお互いだけ」

ことあるごとにシモンはマンディにそう言い聞かせた
けれど、レイモンドと出会い夢中になる
彼と結ばれてシモンは生まれ変わったような気分になった

マンディの前にレイモンドが現れた時、シモンはうろたえた
自分たちの味方はお互いだけ
レイモンドという異分子を二人の中に受け入れる覚悟ができていなかった
また去っていくかも知れない
また傷つけられるかも知れない
そうなる前に、シモンは自ら心を閉ざした

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愛すべき人

レイモンドにとってシモンは太陽だった
刑務所から出て、閉ざされた未来しかない
そんな中でシモンは唯一の光だった
彼女なしの人生なんて考えられない

だから、シモンから拒絶されてレイモンドはショックを受ける
満たされない日々
彼女のいない毎日
その苦しみから逃れるために、レイモンドは言い寄ってきた女性と付き合ってしまう
タイミング悪くシモンがそこに現れ、彼女は傷ついて去ってしまう
レイモンドは自分の愚かさに気づいた
自分が必要なのはシモンだけなのだ

愛すべき人々

シモンの昔からの友人、バーニー
彼はバーを経営しているが赤字
店の椅子などを差し押さえられてしまう
父から受け継いだこの店を売るべきか、バーニーは悩んでいる

シモンの母親
いい歳なのに派手な格好で、娘を呆れさせている
だが、彼女はシモン母娘を陰で温かく見守っている

イヴォンヌ
シモンの親友
遊びで付き合っていた男の子供を妊娠してしまったのではないか?
彼女は怯える
調べた結果、妊娠は気のせいだった
彼女は嘆く
出来ていたら、きっと可愛い赤ちゃんだったのに

本筋とは関係ないところで、この作品では様々なキャラクターのエピソードが描かれる
これらのシーンは必要なのか?
最初はそう思っていた
でも、次第にそれぞれのキャラクターが愛しく思えてくる
作り手のキャラクターへの愛情がひしひしと伝わってくる

ミュージカルシーン

朝、マンディを連れて学校へ行くシモン
外に出ると町中が踊っている
ミュージカル映画ならではの楽しいシーンである

「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」
近年、ミュージカル映画の秀作が登場した
それらハリウッド大作に比べると「ずっとあなたを待っていた」は地味で小規模である
ストーリーも派手さのない恋愛ものだ
だが、作り手の手作り感が伝わってきて、好感が持てる
こういったミュージカルもいいものだ

悲劇の予感

映画の序盤から刃物を持ってレイモンドをつけ狙っていたギル
それは本作の悲劇的な展開を予感させた
レイモンドへの愛に素直になれないシモン
だが、彼が死ぬか重傷を負うことで、ようやく自分の本当の気持ちに気づくのではないか
そう思わせた

終盤、ついにその時が訪れた
刃物でレイモンドに襲い掛かるギル

レイモンドにとってギルは全く知らない相手だった

「切り刻んで殺してやる!!」

ギルは自分が一目ぼれした相手を、3年前にレイモンドが奪ったと思い込んでいた

「彼女は俺にとって天使だった。目の前からいなくなって苦しいんだ!!」
「すげー気持ち分かるよ。地獄だよな」

何故か意気投合する二人!!(笑)
かなり意表をついた展開である
思わず爆笑してしまった

ハッピーエンド

シモンは自分の間違いに気づく
それはマンディやイヴォンヌが気づかせてくれた
シモンは自分を守るために心を檻の中に入れていたのだ

「二人でいると心が自由になれる」

ようやくシモンはレイモンドの腕に飛び込んでいくことが出来た

バーニーの店の経営危機も解消され、皆が歌とダンス

これ以上ない大団円!!
こんな明るいラストが待っていようとは思いもよらなかった
心の底から笑顔になれる結末である

まとめ

思わぬ掘り出し物のNetflixオリジナルのミュージカルである
ハリウッド大作のような派手さはないが、心に染み入る作品だ
何より作り手のキャラクターへの愛情が素晴らしい
女性視点のミュージカルとしても秀逸
ミュージカル映画好きなら、見ておいて損はない


Been So Long (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/been_so_long/

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