Netflixオリジナルのスペイン映画
国外に逃亡しようとした妊婦のミアは、貨物コンテナの中に閉じ込められてしまい…………
コンテナに閉じ込められ海を漂流する壮絶なサバイバル
見ていて辛くなるストーリーだが、ラストは感動
スペイン版「キャスト・アウェイ」というイメージだった本作
だが、近未来が舞台で思った以上に世紀末な雰囲気
ミアがコンテナに閉じ込められるまでの序盤のストーリーは衝撃的
しかし、その後はずっとコンテナの中で物語が進む
次々とミアを襲う困難はもはやホラー
ユーモアも一切なく、見ていてしんどかった
とはいえミアが子供を守るために、たくましく成長していく姿は見ごたえがあった
痛々しいシーンが多く、あまりお勧めする作品ではないが、最後まで見ればそれなりの満足感が得られるだろう
サバイバルものが好きな人は一見の価値あり
予告編
作品情報
作品名「ノーウェア：漂流」（原題Nowhere）
キャスト：アンナ・カスティーリョ、タマル・ノバス
上映時間：109分
制作国：スペイン（2023年）
ざっくりあらすじ
妊婦のミアは荒んだ国家から脱出しようとするが、貨物コンテナに閉じ込められてしまい…………
感想（ここからネタバレ）
赤ん坊が凄くリアルだったが、CGだったのか気になる…………
漂流
近未来のある荒廃した全体主義国家
物資が不足して人口は制限され、子供や妊婦は連行された
ニコと妊婦のミアは、お腹の中の赤ちゃんを救うため、国外脱出を決意
業者に大金を払い、船で国外へ脱出するつもりだった
ところが港までの途中で、ニコとミアは別のコンテナに引き離された
コンテナの中には見知らぬ妊婦たちが大勢いた
1人で不安におびえるミア
港が間近に迫った時、検問が待ち構えていた
銃を構えた政府の兵士たちが、コンテナに乗り込んできた
とっさに貨物の上に隠れるミア
他の妊婦たちは兵士によって全員が殺された
ミアは震えながらコンテナの中に隠れていた
コンテナは船に積まれて、海へ出た
しかし、途中で嵐に遭い、ミアの乗ったコンテナは海上へ投げ出されてしまい…………
作品解説
監督は「スケアリー・アパートメント」のアルベルト・ピント
ミア
妊婦
かつては学校の教師をしていた
娘のウマが政府に連行されたのを、自分のせいだと思っている
お腹の中の子供を救うため、夫のニコと国外への脱出を図るが…………
演じるのは「マリアの旅」のアンナ・カスティーリョ
身体を張った熱演で圧倒された
世界観
近未来のヨーロッパ
物資の不足により、人口は厳しく制限され、子供や妊婦は連行され処分される
もっとリアル寄りの作品だと思っていたので、そのディストピアな内容に驚いた
しかも劇中ではほとんど説明されない
そのせいで最初のうちは、あまりに殺伐とした世界観に困惑した
もっと観客に説明が欲しかったところだ
サバイバル
上映時間1時間50分のうちのほとんどは、コンテナの中で進行する
たった1人でコンテナの中で、海を漂流することになったミア
食糧不足
コンテナの中に流れ込む海水
壊れた携帯電話
次々と困難がミアを襲う
見ていて非常に気が滅入った
しかも、ミアは妊婦なのだ
コンテナの中には水も食料もない
本作を見ていると、無人島に流れ着いたトム・ハンクスが、まだ幸運だったように思えてくる
母親
映画の前半で早くもミアは産気づき、子供を出産する
水の中での出産シーンは壮絶
コンテナの中で泣き続ける赤ん坊
乳を与えたいが、食べるものもない
まさに絶望的な状況
だが、そこからのミアの成長が凄い
それまでは絶望して、泣いてばかりだったミア
しかし、子供を守るために、あらゆる手段を駆使するようになる
コンテナに積んであった役に立たないと思われた荷物
そんな空のプラスチックの容器やイヤホンなどを、創意工夫して道具として使う
そのたくましさには感動すら覚えた
まさに母は強しといった印象だ
アンナ・カスティーリョの体当たりの演技が、本当に素晴らしかった
まとめ
過酷で見ていて気が滅入るストーリー
1時間50分という上映時間も長い
とはいえ母として成長する主人公の姿は感動的
ミアが最後はどうなるのか気になって、一気に見てしまった
母親の強さが印象に残る作品だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/nowhere_2023_2
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/391147
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