Netflixオリジナルの日本映画
豪華クルーズ船で殺人事件が発生し、バトラーの冲方優と乗客の盤若千弦は真相を探るが…………
煌びやかなクルーズ船を舞台にした恋とミステリー
豪華な気分とロマコメが楽しめる
人気脚本家である坂元裕二によるオリジナル作品
主演は吉沢亮と宮崎あおい
クルーズ船のビジュアルはかなり豪華
バケーション気分が味わえる
主演の2人も魅力的
とはいえ正直退屈だった
特に前半は思った以上に恋愛色が強く、事件の方が進展せず、いまいちのめり込めなかった
一方、ミステリーの方もキャラクターたちがゆるいせいか、スリルが感じられない
クライマックスは盛り上がるが、そこまでが長い
映像はゴージャスだが、ちょっと物足りない出来栄え
過度な期待はせずに、肩の力を抜いて見た方がいいだろう
予告編
作品情報
作品名「クレイジークルーズ」
監督:瀧悠輔
脚本:坂元裕二
キャスト:吉沢亮、宮崎あおい、吉田羊、菊地凛子、永山絢斗、泉澤祐希、蒔田彩珠、光石研、長谷川初範、高岡早紀、安田顕
上映時間:125分
制作国:日本(2023年)
ざっくりあらすじ
エーゲ海へ向かう豪華クルーズ船・MSCべリッシマ。そこで不可解な殺人事件が発生し、バトラーの冲方優と乗客の1人・盤若千弦は協力して事件の真相を探るが…………
感想(ここからネタバレ)
久々にトレンディードラマを見た気分…………
「クレイジークルーズ」
豪華クルーズ船・MSCべリッシマはエーゲ海へ向かって航海していた
沖方優はMSCべリッシマのバトラー
お客様の様々な苦情を一手に引き受ける
その腰の低さは船長の矢淵初美にも、船の避雷針だと評価されていた
そんな沖方にとっての心の慰めは、恋人でお天気キャスターの若葉だけだった
若葉は横浜港でこのクルーズ船に乗船することになっている
沖方はその時を待ちわびていた
若葉から仕事が入って船に乗れないと連絡が来た
沖方は落胆を隠せなかった
代わりに横浜港で風変わりな女性客が乗り込んできた
その客・盤若千弦の目的は若葉だった
若葉と自分の恋人が、浮気をしているというのだ
彼女が乗っていないと知ると千弦は下船しようとしたが、船は出港した後だった
これから40日以上、クルーズ船の上で過ごさなければならない
千弦はお互いの恋人の密会の証拠を、沖方に見せた
それは疑いようのない決定的なものだった
沖方と千弦はお互いの境遇を嘆き合った
そんな時、2人は偶然、殺人事件を目撃してしまい…………
作品情報
脚本は坂元裕二
「東京ラブストーリー」「Mother」「花束みたいな恋をした」など多くの話題作を手掛けてきた
坂元は5年間に及ぶNetflixとの新作独占配信契約を結び、本作はその1作目
監督はドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」で坂元とタッグを組んだ瀧悠輔
沖方優
MSCべリッシマのバトラー
生真面目で腰が低い
客たちの我がままを一身に引き受けるその姿は、避雷針と呼ばれている
恋人でお天気キャスターの若葉が心の支えだったが…………
演じるのは「キングダム」「青天を衝け」の吉沢亮
バトラー姿は魅力的だった
盤若千弦
乗船客
恋人の浮気相手である若葉に会うために、MSCべリッシマに乗り込んだ
気が強いが、そそっかしいところがある
演じるのは「舟を編む」「天地明察」の宮崎あおい
本作ではコメディエンヌぶりを発揮
豪華クルーズ船
本作は豪華クルーズ船・MSCべリッシマが舞台
煌びやかな船内
派手なパーティー
まるでバブル時代にさかのぼったかのようなゴージャスな気分を味わえる
これは日本のTVドラマでは無理だろう
そして客たちをおもてなしする乗務員
ヤクザ
映画プロデューサー
医療界の重鎮
様々な迷惑な客が登場し、彼らを振り回す
時には土下座までする沖方の姿に涙
見えざる豪華クルーズ船の裏側は興味深かった
恋愛
お互いの恋人が密会している
このままでは温泉旅行に行ってしまう
何としてでも阻止しなければ!!
協力し合う沖方と千弦
次第に連帯感が生まれるのが面白い
ただし、前半は思った以上に恋愛色が強く、いまいちノレなかった
ロマンスとミステリーの組み合わせが、ちぐはぐな印象なのだ
2時間という上映時間も長く感じた
ミステリー
本作を見て思い出すのは「マスカレード・ホテル」
殺人事件とホテルの内情を並行して描く構成はそっくりだった
残念だったのは「クレイジークルーズ」で起こる殺人事件が、あまり面白くないこと
安っぽい事件で、特に興味をそそられない
犯人も動機も最初から分かっている
そのおかげで、最後のどんでん返しには驚かされるのだが、そこまでは退屈だった
もっと謎でぐいぐい引っ張る展開の方が良かった気がする
そして、遺産相続の顛末が描かれなかったのも、すっきりしなかった
まさか、あの医師夫婦、殺人未遂まで犯しておいて、無罪放免だったんじゃ…………
最後にもっとカタルシスが欲しかったところだ
まとめ
坂元裕二の最新作
キャストも映像も豪華
しかし、エンターテイメントとしては物足りない
テンポも悪かった
面白い部分もあったが、全体的には平凡な出来栄えだ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/in_love_and_deep_water
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/391663
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