Netflixで「コブラ会」のシーズン1全10話を視聴
あの「ベスト・キッド」の正統な続編
ジョニーとダニエル
30年以上の時を超えて、ライバルが再び激突する
感想としては予想以上に面白かった
自動車販売店のオーナーとして成功を収めているダニエル
一方、妻にも逃げられ落ちぶれたジョニー
すっかり対照的な立場になった2人
再びコブラ会を立ち上げ、底辺から這い上がろうとするジョニー
そのジョニーの行く手を、ダニエルが立ちはだかる
先生と弟子の絆
強さとは何か?
単なる回顧主義や安易な続編にはなっていない
クライマックスの大会もめちゃくちゃ盛り上がる
「ベスト・キッド」ファンならたまらない要素も満載
ジョニーのキャラクターを深く掘り下げたシナリオが絶妙
オリジナルへの敬意も忘れていない
ファンなら涙なしには見られない
「ベスト・キッド」が好きな人は、問答無用で見るべし!!
予告編
作品情報
作品名「コブラ会」(原題Cobra Kai)
企画: ジョシュ・ヒールド、ジョン・ハーウィッツ、ヘイデン・シュロスバーグ
キャスト:ラルフ・マッチオ、ウィリアム・ザブカ、ショロ・マリデュエニャ、マーティン・コーヴ メアリ
全10話
製作国:アメリカ(2018年)
「ベスト・キッド」とは?
「ベスト・キッド」は1984年製作のアメリカ映画
いじめられっ子の転校生ダニエルが、空手の師匠ミヤギと出会い、心身ともに成長していく…………
これぞ青春映画!!
ミヤギとダニエルの師弟の絆が熱い
ワックスがけやペンキ塗りの特訓シーンは超有名
ラルフ・マッチオの魅力も満載だった
元々はジョン・G・アビルドセン監督に、再び「ロッキー」のような作品を作ってもらおうと企画された
映画は大ヒット
アメリカで空手を普及させるきっかけになったと言われている
ミヤギを演じたノリユキ・パット・モリタは、この作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされた
その後、続編が3本作られ、2010年には中国を舞台にしたリメイク版も作られた
感想(ここからネタバレ)
まさか「ベスト・キッド」の正統な続編が見られるとは
ファンなら感涙間違いなし
コブラ会、再び
1984年、空手大会決勝で「コブラ会」のジョニーはダニエルに敗れた
あれから34年、ジョニーは妻子に逃げられ、酒におぼれていた
客への失言によって職を失ったジョニー
その日の夜、ひょんなことから不良グループにいじめられている少年を、ジョニーは空手を使って助けた
少年の名はミゲルといい、ジョニーと同じアパートの住人だった
ミゲルは自分にも空手を教えて欲しいと、ジョニーに懇願する
最初は拒否していたジョニー
しかし、自動車販売店のオーナーとして成功しているダニエルと再会したことで、かつての対抗心に火がつく
ジョニーは「コブラ会」を再興した
弟子はミゲル1人だった
ダニエルはジョニーが再びコブラ会を立ち上げたことを知る
コブラ会はダニエルにとって、忌まわしい記憶だった
絶対にジョニーの思い通りにさせない
ダニエルはジョニーを阻止しようと、あらゆる手を尽くすが…………
ジョニー
かつては少年空手選手権のチャンピオンだったジョニー
だが、空手大会の決勝戦でダニエルに敗れた
それがきっかけでコブラ会は解散した
今では妻子に逃げられ、酒びたりの日々
いじめられていた少年ミゲルを助けたことで、自分の手でコブラ会を再興するが…………
演じるのはオリジナルと同様にウィリアム・ザブカ
このドラマ「コブラ会」の最大のポイントは、「ベスト・キッド」の悪役ジョニーを主人公にしたことだろう
なぜジョニーを主役にしたのか、最初は意図が分からなかった
しかし、底辺から這い上がろうともがく姿
成功しているライバルへの対抗心
弟子のミゲルに時に厳しく、時に親身に接する姿
いつの間にかジョニーに感情移入していた
また物語が進むにつれ、継父からいっさい愛情を受けなかった少年時代も明かされる
ジョニーを掘り下げたことにより、物語はいっそう深みを増した
ダニエル
