Netflix「ボクたちはみんな大人になれなかった」ネタバレ感想 彼女との忘れがたい思い出…………

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Netflixオリジナル映画
46歳の佐藤はいくつかの再会をきっかけに、かつて大好きだった彼女のことを思い出し…………

ノスタルジックな恋愛映画
過去にさかのぼっていく展開が秀逸

ドラマティックな出来事は起きない
しかし、見終わってほろ苦く切ない気持ちになった
青年時代から中年になるまでを演じた森山未來が素晴らしい
自分自身よりも大好きだった彼女とのまぶしい記憶
中年になってからと青春時代の対比が見事
他のキャストも好演
また90年代の様々なカルチャーが描かれ、非常に懐かしかった
演出も丁寧で好感が持てる
大人になって失ったもの
決して消えない思い出
派手さはないが、多くの共感を得られるだろう


予告編

『ボクたちはみんな大人になれなかった』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「ボクたちはみんな大人になれなかった」
監督:森義仁
キャスト:森山未來、伊藤沙莉、東出昌大、SUMIRE、篠原篤、平岳大、片山萌美、高嶋政伸、ラサール石井、大島優子、萩原聖人
上映時間:124分
製作国:日本(2021年)

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ざっくりあらすじ

2020年、社会と折り合いをつけながら生きている46歳の佐藤は、いくつかの再会をきっかけに、大好きだった彼女のことを思い出す…………

感想(ここからネタバレ)

非常にノスタルジックな気分になった…………

追憶

2020年、46歳の佐藤誠はテレビ美術制作会社で、社会と折り合いをつけながら働いていた
ある日、佐藤はFacebookで、20年以上前に付き合っていた彼女、加藤かおりの現在の姿をみかけた
急に自分の前からいなくなった「普通」を嫌っていた彼女
かおりは結婚して子供が出来て、普通になっていた
佐藤の脳裏にかつての記憶が蘇ってきた

1995年、佐藤はかおりと初めて出会った
きっかけは文通だった
実際に会ったかおりは、独自の価値観を持った変わった女の子だった
2人は急速に親密になっていった
仕事が多忙の中、かおりだけが佐藤の心の支えだった

自分自身よりも大好きだった彼女
だがある日、かおりは何の前触れもなく、佐藤の前から去り…………

作品解説

原作は燃え殻のデビュー小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」

監督は本作がデビュー作となる森義仁

森山未來

テレビ美術制作会社に勤める佐藤誠を演じる
ズルズルと仕事を続け、46歳になった
同棲していた彼女は出ていった
無気力ながらも社会と折り合いをつけ生きてきたが、かつて大好きだった彼女の姿をFacebookで見かけ…………

森山未來は本作では20代から40代までを演じる
鬱屈としているが純真な20代
すれて上手く社会を渡っている40代
見事な演じ分けで驚いた
新たな代表作の一つとなるだろう

伊藤沙莉

かつて佐藤が大好きだった加藤かおりを演じる
雑貨屋に勤めている
小沢健二が大好き
「普通」に生きることを嫌う
ある日、急に佐藤の前から去ってしまい…………

佐藤が心から愛した女性かおり
伊藤沙莉はとても瑞々しく魅力的に演じている

逆回転

現在と過去を交互に描く
恋愛映画でもよくある手法である
ところが本作は2020年から始まり、徐々に時代をさかのぼっていく
この大胆な手法には驚いた
時間が少しずつさかのぼっていくという点では、クリストファー・ノーラン監督の「メメント」を思い出した

おかげでメインヒロインが登場するのは後半になってからである
最初はどうして、こんな構成にしたのか意図が分からなかった

しかし、佐藤の過去を少しずつ追体験していくうちに、自分の記憶を見ているような錯覚に陥った
大好きなかおりとの眩しい記憶
まるで自分の思い出のように胸が締め付けられた
普通の手法では、こうはいかなかっただろう

ノスタルジー

小沢健二
タワーレコード
ノストラダムスの大予言

劇中に出てくる90年代の様々なカルチャーが懐かしい
携帯もスマホからガラケー、ポケベルと移り変わっていくのが面白かった

個人的に好きだったのが「ビューティフル・ドリーマー」ネタ

「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の素晴らしさを熱く語るかおりの姿に、思わず笑ってしまった

未練

「今度、CD持ってくるからね」

そう言って、佐藤の前から去っていったかおり
それが最後の別れだった

どうしてかおりは、自分の前から消えたのか?
分からない
その未練は、ずっと佐藤の人生に付きまとうことになる

付き合って、やがて結婚するという「普通」を嫌ったのか?
他に好きな男が出来たのか?
何か佐藤が取り返しのつかないことをしてしまったのか?

かおりが佐藤を振った理由は、劇中では描かれない
かつてかおりは佐藤にこう言った

「分からないことは分からないままでいいの」

かおりにとってはそれが正しいことだったのかも知れない

大人

瑞々しかった20代
しかし、年を経るごとに記憶は澱んでいく

自分の前を去った友人
数々の過ち
苦い後悔

誰もが同じような思いを抱いているだろう
ボクたちはみんな大人になれなかった
だが、そう感じることこそ、大人になったということかも知れない

まとめ

ベストセラー小説の映画化
地味だが、かなりの良作
ユニークな構成が見ごたえあり
ノスタルジックな気分も味わえた
日本のNetflix映画を、今後ももっと見てみたい


We Couldn't Become Adults (2021) on IMDb

allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/378315

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