Netflix「ザ・ファイブ・ブラッズ」ネタバレ感想 スパイク・リーの新たな傑作!!

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あのスパイク・リーがNetflixオリジナル映画を監督!!
前作「ブラック・クランズマン」で見事な手腕を見せてくれたスパイク・リー
そして「ザ・ファイブ・ブラッズ」は最高傑作ともいえる出来栄えとなっている
ベトナム戦争で共に戦った4人
隊長の遺骨と埋蔵金を回収するため、彼らはベトナムに帰ってきた
ベトナム戦争を黒人の兵士の視点から描いた点が新しい
過去のシーンは16mmフィルムを使用するなど、映像も凝っている
スパイク・リーの演出は自由奔放
既成の概念に囚われない
人種差別への問題意識も提示しながら、エンターテイメントとしても見ごたえのある出来
ポール役のデルロイ・リンドーが圧倒的な演技を見せる
「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンも印象的な演技を披露
確かに2時間半は長い
しかし、中盤からは怒涛の展開で、完全に引き込まれた
見ごたえのある作品を探しているなら必見!!


予告編

『ザ・ファイブ・ブラッズ』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「ザ・ファイブ・ブラッズ」(原題Da 5 Bloods)
監督:スパイク・リー
キャスト:デルロイ・リンドー、ノーム・ルイス、クラーク・ピータース、イザイア・ウィットロック・Jr、チャドウィック・ボーズマン、ジャン・レノ
上映時間:156分
製作国:アメリカ(2020年)

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ざっくりあらすじ

ベトナム戦争で共に戦った4人は、再びベトナムへ戻って来た。彼らの目的は戦死した隊長の遺骨と金塊を回収すること…………

感想(ここからネタバレ)

スパイク・リー初のNetflixオリジナル作品
パワフルな演出は健在

再会

ベトナム戦争で共に戦った4人
ポール、エディ、オーティス、メルヴィン
彼らは数十年ぶりにベトナムを訪れた
再会を喜ぶ4人
彼らはすっかり年老いてしまった

戦争中、彼らは隊長ノーマンの下で戦っていた
ノーマンは優秀な兵士で、黒人の未来を真剣に考えている男だった
皆がノーマンを慕っていた

墜落した輸送機から積み荷を回収する
それがノーマンたちの新しい任務だった
激しい銃撃戦の末、ノーマンたちは積み荷の回収に成功
中には大量の金塊が敷き詰められていた

金塊を敵に奪われたと報告して、後で回収する
ノーマンが思いがけないことを言いだした
この金塊は虐げられている黒人たちのために使うのだ
他の4人も同意して、金塊は地面に埋めた

そのノーマンも戦死した
4人の目的はノーマンの遺骨と金塊を回収することだった
再会を祝して、4人はサイゴンで飲み明かした
ところがホテルに帰ると、ポールの息子デヴィッドが待っていた
父親が心配なのでついていくと言うのだ
仕方なく4人はデヴィッドも連れて、現地へと出発するのだが…………

スパイク・リー

「ドゥ・ザ・ライト・シング」、「マルコムX」など数々の力作を作り出してきた巨匠
Netflixではタイム・トラベル映画「シー・ユー・イエスタデイ」で製作を担当

凄く面白かった!! 予備知識なしで見たので、コメディだと思っていたら、強いメッセージ性があり驚いた 序盤はちょっと退屈だったが、物語が本...

自身が監督するのは、Netflixではこの「ザ・ファイブ・ブラッズ」が初となる

ダニー・ビルソンとポール・デ・メオが書き上げた元々の脚本では、白人のベトナム帰還兵の物語だった
スパイク・リーは黒人のベトナム帰還兵の映画がほとんどないことを残念に思っており、設定を黒人に置き換えた

キャラクターが画面に話しかけたり、過去のシーンは16mmフィルムで画面比率4:3になったり、監督の演出は自由奔放
ベトナム戦争中の場面でキャラクターたちの若い頃を、役者を変えずに本人たちがそのまま演じているのも面白かった
「地獄の黙示録」へのオマージュなど、監督の映画愛も炸裂

チャドウィック・ボーズマン

優秀な兵士で、カリスマ性のある隊長ノーマン
演じるのは「ブラックパンサー」で有名なチャドウィック・ボーズマン
出番は多くないが、強烈な印象を残した
ノーマンはなぜ死んだのか?
その謎も終盤に明らかになる

デルロイ・リンドー

ポール、エディ、オーティス、メルヴィン
ベトナム戦争で命を預け合った4人のブラザーが集結する
久しぶりの再会に、はしゃぐ4人
彼らの絆は本物だった

ところが金塊を発見してから、4人の間に不穏な空気が流れだす
ノーマンの言う通り、金塊を同胞のために使うか
それとも自分たちでネコババするか
意見が分かれる4人

ここからのポール役のデルロイ・リンドーの演技が凄い
金塊は誰にも渡さない
目撃者は口封じする
息子のデヴィッドすら例外ではない

ポールはいまだにベトナム戦争を引きずっているのだ
自分のせいでノーマンは死んだ
深い後悔と苦しみ
それがポールを狂気へと走らせる

人種問題

ベトナム戦争を黒人の視点から描いた映画は珍しい
それがこの作品を新鮮なものにしている

アメリカにおける黒人の割合は11%
それに対しベトナムに派兵された兵士で黒人の割合は32%
黒人は戦争でも虐げられてきた

印象的な場面がある
戦争中にノーマンたちに、キング牧師が白人に暗殺されたというニュースが飛び込んでくる
暴動を起こした黒人たちは鎮圧された

自分たちはこんな異国の地で、戦っている場合なのか?

黒人が本当に戦わなくてはならない相手は、誰なのか?

Black Lives Matter

2020年5月25日に黒人のジョージ・フロイドが警官に殺された事件をきっかけに、「黒人の命は大切(Black Lives Matter)」という大きな運動が巻き起こっている
この「ザ・ファイブ・ブラッズ」は非常にタイムリーな作品だったといえるだろう

死闘

メッセージ性の強い本作
しかし、娯楽性にも手を抜いていない

ベトナムの兵士たちが金塊を狙って追ってきた
黒幕は取引相手のフランス人デローシュ(ジャン・レノ)だった
奴にはめられたのだ

廃寺に追い詰められる仲間たち
敵は武装した大人数だ
年老いた兵士たちは、生き残るために再び銃を取る

このクライマックスの盛り上がりは最高
壮絶な銃撃戦を見せてくれる
アクション映画としても満足度が高い

まとめ

スパイク・リーのNetflix作品
メッセージ性も高く、娯楽性も強い
スパイク・リーの最高傑作の1本と言っていいだろう
デルロイ・リンドーの演技はアカデミー賞もの
見ごたえのある1作だ


Da 5 Bloods (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/da_5_bloods

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