かつてはいじめられっ子だったダニエル
それが今ではカーディーラー「ラルーソー・オート」の経営者として成功
愛する妻と娘と息子がいる
しばらく空手から遠のいていたダニエル
だが、ジョニーと再会したことで、再び自らも空手を始める
演じるのはもちろんラルフ・マッチオ
元気な姿を久々に見られて嬉しかった
すっかり年を取ったダニエル
先生のミヤギは亡くなったが、いまだに敬愛している
ドラマの後半ではダニエルは、先生というポジションに
弟子を鍛えていく姿がかつてのミヤギのようで、とても感慨深かった
宿命のライバル
ジョニーとダニエル
宿命のライバル
「ベスト・キッド」好きとして、最初はダニエルを贔屓して見ていた
しかし、コブラ会を軌道に乗せようと頑張るジョニーを邪魔するダニエルが、徐々に憎らしく思えてきた
かつては敵対したが、2人とももういい大人
憎み合う必要はない
ところが様々な誤解や間の悪さから、再び対立していくシナリオが絶妙
面白かったのはダニエルのいとこに車を壊され、怒り心頭でジョニーがダニエルの家に乗り込んでいくシーン
ついに殴り合いかと思ったら、奥さんの計らいで何故か一緒に朝食をとることに
そこからバーへ行き意気投合
高校時代の話で盛り上がる
2人ともかつてのガールフレンド、アリに未練たらたらなのが可笑しかった
この2人は趣味も一緒だし、本当はめちゃくちゃ気が合うのかも
一番弟子
この物語の縦糸がジョニーとダニエルの対立だとしたら、横糸は先生と弟子の関係
ジョニーの一番弟子となるミゲル
素直で優しい性格
かつてのダニエルのようにいじめられている転校生
ミゲルは心からジョニーを慕うようになる
そして、厳しい特訓で成長していく
時に女の子の口説き方まで伝授するジョニー
見ていて微笑ましかった
そしてダニエルの弟子となるロビー
実はジョニーの息子
幼い頃に自分を捨てた父親への嫌がらせとして、身分を隠してダニエルに弟子入りする
学校にも行かず、窃盗などを繰り返していたロビー
本気で空手をやるつもりなどなかった
だが、指導を受けるうちに、ロビーは心からダニエルを慕うようになる
荒んでいたロビーが変わっていく姿は本当に感動的
その師弟の姿はまるでかつてのミヤギとダニエルを見ているかのようだった
ミゲルとロビー
2人の共通点は、どちらも先生を父親のように慕っていること
そして、シーズン1の最後では、2人は大会で激突することになる…………
強さとは?
弟子が1人だけで、賃貸料すら払えずに困窮していたコブラ会
だが、ある事件がきっかけで、弟子入り希望者が殺到
コブラ会はかつてのような盛況を見せる
それまでジョニーの苦労する姿を延々と見せられたので、ここは本当に嬉しかった
ルーザーが這い上がる
これぞ娯楽の王道
だが、この物語は単なるサクセスストーリーではない
コブラ会が掲げる教訓
先手必勝
情け無用
力が正義
コブラ会に入会する者は、いじめられっ子など弱者が多い
彼らがコブラ会に心酔することで、ジョニーすら予期しなかった不穏な空気が漂うようになる
一方でダニエルはミヤギの教えを守り、バランスの大切さを説く
重要なのは勝利ではない
終わった後に満足できたかどうか
憎しみからは何も生まれない
ロビーはその教えを真っ直ぐに受け止める
コブラ会とミヤギ道場空手
クライマックスの大会で、両者は激突する
ここの盛り上がりは最高だった
ちなみに出演者の多くは武道経験者
おかげで試合シーンは非常に迫力があった
まとめ
ジョニーとダニエル
2人の物語が余すところなく描かれている
これは時間に余裕のあるTVドラマでなければ、不可能だっただろう
シナリオが本当に丁寧で、深みがある
正直、完成度では映画版を超えている
クライマックスの大会も迫力満点
コブラ会とミヤギ道場空手
どちらも応援したくなった
シーズン2も楽しみだ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/cobra_kai
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