Netflix「人狼 JIN-ROH」感想 押井守の傑作が韓国で生まれ変わった!!

押井守の代表作「人狼 JIN-ROH」を韓国で実写リメイク
韓国では7月25日に公開され、大コケしたらしい
確かに上映時間は2時間19分とちと長い
話も入り組んでいて、全てを理解するのが大変
内容もかなり硬派なので、コケても仕方ないと思える部分はある
だが、個人的にはめちゃくちゃ面白かった!!
アクションは大迫力
セットも金がかかっている
二転三転するストーリー
警察内部の権力争いも良かった
十分に見る価値のある一作である


予告編

作品情報
作品名「人狼 JIN-ROH」(原題:ILLANG: THE WOLF BRIGADE)
監督:キム・ジウン
キャスト:カン・ドンウォン、ハン・ヒョジュ、チョン・ウソン
原作:押井守
上映時間:139分
製作国:韓国(2018年)

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ざっくりあらすじ

近未来の韓国、テロ組織セクトとテロ団体を制圧するために設立された「特機隊」との戦闘は激化していた………………

感想(ここからネタバレ)

押井守監督が実写映画化した「紅い眼鏡」「ケルベロス 地獄の番犬」
正直言って、どちらも低予算だった
だから、今回の「人狼 JIN-ROH」はファンからすると感涙もの
こんなに金をかけたケルベロス・サーガが見れるとは
もはや感謝しかない!!

出会い

近未来の韓国、南北の政府は統一を宣言したが、それに反対するテロ組織が次々と蜂起した
その中でもセクトと呼ばれる組織は過激で、従来の警察では対抗できなかった
政府はセクトを制圧するために、より武装を強化した警察組織「特機隊」を設立する
特機隊はプロテクトギアと呼ばれる屈強な装備で、功績を順調にあげていった
だが、悲劇は起こる
誤った情報で15人の罪のない少女をテロリストと間違え、射殺してしまったのだ
その事件は“血の金曜日”と呼ばれ、世間の特機隊への風当たりは強くなった

それから5年後の2029年
街では統一に反対するデモが行われ、警官隊と対峙していた
デモの中にはセクトのメンバーも混ざっていた
突如、始まる銃撃
警官たちが次々と倒れていく
態勢を立て直した警察が反撃すると、テロリストたちは地下水路に逃げ込んだ

そこに特機隊が到着
テロリストを追って地下に潜る
特機隊の圧倒的な火力に、セクトのメンバーはあっという間に制圧された

特機隊の隊員イム・ジュンギョンが水路を捜索していると、赤い服を着た少女に遭遇した
彼女は”赤ずきん”と呼ばれるセクトの爆弾の運び屋だった
投降を促すイム
だが、その少女は拒んで爆弾に手をやった
少女はイムの目の前で爆死した

赤い服の少女が忘れられず悪夢にうなされるイム
そんな時、元特機隊で今は公安部にいる友人ハン・サンウが声をかけてきた
少女の遺品が発見されたので、彼女の家族に届けて欲しいというのだ
家族は姉一人だけだという

イムは街で少女の姉イ・ユンフィに会う
彼女はイムを恨んでいなかった
誰を憎めばいいのか分からないという
二人はしばらく一緒に穏やかな時間を過ごした
安らぎを覚えるイム

実は全てが公安部の罠だった
行き過ぎた武装化により、もはや世間からも警察内部からも孤立している特機隊
彼らを潰すためにスキャンダルをでっち上げようという計画だった
ユンフィは少女の姉でも何でもなく、元セクトのメンバーだった
特機隊の隊員とテロリストの密会
それをスキャンダルに仕立て上げ、特機隊を粛正する手はずだった

いきなり衝撃的な展開である
ここから物語はテロリストではなく、警察同士の内戦へと発展していく

キャラクター

イム・ジュンギョン
特機隊の凄腕の隊員
血の金曜日の事件で心に傷を負っている
目の前で自爆した少女の姉ユンフィと、少しずつ親密になっていく
演じるのはカン・ドンウォン

イ・ユンフィ
自爆した少女の姉
実は公安部が特機隊を陥れるために利用しているセクトのメンバーで、姉でも何でもない
協力すれば減刑と病気の弟の医療費を約束されている
演技のつもりが、少しずつイムに惹かれていく
演じるのはハン・ヒョジュ

ハン・サンウ
元特機隊で現在は公安部次長
イムの友人
ユンフィを使って、イムを罠にはめようとする
演じるのはキム・ムヨル

チャン・ジンテ
特機隊の訓練所長
イムを厳しく鍛え上げる
公安部の動きを警戒し、独自に動いている
演じるのはチョン・ウソン

代表作

「鋼鉄の雨」
Netflixオリジナル作品
スケールの大きい手に汗握る傑作
アクションも充実
チョン・ウソンは主役の北朝鮮の工作員を好演

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監督

キム・ジウン
「甘い人生」「悪魔を見た」「グッド・バッド・ウィアード」など多彩なジャンルを手掛ける

代表作

「ラスト・スタンド」
ハリウッド進出作
アーノルド・シュワルツェネッガー主演
これは面白かった
なかなかの良作

ケルベロス・サーガとは?

