Netflixオリジナル映画「最悪の選択 Calibre」感想 凄まじい完成度の心底恐ろしいスリラー

凄まじい完成度の作品である
Netflixオリジナル映画の中でも上位に位置するだろう
そして、とてつもなく恐ろしい
単なるスリラーでは終わらない人間の本質を炙り出す見ごたえのある映画だ
なるべく予告編などのネタバレを見ないで、鑑賞することをお勧めする


予告編

作品情報
作品名「最悪の選択 Calibre」(原題Calibre)
監督:マット・パーマー
キャスト:ジャック・ロウデン、マーティン・マッキャン、トニー・カラン
上映時間:101分
製作国:イギリス(2018年)

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ざっくりあらすじ

ボーンは善良で真面目な青年。恋人に赤ちゃんが出来て、結婚を控えている。そんなある日、 ボーンは悪友で幼馴染のマーカスとハンティング旅行へ。宿泊地の田舎町で飲み明かす二人。翌日、二日酔いをひきずりながらも森に出かけるのだが………………

感想(ここからネタバレ)

この作品を見るには覚悟が必要だろう
ここで描かれているのは、決して他人事ではない
いつ自分に同じようなことが起きてもおかしくない悪夢の物語である
その時、自分はどういう選択を取るのか
この映画は観客一人一人に問うてくる

予期せぬ事故

優しくて真面目な青年ボーンは恋人が妊娠し、幸せながらも未来に一抹の不安を感じている
幼馴染で悪友のマーカスは彼をハンティング旅行に連れ出す
やってきた田舎町
余所者の二人に面白くなさそうな者もいたが、大半は素朴で親切な人々だった
翌日、森に狩りに出かける二人
ようやく鹿を見つけ、ためらうボーンに撃つように促すマーカス
躊躇しながらも引き金を引くボーン
だが、駆け寄ってみると、そこには頭から血を流した少年が倒れていた
茫然とするボーン
そこに少年の父親が現れ、逆上して落ちていたライフルでボーンを撃とうとする
マーカスはボーンを守るため、その男を撃ち殺した

最悪の選択

楽しいはずのハンティングが一瞬で悪夢
これはハンティングに限らず、自動車事故など誰にでも起こりうる悲劇である
そして二人は選択を迫られる
警察に連絡して全ての事情を話すか
自分たちを守るためにこの出来事を隠ぺいするか

この一連の出来事の二人の反応や様子はとてもリアルに描かれる
不意打ちで降りかかってきた悪夢に茫然自失のボーン
警察に連絡しようとするが、殺人犯として刑務所行きになるとマーカスに止められる
全てを失う恐怖、迷い、罪悪感
僕が彼らでも同じようなリアクションになるだろうと思わせる圧倒的な説得力

そして二人は最悪の選択をする

キャスト

ジャック・ロウデン
誠実で真面目な男ボーンを演じる
知らない俳優だと思ったら「ダンケルク」のトム・ハーディの相棒のイケメン飛行士だった

監督

マット・パーマー
脚本も兼任
初監督作品でこの完成度とは今後が楽しみ

転落

流されるままに事件の隠ぺいに同意してしまったボーン
死体を埋めて、他の場所でハンティングをしていたとアリバイを作る
だが、町の有力者ローガンはキャンプに出掛けた弟と甥が帰ってこないと心配していた

ここからの緊迫感は凄まじい
町に戻ってなるべく平静を装おうとするボーンとマーカス
しかし、あまりのことの大きさに動揺を隠しきれず、食事の場ですらまともに振る舞えない
そんな二人の態度や不審な言動に、町の人々も怪しみだす

やはり警察に連絡して全てを明らかにすべきだった
後悔するボーン
だが、今さら後戻りはできない
死体も証拠も処分してしまったのだ

そして、ついには町の人々が行方不明だった二人の死体を発見する
怒り狂った人々に追い詰められるボーンとマーカス
このくだりはあまりの恐怖絶望感に息苦しくなるほどだった

秀逸な脚本

この作品の優れている点の一つは、恐ろしいスリラーでありながら悪人が一人も登場しないこと

自分たちの生活を守るために魔が差して事件を隠ぺいしようとしたボーンとマーカス
親しいご近所さん二人(しかも一人は11歳の少年)が殺され埋められて、怒りのあまり自分たちで裁きを下そうとする町の人々

どちらも正しいことではないと分かっているが、どちらの心情も理解できるのである
自分が同じ立場だったら、やはり同じことをしたのではないか
そう思わせるだけのリアリティがある

捕らえられて拘束されるボーン
だが、この作品では外部から助けが来るなどという都合のいい展開はない
殺気立つ町民たち
そして、予想だにしなかった恐ろしい結末
見事な脚本に唸るしかない

連想した映画

この「最悪の選択」を見ていて頭をよぎったのがこの作品

「シンプル・プラン」
サム・ライミ監督の傑作サスペンス
善良だった普通の人々がふとしたことから大金を手に入れ、それをきっかけに悲劇へと転がり落ちていく
この作品も日常がひょんなことから崩壊するさまをリアルに描いている

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まとめ

この作品はスリラーである
けれど、人間の本質を深く鋭く描くさまは、もはや純文学の域と言っていい
ただのスリラーではなく、偉大なスリラー

深く余韻を残す鮮烈で絶望的なラスト
商業的な成功という色気があったら成しえなかっただろう
これぞNetflixならではの傑作である


Calibre (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/calibre#contentReviews
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=364776

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