(Netflix新着)「動物世界」感想 中国版「カイジ」の出来は!? ざわ…ざわ…

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福本伸行原作の「カイジ」の中国版である
利根川がマイケル・ダグラスなど、とにかく金がかかってるのは伝わってくる
主人公のカイジははっきり言って原作とは別人
かなりオリジナル要素が追加されている
では、つまらないかというと、そんなこともなかった
限定ジャンケンは展開が分かっているのに、緊迫感があってかなり盛り上がった
別物と割り切れば、原作ファンでも楽しめるだろう


予告編

Animal World Trailer (2018) Michael Douglas, Yi Feng Li Action Sci-Fi Movie

作品情報
作品名「動物世界」(原題ANIMAL WORLD)
監督:ハン・イエン
キャスト:リー・イーフォン、チョウ・ドンユイ、マイケル・ダグラス、ツァオ・ビンクン
上映時間:130分
製作国:中国(2018年)

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ざっくりあらすじ

自堕落な生活を送っているカイジは、友達の連帯保証人として莫大な借金を背負ってしまう。カイジは借金を帳消しにするため、大掛かりなギャンブルが行われるという船に乗り込むが………………

感想(ここからネタバレ)

「カイジ」の原作は全て読んでいる
アニメも全話見ている
日本の実写映画も2本とも見ている
「中間管理録トネガワ」「1日外出録ハンチョウ」も読んでいる
それなりに「カイジ」のファンだといっていいだろう
さて、それではこの中国版「カイジ」はどうだったか

運命の船へ

カイジ・ジョンは自堕落な生活を送る青年
遅刻ややる気のない態度から、職場でも怒られてばかり
そんなカイジの母親は何年も昏睡状態で、病院のベッドで寝たきりだった
看護師のチンはカイジの幼馴染で、何かと世話を焼いてくれた

ある日、友人のジュン・リーが訪ねてくる
ジュンは確実な儲け話があるので、自分の家とカイジの家を担保にして資金にしないかと話を持ち掛けてきた
最初は渋っていたカイジだったが、母親の医療費を稼ぐのに困窮していたため、結局はその話に乗った

数日後、黒服の男がカイジの前に現れる
カイジは目隠しをされ、どこかへ連れていかれた
そこにはアンダーソンという男が待っていた
彼が言うにはジュンはギャンブルで多額の借金を作り、連帯保証人のカイジに代わりに支払ってほしいとのことだった

ジュンの儲け話というのは嘘だった
金は全てギャンブルでスってしまったのだ!!
絶望するカイジ
そんなカイジにアンダーソンは一つの話を持ち掛けた
年に一度、デスティニー号という船でゲームが行われる
勝てば借金が帳消しになり、さらなる大金も手に入る
だが、負けた時は過酷な運命が待っている
それに参加してみないか?
返答を迫られるカイジ
もう答えは決まっていた………………

序盤の違和感

「カイジ」ファンなら冒頭から大いに戸惑うだろう
何しろカイジがピエロ姿になって、怪物たちと戦うのだ
はっきり言って、意味が分からない
本作のカイジは妄想癖があり、感情が昂るとすぐに空想の世界へ行ってしまうという設定になっている

また不真面目ではあるが、一応ちゃんと職に就いている
可愛い恋人もいる(カイジは恋人じゃないと言ってるが、彼女の方は完全に惚れている)
リスクを承知でゲームに参加するのも、昏睡状態の母親の医療費のためという立派な理由がある

福本伸行の原作のカイジは、ギャンブルに天賦の才はあるが、はっきり言ってダメ人間!!
基本的には人間のクズだった
もちろん恋人なんていないし、職にも就いていない
借金返済という理由以外、戦う大義名分もない

こんなリア充、カイジじゃない!!

思わずツッコみそうになった

またエスポワール号(映画ではデスティニー号)に乗るまでがやたらと長い
原作を知っている側からすると

さっさと船に乗ってゲームを始めろや!!

そんな風にもどかしく感じた

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キャラクター

カイジ・ジョン
仕事にいまいち身が入らない無気力な青年
数年前から母親が昏睡状態で、その医療費に苦労している
自分に自信がないので、幼馴染のチンの想いにもこたえられない
感情が昂ると、もう一人の自分(ピエロ)が表に出てくる
演じるのはリー・イーフォン

チン
カイジの幼馴染で看護師
甲斐甲斐しくカイジの面倒を見る
一途に彼のことを想い続けている
演じるのはチョウ・ドンユイ

アンダーソン
カイジから借金を取り立てようとする謎の男
原作の利根川にあたる
デスティニー号のゲームに、カイジを参加させる
演じるのは名優マイケル・ダグラス

最新作

「アントマン&ワスプ」
マーベルの最新作
マイケル・ダグラスはアントマン・スーツを開発したハンク・ピム博士を演じる

「アントマン&ワスプ」の感想はこちら

ジュン・リー
カイジの幼馴染
ギャンブルにはまって多額の借金があり、カイジから金を騙し取る
のちにデスティニー号で再会
原作の古畑にあたる

クオシャン・モン
カイジがデスティニー号で知り合った男
カイジとジュンと3人でチームを組む
原作の安藤にあたる

関連作品


「カイジ 人生逆転ゲーム」
藤原竜也主演の実写化第1作
よく考えたら原作の改変はこちらの方がひどかった
限定ジャンケン、鉄骨渡り、Eカードと詰め込みすぎて微妙な出来

