Netflixオリジナルの日本映画「彼女」が全世界で配信された
同性愛者のレイは高校時代に好きだった七海に再会し、”夫を殺して”と頼まれるが…………
セックス、殺人、同性愛
かなり過激なシーンも多い本作
見る人を選びそうな内容にも思える
果たして海外の人々は「彼女」をどう評価したのか?
作品解説
永澤レイは裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由なく暮らしてきた
だが、レイは自分が同性愛者であることを、家族に打ち明けることが出来なかった
今では家族に内緒でパートナーの美夏と、平穏に暮らしている
そんなある日、レイは高校時代に好きだった篠田七恵から連絡を受ける
10年ぶりの再会
しかし、七海の表情は暗かった
七海はレイの前で服を脱いだ
全身が痣だらけだった
七海は夫から酷いDVを受けていたのだ
ショックを受けるレイ
「夫を殺してくれる?」
疲れ切った顔で七海はつぶやいた
翌日、レイは七海の夫、篠田をバーで誘惑した
部屋のベッドで抱き合っている最中に、レイは篠田を刺殺
七海にレイは「終わったよ」と連絡した
レイが本当に殺人を実行したことに、驚く七海
自首しようとするレイを車に乗せ、七海はあてもなく車を走らせたが…………
原作は中村珍の漫画「羣青」
コミックスは全3巻発売されている
同性愛者のレイを演じるのは「ノルウェイの森」の水原希子
レイが高校時代に好きだった七海を演じるのはロックバンド「ゲスの極み乙女。」のドラマー、さとうほなみ
監督は「さよなら歌舞伎町」、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「ここは退屈迎えに来て」の廣木隆一
ちなみに海外の英語タイトルは「Ride or Die」
海外の評価
現時点でのIMDbのスコアは、526人が投票して5.6/10
6点台が99人でもっとも多かった
ロッテントマトの批評家支持率は80%、観客支持率は73%
なかなかの高評価となっている
メディアの評価
IndieWire
「彼女」は単純なロマンスではないかも知れません
しかし、この曲がりくねった物語は、最後まで見続ける価値があります
水原希子とさとうほなみの化学反応は、映画が進むにつれて強くなります
ジャパンタイムズ
廣木隆一監督は視覚的センスがあり、キャラクターの内面を描くのに長けています
Polygon
142分では短かったと言うと、驚くかも知れません
それでも旅の途中でのレイの家族や見知らぬ人との短い出会いは、この物語のもっと深い可能性を感じさせました
DECIDER
この作品は衝撃的な内容で始まり、盛り上がりのない平凡なクライマックスで終わります
時には説得力のあるドラマも描かれます
とはいえ「彼女」はその可能性を十分に発揮していません
The Guardian
「彼女」は時折曲がりくねったペースにも関わらず、よく出来ていて夢中になります
水原希子は画面上で非常にカリスマ的です
結局のところ「彼女」は力強いパフォーマンスを誇り、その美しい映像は視聴者を都会の落ち着きのなさから、解放感のある海辺へと導きます
デニス・シュワルツ
「彼女」の脚本は巧妙に書かれており、血まみれのロマンチックなドラマとなっています
この作品は逃避行映画というより、友達同士の再会映画のように思えました
ニューヨーク・タイムズ
視聴者はレイがロマンチックな熱意から殺人を犯したことを受け入れるように求められますが、彼女の犠牲は共感するには大きすぎます
七海の気持ちも曖昧で、気まぐれに変わっていくようです
このキャラクターのぼやけは決して解消されず、「彼女」は感傷的になるのと同じぐらい、苛立たしい経験になりました
バラエティ
この作品は園子温など別の監督が撮っていたら、恐ろしいジャンルになっていた可能性があります
しかし、廣木隆一監督は冒頭の過激な殺人シーンの後はスローダウンすることを選択し、代わりに2人の女性主人公の過去と複雑な感情を、注意深く同情的な視線で描いています
Ready Steady Cut
「彼女」は全ての人に向いているとは言えませんが、Netflixの他のほとんどの映画より興味深く芸術的で独創性があります
長い上映時間は自己満足にも思えますが、忍耐に値する
アンドリュー・マレー
水原希子とさとうほなみの演技は驚異的です
美しい撮影と音楽を備えた「彼女」は、予告編で感じた日本の「テルマ&ルイーズ」という印象より、はるかに優れていました
廣木隆一監督の最新作は、愛とアイデンティティのほろ苦くて洗練された一作となっています
一般視聴者の評価
「美しくて人間的。私はこの映画のピュアさが好きでした。俳優たちの情熱が本当に感じられた」
「マンガの非常に優れた映画化。素晴らしい演技と美しい映像。良かったです」
「テルマ&ルイーズの焼き直しではなかったのは良かったですが、多くの欠陥もあります。そもそもストーリーに説得力がありません」
「映画はとても美しいです。2人の女優は驚異的な仕事をしました」
「音楽と演技は大好きですが、29歳の女性がやるにはあまりに幼稚すぎるとも感じました。彼女たちは恋に夢中な10代の少女ではありません」
「これは本当の愛についての映画です。美しく作られた映画で、次に何が起こるか見届けたくなりました。ただ結末は不十分だった」
「物語はすべて面白く、甘く、スリリングで、悲しくて狂っています。脚本もよく書かれていて、美しく展開します。演技も素晴らしい。でも、ちょっと長すぎます」
「なんて素晴らしい映画でしょう。ストーリーは全く予測不可能でした。見事!」
まとめ
評論家の評価はなかなか高かった
それに比べると一般視聴者の評価は、賛否が分かれている印象
合わない人には、全く合わないようだ
とはいえ女優2人の演技、音楽、映像の美しさは称賛する声が多かった
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