Netflixオリジナル映画
強盗殺人の罪で逮捕された優等生の高校生スティーブは、必死に無実を訴えるが…………
絶望的な状況の中で無実を訴える法廷もの
途中までは退屈だが、終盤は見ごたえがあった
強盗殺人で捕まったスティーブの視点で語られる
事件前、事件後、裁判
前半は時系列が飛び回り、非常に見づらかった
だが中盤以降、裁判が佳境に入ると、俄然と面白くなった
主演のケルヴィン・ハリソン・Jrをはじめ、ジェフリー・ライト、ジェニファー・イーリーなど、役者は実力派ぞろい
演出に難ありで、とっつきにくい作品
しかし、法廷ものが好きな人なら、最後まで見て損はしないだろう
予告編
作品情報
作品名「モンスター：その瞳の奥に」（原題Monster）
監督：アンソニー・マンドラー
キャスト：ケルヴィン・ハリソン・Jr、ジェニファー・ハドソン、ジェフリー・ライト、ジェニファー・イーリー、ティム・ブレイク・ネルソン
上映時間：98分
製作国：アメリカ（2018年）
ざっくりあらすじ
強盗殺人の罪で逮捕された優等生の高校生スティーブは、必死に無実を訴えるが…………
感想（ここからネタバレ）
悪くない映画なのだが、面白くなるまでが長い…………
崩壊
スティーヴ・ハーモンはエリート校に通う17歳の高校生
将来の夢は映画監督になること
愛情深い両親に仲のいい弟
スティーブは順風満帆な日々を送っていた
そんなスティーブが逮捕された
近所のスーパーの店主が、強盗に殺された
その時、女性客が店でスティーブを見たというのだ
スティーブは拘置所に入れられた
恐ろしい犯罪者たち
慣れない環境
絶たれた未来
それからのスティーブの日々は、暗澹たるものだった
弁護士はキャサリンという女性だった
検事も陪審員も若い黒人というだけで、犯罪者だと決めつける
キャサリンは状況は厳しいと語った
そうして裁判が始まったのだが…………
作品解説
ウォルター・ディーン・マイヤーズのベストセラー小説「Monster」が原作
本作は2018年にサンダンス映画祭でプレミア上映された
2020年にNetflixが配信権を獲得した
ケルヴィン・ハリソン・Jr
主人公のスティーヴ・ハーモンを演じる
エリート校に通う優等生
映画製作に夢中
人生は希望に満ちていたが、殺人犯として逮捕され一変する
誰もが自分を有罪と決めつけていることに、スティーブは絶望するが…………
ケルヴィン・ハリソン・Jrは「WAVES ウェイブス」、「ルース・エドガー」など、話題作に続々と出演する注目の若手俳優
ジェニファー・イーリー
弁護士であるキャサリンを演じる
一見クールだが誠実な女性
スティーブを無実と信じて、不利な状況の中、裁判に臨むが…………
ジェニファー・イーリーはドラマや映画、舞台など様々な作品に出演
トニー賞も受賞している
モンスター
強盗殺人犯として逮捕されたスティーブ
若い黒人
それだけの理由で、誰もがスティーブを犯人と決めつける
その恐ろしい事実に戦慄した
本当のモンスターとは誰なのか？
この作品は最後まで考えさせられる
羅生門
劇中で映画「羅生門」が登場する
「羅生門」
日本映画で初めてベネチア国際映画祭でグランプリを受賞
黒澤明監督の不朽の名作
今見ても斬新
真実とは一つではない
人の数だけ存在する
「羅生門」のテーマは本作にも通じている
演出
事件前、事件当日、事件後、裁判
この作品は時系列があっちこっち飛び回る
特に前半は見づらくて、キャラクターに感情移入する暇もなかった
本作の監督のアンソニー・マンドラーは元々ミュージック・ビデオのディレクターで、幾人もの人気アーティストのPVを手掛けてきた
そして、長編映画はこれが初めて
そのせいか編集やカットがまるでPVのようで、非常に慌ただしかった
おかげで前半はストーリーにのめり込めなかった
だが、裁判が佳境に入ると、演出も落ち着いてきて、俄然と面白くなってくる
役者は実力派ぞろいなので、最初からじっくりと描いて欲しかったところだ
真実
検事も陪審員も、スティーブを有罪だと決めつけている
有罪となれば、懲役25年
人生の大半を棒に振ることになってしまう
絶対的に不利な状況
ここから挽回できるのか？
最後までどう転ぶか分からず、とても見ごたえがあった
そして明かされる真実
これには唸らされた
本当のモンスターとは誰だったのか？
深く考えさせられる結末だった
まとめ
欠点もあるが、見ごたえのある法廷ドラマ
キャストも好演
ラストの余韻が見事だった
手放しでは褒められないが、一見の価値がある作品だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/monster_2021
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/376897
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