カイジ 人生逆転ゲーム


「カイジ2 人生奪回ゲーム」
今度はパチンコ台「沼」に挑む
利根川が仲間になるなど、ありえない展開
別物として見れば、それなりに楽しめる

カイジ2~人生奪回ゲーム~

カイジとは?

福本伸行原作の人気マンガ
自堕落な日々を過ごしていた主人公、伊藤開司(カイジ)が借金返済のために様々なギャンブルに挑んでいく
騙し合い、奪い合い、緻密な心理戦など、スリリングな物語が描かれる
また様々な名言が生まれ、人気を博している
2度のアニメ化もされ、「中間管理録トネガワ」「1日外出録ハンチョウ」などというスピンオフ作品も生まれている


賭博堕天録 カイジ 24億脱出編 1

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ピエロ

「動物世界」のカイジは感情が昂ると、自分の内側からピエロが目覚め、妄想世界にトリップしてしまう
その世界では人間は怪物で、ピエロはスーパーパワーでそいつらを撃破していく
派手なCGと映像で、その世界は描かれる
カイジは妄想の中でカーチェイスまで演じてしまう

最初は無駄な設定だと思ったが、カードゲームという絵的に地味なテーマのため、観客を退屈させない苦肉の策だったのかも知れない
ちょっとくどいと感じたが、いいアクセントになっていたのも事実

中国の映画情勢

中国の映画市場の成長は凄まじい
北米を抑えて、世界1位になりそうな勢いである
その潤沢な市場のおかげで、中国映画はハリウッドに匹敵するような予算で作品が作られている

この「動物世界」も同様で、あらゆる場面で金がかかっているのが伺える
それがもっとも顕著なのは、利根川(アンダーソン)役にあのマイケル・ダグラスを配したことだろう
ハリウッド・スターを連れてくるとは、日本人にはちょっと思いもよらない発想である
しかも、意外と原作の利根川と容貌が似ていて、けっこうハマっている
利根川といえば「カイジ」序盤のキーキャラクター
スピンオフ作品が出来るほどの人気キャラである
それを名優マイケル・ダグラスに演じさせようとは、なんとも贅沢すぎる
福本ファンからすると普通に嬉しい

ちなみに「動物世界」は6月29日に中国で公開され、4億元(約66億8000万円)を越える大ヒットを記録している

限定ジャンケン

物語はデスティニー号の内部に移り、生き残りをかけた限定ジャンケンのゲームが開始される
ここに至るまでは原作の「カイジ」とは別物と言っていい内容だった
だが、ゲームが始まると驚くほど原作に忠実な展開が繰り広げられる
それだけ原作が優れていたということだろう

限定ジャンケンはプレイヤーがそれぞれ3つの星とグー、チョキ、パーが描かれたカードを4枚ずつ計12枚与えられる
そのジャンケンカードで他プレイヤーと勝負し、星を奪い合う
単なる運否天賦ではなく、知略を尽くして戦うゲームである

本作ではこの限定ジャンケンのシーンを、じっくりと時間をかけて丁寧に描いている
星やカードの残り数などを、ヴィジュアルで分かりやすく表現
原作の再現度も高い
ここは日本版実写映画「カイジ 人生逆転ゲーム」より、よく出来ていた
また緊迫感も高く、展開が分かっているのにかかわらず、思わず見入ってしまった

それまで無気力なダメ人間として描かれていたカイジが、絶体絶命に追い込まれて覚醒する
知略と圧倒的な閃きで、強敵を破っていく
「カイジ」という作品のもっとも魅力的な要素が、ちゃんと押さえられていて素晴らしかった

裏切り

ジュンモン
信じていた仲間二人にカイジは裏切られる
この容赦ない人間ドラマも「カイジ」の魅力
特にモン(原作でいう安藤)の胸糞悪さの再現度は秀逸
ファンから「クズの中のクズ」「キング・オブ・クズ」と親しまれているキャラを見事に表現してくれた

続編?

最後にまさかのto be continued
ポスターを見ると鉄骨渡りはやりそうだ

個人的にはマイケル・ダグラスが、焼き土下座を演じてくれるかどうかがめっちゃ気になる!!

まとめ

原作ファンからすると色々と言いたいことはあるが、何だかんだで楽しめた
特に限定ジャンケンはかなり上手く描かれていたと思う
利根川役のマイケル・ダグラスもさすがの貫禄
続編も決定しているようなので楽しみ
特に焼き土下座が!!(しつこい


Dong wu shi jie (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/animal_world_2018/
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365680

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