Netflix「ロストガールズ」感想 最愛の娘はどこへ消えたのか!?

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実際の未解決事件を題材にした作品である
行方不明になった娘を探す母親の執念
それが思いがけず未解決の連続殺人事件の発覚へとつながっていく
母親を演じたエイミー・ライアンの鬼気迫る演技が素晴らしい
警視総監を演じたガブリエル・バーンもいい味
娘への愛情
後悔
遺族たちの悲しみ
犯人への怒り
なかなか見ごたえのあるドラマ
連続殺人事件の謎も興味深い
ただ未解決事件を基にしているので、カタルシスは薄い
普通のミステリーを期待していると、失望するかも知れない
その点はご注意


予告編

作品情報
作品名「ロストガールズ」(原題Lost Girls)
監督:リズ・ガーバス
キャスト:エイミー・ライアン、トーマサイン・マッケンジー、ガブリエル・バーン、ウーナ・ローレンス、ローラ・カーク
上映時間:95分
製作国:アメリカ(2020年)

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ざっくりあらすじ

2010年、24歳の女性シャナン・ギルバートが失踪した。母親のメアリーは警察に掛け合うが、ろくに相手にしてもらえず…………

感想(ここからネタバレ)

こんな大事件、恥ずかしながら知らなかった
あまりの壮絶さに絶句

失踪

メアリー・ギルバートは女手一つで、娘2人を養うシングルマザー
長女のシャナンはすでに家を出て、遠方で働いていた
働けど働けど、生活は楽ではなかった
シャナンが時々入れてくれる収入が、一家の命綱だった

ある日、シャナンから今夜家に帰るという連絡があった
メアリーは次女のシェリーと三女のサラと共に、夕食を用意して待っていた
結局その日、シャナンは姿を見せなかった
何度電話しても連絡がつかない
不安になるメアリー

とうとうメアリーは警察に助けを求めた
だが、他の娘たちには秘密にしていたことがあった
シャナンは売春婦だったのだ
その事実を知ると、警察はまともに取り合ってくれなくなった

そんな時、警察犬がロングアイランドで、4人の女性の遺体を発見した
そこはシャナンが最後に目撃された場所だった
殺された女性は全員が売春婦
その中にシャナンの死体はなかった

事件をマスコミは大きく取り上げた
警察もドーマー警視総監が中心となって、本格的な捜査を開始したが、一向に事件は解明されなかった
すでにシャナン・ギルバートも死んでいるに違いない
世間がそう決めつける中で、メアリーだけは娘の生存を諦めていなかった…………

ロングアイランドの連続殺人鬼

ロングアイランドの連続殺人鬼 (ロングアイランド・シリアルキラー)はほぼ20年間に渡って、10人から16人を殺害したとされる正体不明の殺人犯である
殺されたのは主に売春婦
シャナン・ギルバートの捜索で、偶然事件が発覚した

プロファイリングによると、犯人は20代半ばから40代半ばの白人男性
ロングアイランドに精通している
長年の捜査でも捕まらないことから、犯人は警察関係者ではないかともいわれている

監督

監督はリズ・ガーバス
今までに2度、アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた
劇映画の演出を手掛けるのは、本作が初

原作はロバート・コルカーのノンフィクション「Lost Girls: An Unsolved American Mystery:」

エイミー・ライアン

警察に任せてられないとばかりに、自ら娘を探す逞しい母親メアリー
演じるのはエイミー・ライアン
母親の娘への愛情
執念
今回のことは自分の責任だという後悔
複雑な心情を見事に演じてみせた

エイミー・ライアンはベン・アフレック監督のデビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」でも、娘が行方不明になった母親を演じている


ゴーン・ベイビー・ゴーン (字幕版)

本作とは正反対で、無責任で育児を放棄している母親
この演技が高く評価され、アカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされた

ガブリエル・バーン

ガブリエル・バーンは事件の捜査を担当するドーマー警視総監を演じる
娘を想い暴走するメアリーに振り回されるが…………

ガブリエル・バーンは独特の雰囲気をまとったいい役者である
コーエン兄弟の「ミラーズ・クロッシング」以来、大好き

本作でもその存在感で、作品を引き締めている

家族

娘が生きていると信じ、諦めずに独自に捜索するメアリー
それは深い母親の愛情によるものに思えた
だが、次第に意外な事実が明らかになっていく

娘が売春婦だということを、メアリーは周囲に隠していた
その娘が12歳の時に、里子に出していたことも判明
取り返しのつかない苦い記憶
娘シャナンへの罪悪感
今回の事件を招いたのは、全て自分だ
その必死な姿は、娘への贖罪でもあったのだ

シャナンのことで周りが見えなくなるメアリー
そのことで他の娘、シェリーとサラとの距離が開いてしまう
しかし、シェリーの悲痛な訴えで、メアリーは自分にはまだ家族がいるのだと気づかされる
家族がいる有難み
メアリーは娘たちとの絆を取り戻す

メアリー・ギルバートは2016年に、精神を患った娘サラにナイフで刺され、残念ながら他界している

遺族たち

発見された売春婦の遺体
その家族たちは集まって、追悼式を企画する
ただの自己満足だと、最初は他の遺族を軽蔑していたメアリー
だが、家族を失った心の痛みは同じだった
メアリーは徐々に彼女たちと心を通わせていく

死んだのは「売春婦」だと強調して取り上げるマスコミ
しかし、彼女たちは自分たちの娘であり姉妹なのだ
メアリーは彼女たちの尊厳を守るために、戦うことを誓う

「スリー・ビルボード」

この「ロストガールズ」を見て、どうしても思い出すのが「スリー・ビルボード」
2018年の作品である

娘を何者かに殺された主婦が、無能な警察に業を煮やし、抗議のための3枚の広告看板を設置するが…………
2度目のアカデミー主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドの熱演が凄い
全く予想できないストーリーと演出もパワフル
内容的に色々と「ロストガールズ」と似通ったところがある


スリー・ビルボード (字幕版)

「ロストガールズ」も確かに力作だが、実話で未解決事件を題材にしているためか、爽快感やカタルシスに欠ける
ちょっと生真面目になりすぎ、小さくまとまってしまった印象
作品の面白さは圧倒的に「スリー・ビルボード」が上だった
「ロストガールズ」ももっと大胆な脚色をしても良かった気がするが、難しいところだ

まとめ

なかなかの力作
だが、小さくまとまって物足りなくも感じた
実話ベースの作品の難しいところだ
仕方ないことなのだが、謎が全く未解決なのも消化不良な気分
見終わって、実際の事件の方が気になってしまった


Lost Girls (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/lost_girls_2020
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/371706

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