Netflixオリジナルのロシア映画
不気味なマスクをつけた殺人鬼を、熱血漢の刑事グロムは懸命に追うが…………
マーベルやDCとは違うスーパーヒーロー映画
予想以上にクォリティが高く、めちゃくちゃ面白かった
熱い正義の男グロムが、非常に格好いい
特別な力は何も持っていないが、知恵と勇気で強大な敵に立ち向かう
街の悪党を粛正する疫病ドクターもとてもインパクトがあった
脇のキャラクターも魅力的
風景が美しく、映像もゴージャス
アクションシーンも力が入っている
基本的にはシンプルな善と悪との戦いだが、意外な展開もあり、ストーリーも面白かった
何よりロシアでこんなヒーロー映画が作られるとは驚き
アクション、サスペンス、ユーモア
とてもとっつきやすいエンターテイメントになっている
2時間18分と長いのが難点だが、退屈はしなかった
刑事ものやスーパーヒーロー映画が好きな人にはおススメ!!
予告編
作品情報
作品名「刑事グロム VS 粛正の疫病ドクター」(原題Mayor Grom: Chumnoy Doktor)
監督:オレグ・トロフィム
キャスト:ティーホン・ジズネーフスキ、リュボーフィ・アクショノヴァ、セルゲイ・ゴロシュコ、アレクセイ・マクラコフ、ドミトリー・チェボタリョフ
上映時間:138分
製作国:ロシア(2021年)
ざっくりあらすじ
不気味なマスクをつけた黒いスーツの男が、街の悪党を粛正し始めた。どんな理由があっても、殺人は許されない。熱血漢の刑事グロムは型破りな方法で、犯人を追うが…………
感想(ここからネタバレ)
タイトルのインパクトが凄い…………
粛正
グロムはサンクトペテルブルク警察の刑事
一匹狼で武器は所持せず、型破りな方法で犯人を逮捕する
犯人の検挙率は署でダントツだが、器物破損などトラブルも多い
そのため署長のプロコペンコから、いつも大目玉を喰らっていた
グロムが以前に逮捕したキリルが無罪となった
キリルは金持ちの息子で、飲酒運転で少女を轢き殺した
金で関係者を買収したのだ
怒りを隠せないグロム
そのキリルが自宅で殺された
グロムが駆けつけた時、そこには不気味なマスクをつけた黒いスーツの男が立っていた
男は腕から炎を放射した
気付いた時には、男の姿は消えていた
その犯人はネットで動画をアップした
自分のことを「疫病ドクター」と名乗り、これから悪党たちを殺し、街を粛正すると宣言した
その宣言通り、疾病ドクターは次々と犯行を繰り返していった
しかし、人々はその男をヒーローだと支持した
殺人は絶対に許されない
グロムは独断で疾病ドクターを追ったが…………
作品解説
ロシアの出版社バーブル・コミックから出版されたアルテョム・ガブレリャノフによるコミックが原作
本作はロシアのコミックに基づいた最初の長編映画である
スタジオは本作の前にテストとして、短編映画「刑事グロム」を製作している
グロム
サンクトペテルブルク署の刑事
正義感が強く、型破りな方法で犯人を逮捕する
そのためトラブルも多い
不愛想だが心根はやさしい
だが、他人を信用しきれずにいる
悪党を粛正する疾病ドクターを、命令を無視して追跡するが…………
演じるのはティーホン・ジズネーフスキ
疾病ドクター
法で裁かれない悪党を次々と粛正する不気味なマスクの男
腕には火炎放射器を装着している
悪を憎み、腐敗した街を浄化したいと考えている
しかし、次第に関係のない者まで巻き込んで…………
仲間たち
研修生でグロムを尊敬し相棒となるドゥービン
人気ユーチューバーで独自に事件を追うユリア
グロムの暴走に頭を痛めながらも、いつも気にかけているプロコペンコ署長
グロムの周りのキャラクターも非常に魅力的
他人を信用しきれず、いつも1人で捜査していたグロム
けれど強大な敵に、仲間と力を合わせたことで勝利へとつながる
ロシア映画
ロシア映画を見る機会はめったにない
しかし、クォリティの高さに驚いた
そしてロシアの街並みがとても美しかった
Netflixオリジナルのロシア映画には、他にこんな作品がある
「シルバー・スケート」
1899年、貧しいスリの青年マトヴェイは貴族の娘アリサと、運命的な恋に落ちるが…………
身分違いの恋というキャッチーなストーリー
スケートシーンの華麗さ
壮大なスケール
見ごたえ満点のエンターテイメントだった
「タイタニック」や「ロミオとジュリエット」が好きな人にはおススメ!!
アクション
ロシアのアクション映画って、どんな感じなんだろう?
そんな懸念は始まってすぐに吹き飛んだ
奪われた現金輸送車を追跡するグロム
停車しているバスを突き破る輸送車
いきなりド派手
冒頭から掴みはバッチリである
ロシア映画がここまでサービス満点だとは思わなかった
ハリウッド映画と比べても、何ら遜色のない迫力
他にも見せ場が多く、アクション映画の楽しさを満喫できた
スーパーヴィラン
街の悪党を次々と粛正する疾病ドクター
その正体はロシア最大のSNS「ヴィメステ」のCEOで、若き大富豪のセルゲイだった
養護施設で育ったセルゲイ
法で裁けない悪党を粛正し、街を平和にしたい
大富豪で人知れず悪と戦う黒いスーツの男
ハッキリ言ってバットマンである
違いはバットマンは人を殺さないが、疾病ドクターは違うこと
一歩間違うと、疾病ドクターはスーパーヒーローである
彼は平和のために戦っているのだ
非常に風刺のきいた悪役だった
スーパーヒーロー
本作はスーパーヒーロー映画である
だが、主人公のグロムは特別な力を持っていない
空も飛べないし、目からビームも出ない
格闘技に秀でているわけでもない
そんなグロムをヒーローと呼べるのか?
だが、グロムには正義の心と知恵と勇気があった
悪に立ち向かう者こそがスーパーヒーロー
ハリウッドとは違う非常にロシア的なヒーロー像だと感じた
そんなグロムにとても好感が持てた
まとめ
ハリウッド映画と比べても遜色ないアクション映画
疾病ドクターのキャラクターが強烈
ヒーローのグロムも格好いい
ロシアでこんな面白いスーパーヒーロー映画が作られるとは
ヒーローものが好きな人には、見て欲しい一作だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/major_grom_plague_doctor
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