Netflix「ビート -心を解き放て-」感想 めぐり会った音楽の天才は引きこもり少年だった!!

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Netflixオリジナル作品
偶然見つけた音楽の天才は引きこもりの少年だった………………
なかなかの良作
PTSD(心的外傷後ストレス障害)という重いテーマを扱っているが、ユーモラスな語り口でテンポよく見せる
天才少年と彼の才能を見出し、もう一度音楽業界に返り咲こうとする男の交流
二人の絆が強まっていく姿が、時にハートウォーミングに、時にシビアに描かれる
また曲作りの過程が面白い
劇中で流れる音楽も印象的
音楽映画好きな人なら文句なく楽しめるだろう


予告編

作品情報
作品名「ビート -心を解き放て-」(原題Beats)
監督:クリス・ロビンソン
キャスト:カリル・エヴァレッジ、アンソニー・アンダーソン、ウゾ・アドゥーバ、エマヤツィ・コーリナルディ、ポール・ウォルター・ハウザー
上映時間:110分
製作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

過去の悲劇から引きこもりになった少年。彼には並々ならぬ音楽の才能があった………………

感想(ここからネタバレ)

ヒップホップが好きな人ならたまらないだろう

出会い

オーガストは音楽が大好きなシカゴの少年
それには姉のカリの影響が大きかった
だがある日、帰りの遅いオーガストを迎えに来たカリが、自分の目の前で撃たれ亡くなった
その事件はオーガストに強烈なトラウマを残し、家から一歩も出られなくなった

ロメロはかつては音楽業界の敏腕プロデューサー兼ねマネージャーだったが、今では高校のしがない雇われ警備員をしている
その高校では不登校が問題になり、校長のヴェネッサは頭を悩ませていた
ロメロはヴェネッサに頼まれ、しぶしぶ不登校児の各家庭を訪問した

オーガストの母カーラは訪ねてきたロメロに冷たかった
シングルマザーである彼女は娘を失い、たった一人残った息子を危険な外に出したくなかったのだ
全く相手にされずロメロが退散しようとした時、どこからかビートが流れてきた
その音楽はロメロに衝撃を与えた
本物の才能が迸っていたからだ
ロメロはカーラの目を盗んで、オーガストの部屋へ忍びこんだ

「今のお前のオリジナルか? 凄いな。製作期間は………………」

突然入ってきたロメロを見て、オーガストはパニックになり叫びだした
ロメロはカーラに追い出された
だが、ロメロはオーガストのことが諦められなかった

あいつの才能があれば、俺はもう一度音楽業界に返り咲ける

ロメロは母親が不在の時に、窓の外からオーガストに話しかけた
最初は警戒していたオーガストだが、次第に音楽の話で盛り上がるようになった
いつしか二人は部屋で曲作りに没頭していた
オーガストの未熟なところを指摘して、曲を洗練させていくロメロ
そして、納得のできる曲が完成した
ロメロはオーガストの才能を世に広めるために、彼を外に出さなければと考えるが………………

登場人物

オーガスト
音楽の才能に溢れた少年
姉の死のトラウマで、家から外に出られなくなった
演じるのはカリル・エヴァレッジ

ロメロ
かつては敏腕マネージャーだったが、今はしがない警備員
オーガストの才能を見いだし、それを利用して再び返り咲こうとするが………………
演じるのはアンソニー・アンダーソン

サウスサイド

この物語の背景を理解するには、舞台であるシカゴのサウスサイドという場所について知っておく必要がある
そこは全米でも有数の犯罪多発地帯として知られている

貧困、暴力、ドラッグ、ギャングと社会問題が山積み
犯罪による死亡人数がイラクとアフガニスタンで死亡したアメリカ人より多いとまで言われる
「ビート -心を解き放て-」では、高校で生徒たちの持ち物を検査する物々しい場面がある
ここではそれが普通なのだ

オーガストの母カーラが頑なに息子を外に出すまいとするのは、そこまで大げさなことではないのだ
実際に危険だからである
カーラはここから引っ越したいと願っているが、そのためのお金がない

ロメロもサウスサイドで育った
ここから何とか抜け出したい
その思いがロメロの原動力となっている
そのためにオーガストの才能を利用しようとする

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交流

何とかオーガストと親密になりたい
そのためのロメロの破天荒な行動が面白い
母親の目を盗んで、足繁く通い詰めるロメロ
いつしかオーガストも根負けして、ロメロを部屋に招き入れる
曲作りに没頭する二人
ロメロの目的は不純なものだったが、次第に二人の間に友情が芽生えていく
オーガストの恋を応援するロメロ
見ていて微笑ましい場面だった

友達のような師弟のような二人
性格は正反対な二人だが、とても魅力的に描かれていた

ヒップホップ

この作品は全編が音楽に彩られている
音楽好き、特にヒップホップ好きにはたまらないだろう
ノリのいいサウンドに見ていて飽きなかった

音楽的にもっとも盛り上がる場面は、中盤のライブシーンだ
オーガストと彼の片思いの相手ナイヤを、ライブハウスに連れていくロメロ
久しぶりの外出に怯え気味のオーガスト

するとステージ上のアーティストが、オーガストの曲を披露する
何も知らされていなかったオーガストはビックリ
曲もとても魅力的で、最高に盛り上がった
この作品のハイライトの一つである

PTSD

PTSD(心的外傷後ストレス障害)
オーガストはずっとそれに苦しめられている
そのことが広場恐怖症を引き起こしている
家の外に出るとパニック発作を引き起こすのだ

天才的な音楽の才能を持ちながらも、PTSDのせいで外に出られない
全ては姉の死が原因である
オーガストは姉のカリが死んだのは、自分のせいだと思っていた
帰りの遅い自分を姉が迎えに来たからだ
だから母親が苦しんでいるのも自分のせいなのだ

オーガストの才能を利用することしか考えていなかったロメロは、次第に苦しんでいる彼を助けてやりたいと思うようになる
本作はオーガストが心の傷と向き合っていくドラマでもある

大切なもの

オーガストを利用して、音楽業界に返り咲く
そのことしか頭になかったロメロ
しかし、いざ大手レーベルとオーガストが契約するという時になって、ロメロはその契約書を燃やしてしまう
オーガストにとって不利な契約内容だったからだ
それでロメロも大金が手に入るはずだったのに

サウスサイドから抜け出すことしか考えていなかったロメロ
以前はそれで自分を信頼するアーティストを裏切った
同じ過ちはもう繰り返さない
たとえそれが険しい道のりになっても

ロメロは大切なものにやっと気づいたのだ
とても胸に響くクライマックスだった

まとめ

心に染み入る良作である
オーガストとロメロ、二人の交流が素晴らしい
またユーモアも交え、テンポよく見れる
劇中で流れる曲も素晴らしい
音楽映画としても人間ドラマとしても拾い物
地味だが見る価値のある作品だ


Beats (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/beats
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=368824

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