全くノーチェックだったが、凄まじい傑作だった
美しい死体
死因を探る検死官の親子
彼らにとってはいつもの日常
だが、その死体には恐ろしい秘密があった
ミステリーとホラーの見事な融合
ホラー映画ファンなら必見レベル!!
予告編
作品情報
作品名「ジェーン・ドウの解剖」(原題The Autopsy of Jane Doe)
監督:アンドレ・ウーブレダル
キャスト:エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オフィリア・ラビボンド、マイケル・マケルハットン、オルウェン・ケリー
上映時間:86分
製作国:アメリカ(2016年)
ざっくりあらすじ
ある日、死体安置所に身元不明の女性の死体が運ばれてくる。検死官の親子は死因を探るために解剖をするのだが………………
感想(ここからネタバレ)
正直言って、僕はホラーは好きだがグロいのは苦手である
そのため「ジェーン・ドウの解剖」はタイトルからして見るのに抵抗があった
実際に見てみると、恐れていた通り序盤からグロいシーンが多かった
思わず目を覆いそうにもなった
しかし、いつの間にかストーリーに夢中になり、解剖シーンをまじまじと見ていた
司法解剖とホラーの融合
素晴らしいアイディアである
美しい死体
一家惨殺事件が起こった
3人が惨たらしい死体で家の中で発見されたのだ
そして、その家の地下からもう一体の死体が発見された
それは女性の死体で、全裸で地面に埋められていた
身元不明のため、その死体は”ジェーン・ドウ”と名付けられた
息子のオースティンと共に遺体安置所と火葬場を経営する検死官のトミーの元に、ジェーン・ドウの死体が運び込まれた
明日の記者会見までに死因を特定してくれという
ジェーン・ドウの身体は綺麗で、外傷は全く見当たらなかった
だが、すぐに奇妙なことに気づく
手首と足首が両方とも折れていたのだ
まるで強くロープか何かで縛られていたかのように
怪訝に思いながらも、ジェーン・ドウの口の中を調べてみる
彼女の舌は切断されていた
トミーとオースティンは顔を見合わせる
明らかにこの死体は普通じゃない
トミーはジェーン・ドウの胸にメスを入れた
そして、彼女の胸部を開いた時、二人は信じられないものを見た………………
キャスト
エミール・ハーシュ
息子のオースティン・ティルデンを演じる
オースティンは検死官としてまだ半人前
早く家を出たいが、父親のことも心配
エマという恋人がいる
代表作
「スピード・レーサー」
ウォシャウスキー姉妹監督作品
TVアニメ「マッハGoGoGo」を実写映画化
エミールは主役を演じた
ブライアン・コックス
オースティンの父親トミー・ティルデンを演じる
腕利きの検死官
妻を2年前に亡くしたことを引きずっている
代表作
「刑事グラハム/凍りついた欲望」
マイケル・マン監督作品
ハンニバル・レクター博士を好演
アンソニー・ホプキンスより先だった
オルウェン・ケリー
この作品のある意味主役、ジェーン・ドウを演じる
セリフも一言もなく、ただ横たわっているだけだが、もの凄い存在感
13歳からモデルとして活躍している
監督
アンドレ・ウーブレダル
ノルウェー人
2010年にドキュメンタリータッチで描いた「トロール・ハンター」が大きな反響を呼び、カルト的人気となった
リアルな解剖シーン
「ジェーン・ドウの解剖」の大半は死体安置所が舞台である
ここではリアルな解剖シーンが描かれる
司法解剖の手順
生々しい死体
医学的な説明
非常に緻密で、まるで医学ドラマを見ているような気分になる
しかし、ジェーン・ドウの死体には恐ろしい秘密があった
それが明らかになるにつれ、日常は非日常に侵食されていく
死体の謎
折れた手首と足首
切断された舌
黒く焼けた肺
内蔵の表面の切り傷
皮膚の裏側に刻まれた奇妙な図形
解剖が進むにつれ恐ろしい事実が次々と明らかになる
いったい、この女性の身に何が起きたのか
とにかく、この作品は前半部分の盛り上がりが凄い
その美しい死体の秘密とは何か?
完全に見入ってしまった
超常現象
外は嵐だとラジオが伝えている
突如、安置所のライトが破裂する
停電でエレベーターは動かず、二人は地下に閉じ込められてしまった
そして、暗闇の中で何かが蠢く物音がする
安置所の他の死体がなくなっていた
ここから物語はいっきにホラーへと姿を変える
安置所の死体が動き出した
トミーとオースティンは何とか脱出しようとするが、外への扉は開かない
全てはあのジェーン・ドウの死体が原因なのだ
二人は再び安置所に戻った
改めてジェーン・ドウを調べるうちに、彼女は何らかの儀式で生贄にされたのだという事実に辿り着く
ジェーン・ドウは1693年に魔女として儀式によって拷問され殺された
トミーの推測はこうだ
彼女は無実の女性で、儀式で悪魔に生まれ変わったのではないか?
死因が分からないのも無理はない
彼女は死んでいないのだ
ジェーン・ドウの目的は復讐
自分が味わった痛みと苦しみを、他の人間にも味あわせること
ミステリーとホラーの融合
この作品の最大の魅力は、ミステリーとホラーが見事に融合していること
ジェーン・ドウの死体の謎
彼女の正体は何者なのか?
惨殺された一家との関係は?
そういったミステリー要素に、動く死体などホラー要素も加わり、相乗効果で盛り上がる
それらが司法解剖というテーマに、無理なく組み合わさっているのが素晴らしい
非常にオリジナリティを感じさせるホラーである
絶望的なラスト
恐怖の一夜が過ぎて、地下からはトミーとオースティンと彼の恋人エマの死体が発見される
誰一人助からなかったのだ
いったい何が起きたのか?
保安官には理解できない
そうしてジェーン・ドウの死体は、大学病院に運ばれる
今度こそしっかり調べてもらうのだ
運搬される車の中で、彼女の足がわずかに動いた
まとめ
司法解剖という設定を巧みに取り入れた秀逸なホラーである
死体の謎でぐいぐいと物語を引っ張っていく
また恐怖度もかなり高い
特に彼女の謎が徐々に明らかになる解剖シーンは凄まじい緊迫感だった
86分でサクッと見れるのもいい
ホラー映画ファンならぜひ見ておくべき1本だろう
rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_autopsy_of_jane_doe/
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=360199
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