Netflix「ザ・ストレンジャー: 見知らぬ男」ネタバレ感想 その男は殺人犯なのか!?

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Netflixオリジナルのオーストラリア映画
ヘンリーはマークという見知らぬ男と知り合い、彼の所属する犯罪組織の仕事を手伝うようになるが…………

ジョエル・エドガートンとショーン・ハリスの演技が本当に素晴らしい
不穏で濃厚で渋いスリラー

実話を基にしたおとり捜査もの
役者陣の演技、特にショーン・ハリスが圧倒的
静かで濃密で不穏な空気
聞いていて不安になる音楽
容疑者とおとり捜査官の間に生じる奇妙な友情
あえて語りすぎない演出が凄い
派手さはないが、すっかり引き込まれてしまった
オーストラリアの美しい風景も見どころ
久々に映画を見たという実感を味わえた
映画通の人にほど見て欲しい

予告編

The Stranger | Official Trailer | Netflix

作品情報
作品名「ザ・ストレンジャー: 見知らぬ男」(原題The Stranger)
監督:トーマス・M・ライト
キャスト:ジョエル・エドガートン、ショーン・ハリス、ジェイダ・アルバーツ、コーマック・ライト、スティーヴ・マウザキス
上映時間:117分
製作国:オーストラリア(2022年)

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ざっくりあらすじ

ヘンリーはひょんなことからマークという見知らぬ男と知り合い、彼の所属する犯罪組織の仕事を手伝うようになる。2人は次第に友情で結ばれていくが…………

感想(ここからネタバレ)

髭もじゃおっさん2人が主演で、絵面が地味だが良作

接触

ヘンリーはバスの中でポールという男と知り合った
仕事を探しているというヘンリーにポールは、自分たちの組織で働かないかと誘った
そこは犯罪組織だった
暴力行為はやらないという条件で、ヘンリーは承諾した

ポールはヘンリーにマークという男を紹介した
マークは親身になって、ヘンリーの世話をしてくれた
2人はコンビを組んで、組織の仕事をこなした
ヘンリーはマークを信頼し、心を許すようになった

実はマークはおとり捜査官だった
2002年に起きたジェームズという少年の誘拐事件
8年以上たった今でも、ジェームズは見つかっていない
その事件の容疑者がヘンリーだった
だが、ヘンリーが犯人だという決め手がなかった
マークの任務はヘンリーと親しくなり、事件の証拠を見つけ出すことだった
けれど自分を偽ってヘンリーと接するうちに、マークの精神は次第に削られていき…………

作品解説

監督は長編映画は2作目となるトーマス・M・ライト
役者としても活躍し、「エベレスト 3D」などに出演

本作は2022年のカンヌ国際映画祭で世界初公開された

マーク

犯罪組織に所属し、ヘンリーの世話係となる
だが、それは全て偽りの姿
実際はおとり捜査官で、少年誘拐殺人の容疑者であるヘンリーに接近し、決定的な証拠を見つけることが任務
妻とは別れて、息子が1人いる
自分を偽ってヘンリーと接するうちに、精神に変調をきたしてくるが…………

演じるのはオーストラリア出身のジョエル・エドガートン
「ザ・ギフト」やNetflix映画「ブライト」、ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」ではルークの義父オーウェン・ラーズを演じている

ヘンリー

少年誘拐殺人の容疑者
だが、決定的な証拠は見つかっていない
鬱病の妻がいる
犯罪組織の仕事を手伝い、面倒を見てくれるマークを信頼するようになるが…………

演じるのは「プロメテウス」や「キング」のショーン・ハリス
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」では悪役のソロモン・レーンを演じた
本作では得体の知れない圧倒的な存在感を披露
間違いなく代表作となるだろう

おとり捜査

「フェイク」、「インファナル・アフェア」、「新しき世界」
おとり捜査、潜入捜査官ものには傑作が多い

本作「ザ・ストレンジャー: 見知らぬ男」の凄いところは刑事が犯罪組織に潜入するのではなく、犯罪組織の方が実は警察だったというところ
こんなパターンは初めてだ
しかも実話を基にしているというから驚きである

刑事と容疑者の間に生じる友情
偽りの自分に苦しむ姿

潜入捜査もののツボはしっかり押さえてある
それでいて、見たことがないタイプの作品に仕上げている点は素晴らしい

演出

トーマス・M・ライト監督の演出力が凄い
最近見た作品の中でも突出している

本作ではマークが息子と過ごす場面が何度も出てくる
そんなマークは少年を誘拐して殺したかも知れない男と、友人を装って付き合っている

「もし息子が同じような目に遭ったら…………」

などと分かりやすくセリフで説明したりしない
けれどマークの複雑な心境がひしひしと伝わってくる
これぞ演出力

本作では決して必要以上には語らない
それでも観客には過不足なく伝わる
久々に引き算の演出を堪能できた

容疑者

少年誘拐殺人の容疑者であるヘンリー
だが、音楽を好んだり交通事故に遭った被害者を助けたり、人間味のある一面も見せる

ヘンリーは本当に犯人なのか?

怪しくもあり、無害なようにも見えるショーン・ハリスの演技が素晴らしい
その存在感には圧倒された

本作でもっとも恐ろしいのは、少年を残酷に殺した殺人者が、普通の人間とさして変わらないというところ
友人には思いやりを見せ、ありがちな悩みを抱えていたりする
それが何故あんな残虐なことが出来たのか?
深い人間の闇を見せつけられた気分だった

この映画の世界もリアルも不確かで理不尽で理解不能
見終わっても不安が消え去らない
現実に侵食してくる一作である

まとめ

役者陣の演技が凄い
派手さはないが計算されつくした演出も見事
非常に濃度の高い一作
見ごたえある作品を求める人は必見

The Stranger (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_stranger_2022
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/385326

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