Netflix「マ・レイニーのブラックボトム」ネタバレ感想 チャドウィック・ボーズマンが最高の演技を披露!!

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Netflixオリジナル映画
1927年のシカゴで、伝説的な歌手マ・レイニーと才能あるトランペット奏者のレヴィーの対立が描かれる

ヴィオラ・デイヴィスとチャドウィック・ボーズマンの熱演が凄い
メッセージ性の強い超列な一作

チャドウィック・ボーズマンの遺作となった作品である
ボーズマンはブラックパンサーとは正反対の繊細で野心的なキャラクターを演じる
主演2人の演技に圧倒された

人種差別
音楽の才能

様々な問題が内包された作品
娯楽性は薄いが、見ごたえのある一作となっている


予告編

『マ・レイニーのブラックボトム』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「マ・レイニーのブラックボトム」(原題Ma Rainey’s Black Bottom)
監督:ジョージ・C・ウルフ
キャスト:ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン、グリン・ターマン、コールマン・ドミンゴ
上映時間:94分
製作国:アメリカ(2020年)

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ざっくりあらすじ

1927年のシカゴで、「ブルースの母」と呼ばれる伝説的な歌手マ・レイニーのレコーディングが行われていた。しかし、バンドのメンバーで野心的なトランペット奏者レヴィーは、ことあるごとにマ・レイニーと対立し…………

感想(ここからネタバレ)

チャドウィック・ボーズマンが最高の演技を披露

レコーディング

1927年のシカゴ、その日は「ブルースの母」と呼ばれる歌手マ・レイニーのレコーディングが行われることになっていた
カトラー、トレド、スロー・ドラッグ
バンドのメンバーはマ・レイニーより早くスタジオに到着していた
トランペット奏者のレヴィーはまだ来ていない
彼は才能はあるが野心的でトラブルメーカーだった

レヴィーが遅れてやってきた
彼は買ったばかりの黄色い靴を、自慢げに見せびらかした
メンバーはリハーサルを始めた
ところがレヴィーは参加せずに、楽譜に新しい曲を書いていた
白人のプロデューサーに才能を認められたのだという

「俺は今に自分のバンドを作る」

レヴィーの生意気な態度に、カトラーたちはうんざりした

約束を1時間も遅れて、マ・レイニーが恋人のダッシー・メイと甥のシルヴェスターを連れて到着した
プロデューサーはカンカンだが、マネージャーのアーヴィンがなだめた
スタジオに着いた後も、マ・レイニーは我がまま放題
そのためレコーディングは遅々として進まなかった
次第にスタジオはピリピリとした雰囲気になり…………

作品解説

原作はオーガスト・ウィルソンが1982年に発表した戯曲「Ma Rainey’s Black Bottom」

製作はデンゼル・ワシントン
彼は監督作「フェンス」でもオーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化している

チャドウィック・ボーズマン

野心的なトランペット奏者、レヴィーを演じる
自己顕示欲が強く女好きなトラブルメーカー
今に自分のバンドを作ると豪語している
少年時代のトラウマに苦しんでいるが…………

2020年8月28日、ボーズマンは本作のポストプロダクション中に結腸癌で亡くなった
チャドウィック・ボーズマンの遺作
そんな感傷的な気分で見ると、意表をつかれるだろう

傲慢、神経質、短気、自信家

「ブラックパンサー」のティ・チャラとは正反対のキャラクター
ハッキリ言って、嫌な奴である
ボーズマンは凄まじい熱演
とても病気を患っているとは思えない
その才能を改めて証明
チャドウィック・ボーズマンを失ったことが、どれほどの損失か思い知らされた

ヴィオラ・デイヴィス

「ブルースの母」といわれる実在の伝説的歌手マ・レイニーを演じる
高慢で我がまま
スタジオで大好きなコカ・コーラが用意されてないと知ってブチギレる
だが、その才能は圧倒的

ヴィオラ・デイヴィスはデンゼル・ワシントンの監督作「フェンス」で、アカデミー助演女優賞を受賞
ドラマ「殺人を無罪にする方法」の主人公の敏腕弁護士アナリーズ役でも有名
本作では圧倒的な存在感
実在の伝説的歌手マ・レイニーを見事に演じている

舞台劇

本作はシカゴのある1日を描いている
戯曲が原作だけあって、基本的には会話劇である
そのため画面に変化は少ない
人によっては退屈するだろう
だが、見ごたえはある

上手くいかないレコーディング
それぞれの思惑
レコード会社とアーティストの対立

非常に密度の濃いドラマを生み出している

ブルース

ブルースはアフリカ系アメリカ人が生み出した音楽
劇中でマ・レイニーはこう語る

「ブルースは楽しむものではなく、人生を理解するためのもの。ブルースがなければ、この世界は空っぽ」

高慢で我がまま
そんな高飛車なイメージだったマ・レイニー
しかし、彼女は自分をよく理解していた
レコード会社の白人どもが興味あるのは、自分の金になる才能
奴らは搾取したいだけ
才能が枯渇すれば、ただ捨てられる

決して連中に舐められない
だが、やりすぎてもいけない
結局は白人に雇われている身だからだ
黒人の女が白人と渡り合う
高慢な姿はそのための手段だった
彼女はつねに戦っていたのだ

社会的不平等

それが本作のテーマの一つである

対立

子供の頃に母親が白人に暴行された
そのトラウマをいまだに引きずっているレヴィー
にもかかわらずレコード会社の白人に下手に出なければならない
夢を叶えるためだ
成功したら白人どもを従わせてやる

レヴィーは才能と自信を持っていた
だがマ・レイニーは気に入らない
自分の音楽を古臭いと言うレヴィー
確かにそうかも知れない
けれどそれを認めることは、破滅を意味する
マ・レイニーはレヴィーを恐れた

レヴィーはバンドをクビになる
プロデューサーもレヴィーを見放した
彼には音楽しかなかった
新しい才能を持っていたことが、彼を悲劇に追いやる
非常に強烈なラストだった

まとめ

主役2人の熱演が素晴らしい
特に何といってもチャドウィック・ボーズマン
本作を見て、彼の才能を惜しまない人間はいないだろう
作品の質も高い
色々な意味で忘れられない一作となった


Ma Rainey's Black Bottom (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/ma_raineys_black_bottom
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/374831

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