押井守が手掛ける「ケルベロス」シリーズの総称
第二次世界大戦後、ドイツに占領された架空の日本が舞台となっている


「紅い眼鏡」
押井守が実写映画を監督するというので、期待して見に行った
はっきり言って、ひどい出来
この人は実写映画は向いてないと思った
低予算なのがありありと分かるチープな作り
「うる星やつら」のメガネ役、千葉繁が主役
特機隊の解体後が描かれる

紅い眼鏡


「ケルベロス 地獄の番犬」
前作から予算倍増
アクションも迫力を増した
香港や台湾での長期ロケも敢行された
行方をくらました前作の主人公を追う男が描かれる

ケルベロス-地獄の番犬


「人狼 JIN-ROH」
本作のオリジナル
プロットはほとんど同じ
押井守は原作と脚本だけで、監督はアニメーター出身の沖浦啓之が担当
とにかく作画が凄い
舞台挨拶で沖浦監督の話を聞けたのだが、監督をやった理由は「押井さんに押し付けられた」と言っていた(笑)

人狼 JIN-ROH

韓国でのリメイク

本作は日本から韓国に舞台を移されている
意外と違和感はなかった
むしろ南北問題があるため、緊張感があってリアルだった

製作費は韓国映画としては高額で190億ウォン(1700万ドル)
だが、「ミッション・インポッシブル フォールアウト」などに押され、興行収入は苦しかったようだ
批評家や観客の評価も芳しくなかった様子
原作者の押井守は「思考を喚起する強力な映画だ」と語っている

組織の論理

特機隊公安部
この作品では警察内部の権力争いが描かれる
相手の組織を陥れるための非情な手段には身震いするほどだ
どんな卑劣な手も辞さない
こういうギスギスした組織同士の抗争、大好き!!
スーツ姿の男たちもより格好良く見える

組織の中でがんじがらめになり、自分の意志人間性すらも奪われる男たち
主人公のプロテクトギアとマスクはその象徴である
そのことに疑問を持った主人公は、最後にマスクを外して戦うことになる

アクションシーン

中盤のタワーからの一連のアクションは素晴らしい
敵なら女でも容赦しない主人公がいっそ清々しかった
駐車場でのカーアクションも凄い迫力
とにかく戦闘モードのイムの格好良さに惚れ惚れ

クライマックスの地下水道での主人公と公安との戦いもなかなかの見せ場
プロテクトギアを纏ったイムが鬼のような強さ
一方的に殺されていく公安のメンバーに、むしろ同情した
もはや、どちらが悪なのか分からなかった
ここはあまりにイムが強すぎて、ちょっと単調だったかも

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どんでん返し

ユンフィに心を許し、まんまと公安の罠にはまってしまったイム
ところが終盤、イムは最初から罠だということに気づいていたことが明らかになる
騙されていたのはユンフィや公安の方だったのだ
裏では特機隊のイムの教官であるチャンが動いていた
この辺りの二転三転する展開は見事
まんまと騙された

イムとユンフィ

イムとユンフィのロマンスの行方も、この作品の見どころの一つ
騙し騙される関係だったのに、お互いに心を惹かれ合う
これは演技なのか、それとも本心なのか

ラスト、教官のチャンはイムにユンフィを始末するよう促す
彼女はテロリストであり、公安に協力して特機隊を潰そうとしていたのだ
実はオリジナル版では主人公はさんざん悩んだ末、ヒロインを射殺する
救いようのない結末である
だが、本作ではイムは殺すことを最後まで拒絶する
ここは賛否が分かれるところだろう
個人的にはオリジナルの方が好きだが、エンターテイメントとして見ればこちらの方が無難だろう
さすがにオリジナル版は悲惨すぎたか………………

まとめ

個人的には大満足の作品
あのケルベロスを改めて実写で見れるとは!!
もうそれだけでお腹いっぱい
あの生まれ変わったプロテクトギアを見て、感極まって泣きそうになった
作品も十分にハイクォリティだったと思う
この作品を配信してくれたNetflixには感謝!!
生きてて良かった!!(そこまで!?


Inrang (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/illang_the_wolf_brigade/
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365758

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