Netflix「ミュンヘン:戦火燃ゆる前に」ネタバレ感想 歴史の裏の静かなる戦い!!

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Netflixオリジナルのイギリス映画
戦争の危機が迫る1938年、大学時代の親友2人はミュンヘン会談で再会するが…………

地味で静かだがスリリング
見ごたえのある歴史スリラーとなっている

アドルフ・ヒトラーのナチスドイツの台頭によって、第2次世界大戦の危機が迫っているヨーロッパ
その事態を回避するために各国首脳が集まったミュンヘン会談が舞台
戦争映画ではなく、戦争を食い止めるドラマという着眼点が面白い
序盤は少し地味でとっつきにくい印象だった
しかし、ミュンヘン会談が始まってからは、スリリングなシーンの連続
あまりの緊迫感に胃が痛くなりそうだった
主演は「1917 命をかけた伝令」のジョージ・マッケイ
またイギリスのネヴィル・チェンバレン首相を演じるジェレミー・アイアンズが、見事な貫禄を見せる
命がけの信念
敵国に分かれた2人の友情
まさにいぶし銀
大人のためのスパイ映画となっている
派手なシーンは少ないが見る価値のある一作だ


予告編

『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「ミュンヘン:戦火燃ゆる前に」(原題Munich: The Edge of War)
監督:クリスティアン・シュヴォホー
キャスト:ジョージ・マッケイ、ヤニス・ニーヴーナー、ジェレミー・アイアンズ
上映時間:131分
製作国:イギリス(2021年)

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ざっくりあらすじ

大学時代の親友であるイギリス人のヒューとドイツ人のポール。戦争の危機が迫る中、1938年のミュンヘン会談で2人は再会するが…………

感想(ここからネタバレ)

重厚な一作

戦争の危機

イギリス人のヒュー・レガトとドイツ人のポール・フォン・ハートマン
そして同じくドイツ人でポールの恋人のレナ
3人はオックスフォード大学の親友同士だった

大学を卒業して6年が経った
ヒューはイギリスでネヴィル・チェンバレン首相の秘書を務めていた
1938年、アドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツは、チェコスロバキアに侵攻を開始しようとしていた
何としてでも戦争を回避したい
チェンバレン首相はヒトラーを含む首脳会談の開催を提案した

同じ頃、ポールはドイツの外交官という立場にあった
ヒトラーに傾倒するドイツ国民たちを、ポールは苦々しく思っていた
このままではヨーロッパ全土を巻き込んだ戦争になる
ポールは仲間たちと反ナチスとして、密かに活動していた

そんな時、ポールはヒトラーがヨーロッパの征服を企んでいる証拠となる極秘の書類を入手する
この書類を見せれば、英国首相もヒトラーがいかに危険か理解するはずだ
ポールは危険を承知で、親友のヒューに書類を託そうと考える
それには各国首脳が集まるミュンヘン会談が最適だ

1938年の9月、イギリス、フランス、イタリア、ドイツの首脳がミュンヘンに集まった
その一団の中にはヒューの姿もあったが…………

作品解説

原作はロバート・ハリスの2018年の小説「Munich」

監督は「カールと共に」などのクリスティアン・シュヴォホー

ジョージ・マッケイ

イギリスのネヴィル・チェンバレン首相の秘書であるヒュー・レガトを演じる
戦争の危機が迫り、仕事に忙殺されて、妻や息子と過ごす時間を取れない
首相とミュンヘンへ同行することになり、そこでかつての親友ポールと再会するが…………

ジョージ・マッケイは「1917 命をかけた伝令」で、第1次世界大戦で重要な命令を伝達するために戦場を駆け抜ける若き兵士を演じた
また本作のヒュー・レガト役を演じるために、ドイツ語を学んだという

全編ワンカット!! 若き兵士2人の目を通して、戦場を体験できる 長い塹壕 飛び交う銃弾 死体の山 主人公たちの焦りや恐怖がダイレク...

ヤニス・ニーヴーナー

ドイツの外交官ポール・フォン・ハートマンを演じる
愛国心が強い
かつてはアドルフ・ヒトラーを信奉していた
しかし、ある出来事をきっかけに、ヒトラーを危険視するようになり…………

ヤニス・ニーヴーナーは同じクリスティアン・シュヴォホー監督の「カールと共に」に出演している

ジェレミー・アイアンズ

英国首相のネヴィル・チェンバレンを演じる
第1次世界大戦で国民は深く傷ついた
そのために第2次世界大戦は、何としてでも回避しようと考えている
ヒトラーを含む各国首脳会談を提案するが…………

ジェレミー・アイアンズは「運命の逆転」でアカデミー主演男優賞を受賞
「ダイ・ハード3」のテロリスト役も印象深い
本作ではネヴィル・チェンバレン首相を貫禄たっぷりに演じている

アドルフ・ヒトラー

アドルフ・ヒトラーが登場する映画は多い

「ヒトラー 〜最期の12日間〜」

独裁者アドルフ・ヒトラーが自殺するまでの最期の12日間を克明に描いた作品
ヒトラーを演じるブルーノ・ガンツの熱演が凄い
まるでドキュメンタリーを見ているかのような生々しさがあった
ドイツが製作しているだけに、かなりリアル
ヒトラーが主役の映画は意外と少ないので、貴重な一作だ

「ジョジョ・ラビット」

第2次世界大戦下のドイツが舞台
ヒトラーを信奉する10歳の少年ジョジョの毎日がユーモラスに描かれる
監督がタイカ・ワイティティなのでコメディなのかと思いきや、衝撃的な展開も
スカーレット・ヨハンソンがジョジョの母親を好演
ヒトラーはジョジョの空想の友達として描かれる

この「ミュンヘン:戦火燃ゆる前に」が興味深いのは、ヒトラーが第2次世界大戦を引き起こす1年前が描かれていること
世界はまだヒトラーの本当の恐ろしさに気付いていない
本作でアドルフ・ヒトラーを演じるのはウルリッヒ・マテス
冷酷で恐ろしいが、どこか人間味も感じさせるヒトラーを好演

ミュンヘン会談

1938年、世界はまだ第1次世界大戦の傷が癒えてなく、もう戦争はこりごりだという空気が流れていた
そんな時、ドイツのアドルフ・ヒトラーはドイツ系住民が多数を占めるズデーテン地方の自国への帰属を主張し、チェコスロバキアへの侵攻の準備を進めていた
何としても戦争を回避したいイギリスのネヴィル・チェンバレン首相は首脳会談を提案した
こうして9月29日にドイツのミュンヘンでイギリスのチェンバレン首相、フランスのダラディエ首相、イタリアのムッソリーニ、ドイツのヒトラーが集まり会談が行われた
これがミュンヘン会談である
当事者であるチェコスロバキアの代表は会談に加われなかった

この会談ではこれ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求が全面的に認められた
こうした弱腰の宥和政策が、ドイツの増長を招いたといわれている
のちにチャーチル首相は「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう」と語った
一方でこの会談で稼いだ時間で、イギリスは戦争の準備を十分に行うことが出来たという肯定的な意見もある

ちなみに本作ではミュンヘン会談で実際に使われた建物(現在は芸術大学)で撮影され、リアリティを増している

スパイ・スリラー

ヒトラーの真の目的はヨーロッパ征服
ポールはその証拠となる極秘書類を手に入れる
この書類をミュンヘン会談で友人のヒューに渡し、チェンバレン首相に見てもらいたい

ここから映画は一気に緊迫感を増す

ナチスの監視の目
ばれたら処刑
積み重なるトラブル

スリリングなシーンの連続で目が離せなかった
この数枚の書類に世界の命運がかかっている
まさにスパイ・スリラーという趣きだ

面白いのはこれほど緊迫感のあるスリラーでありながら、終わってみると1人の死人も出ていないこと
銃の発砲シーンすらなかった
素晴らしく静かで知的ないぶし銀の作品となっている

信念

大学時代に親友だったイギリス人のヒューとドイツ人のポール
だが、数年前に酷い喧嘩をしてそれっきりだった
そんな2人が世界を救うために、再び手を組む
かなり熱いシチュエーションだ

目先の平和を選択する首脳や民衆たち
しかし、映画を見ている視聴者は分かっている
その後、何が起きるのかを

今のうちにヒトラーを叩き潰さなければならない!!

ヒューやポールと視聴者の心が一つになる
まさに静かで熱い男たちの映画だ

まとめ

地味で派手なシーンもない
だが、いぶし銀の渋さ
「裏切りのサーカス」に通じるものがある
好きな人にはたまらない一作だ

Munich: The Edge of War (2021) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/munich_the_edge_of_war
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/380670

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