Netflix「マリッジ・ストーリー」感想 逆説的なラブストーリー

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アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが共演
一組の夫婦の離婚にまつわるエピソードが、赤裸々に語られていく
自然体の演技
深みのあるキャラクター
ユーモア
切なさ
リアルな離婚のプロセス
素晴らしい出来栄えである
演技と脚本の力で、離婚という地味な題材が、ここまで濃厚で見ごたえのあるものになるのかと感動
主演2人の熱演が見事
脇のキャラクターもいい味
子供の自然な描写も凄い
CG全盛の時代に、まるで70年代の映画を見ているよう
映画の力というものを再確認
感情を揺さぶられる良作である


予告編

作品情報
作品名「マリッジ・ストーリー」
監督:ノア・バームバック
キャスト:スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、ローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタ、ジュリー・ハガティ、メリット・ウェヴ
上映時間:136分
製作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

舞台監督の夫と女優の妻。夫婦の心はすれ違い、離婚を決意するのだが………………

感想(ここからネタバレ)

離婚のドラマか
地味でつまらなさそう
見る前はそう思っていた
始まった瞬間に、これはただものじゃないと直感した

チャーリーとニコール

ニューヨークの才能ある舞台監督チャーリーと、その妻で女優のニコール
2人の間にはすれ違いが生じ、最近は離婚について話し合っていた
ニコールはテレビドラマの主役が決まり、幼い息子ヘンリーを連れてロサンゼルスへ旅立った
チャーリーは舞台の仕事があり、ニューヨークに残った

もし離婚したとしても友達のままでいたい
2人は円満に話し合いをするつもりだった
ロサンゼルスでニコールは、腕利きの弁護士ノーラを紹介された
試しに会ってみると、ノーラは親身に話を聞いてくれた
いつの間にかニコールは夫への不満をぶちまけていた

ロサンゼルスにチャーリーがやってきた
チャーリーはニコールから離婚書類を渡された
驚きを隠せないチャーリー
それでもまだ心のどこかで、彼女は本気ではないと高をくくっていた
ある日、妻の弁護士ノーラから電話をもらった
このまま書類を無視するなら、ヘンリーの親権を全て失う
その言葉でようやくチャーリーは事態の深刻さに気付いた
ニコールは本気なのだ

慌てて弁護士を探すチャーリー
だが、会った弁護士は相手側を徹底的に打ちのめせという
チャーリーはニコールを傷つけるつもりはなかった
そうして雇ったのは温厚で円満な解決を目指すバート弁護士だった
チャーリーはバートと共にニコール側との会談に臨んだのだが………………

ノア・バームバック

2005年の「イカとクジラ」がアカデミー脚本賞にノミネート
他に「フランシス・ハ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
前作の「マイヤーウィッツ家の人々」に続いて、本作はNetflixで製作

役者の自然な演技を引き出す演出力
散りばめられたユーモア
心を揺さぶる脚本
卓越した手腕が感じられる
今後の活躍が楽しみな監督だ

アダム・ドライバー

アダム・ドライバーというと、やはり「スター・ウォーズ」のカイロ・レンのイメージが強い
しかし、その演技力は高く評価され、本作のノア・バームバックを始め、スパイク・リー、マーティン・スコセッシ、ジム・ジャームッシュなど、名だたる監督の作品に出演している

「マリッジ・ストーリー」のアダム・ドライバーは素晴らしい
才能にあふれた舞台監督チャーリー
温厚でユーモアがあり良きパパ
妻であるニコールの家族にも好かれている
一見、非の打ち所のない男なのだが、ニコールの抱えた不満に気付かなかった

妻や息子を愛してはいるが、舞台のことで頭がいっぱいのチャーリー
妻の突然の離婚宣告
いきなり愛する妻と争わなければならなくなる
そんな現実に頭がついていけないチャーリーを、アダム・ドライバーは自然体で演じている

スカーレット・ヨハンソン

スカーレット・ヨハンソンといえば、やはりマーベルのブラック・ウィドウに代表される強い女性のイメージ
そのため「マリッジ・ストーリー」のニコールという等身大の妻役は新鮮

かつては映画で女優として活躍していたニコール
しかし、チャーリーと出会い、舞台に活躍の場を移した
舞台の功績は全てチャーリーのもの
自分は舞台の一部にすぎない
チャーリーから離れて、もう一度自分自身を見つけたい

離婚の理由を滔々と語るニコール
才能ある人たちはそういうことで離婚するのか
そう納得しかけたら、結局は彼の浮気が一番の原因だった(笑)

改めてスカーレット・ヨハンソンの演技の上手さに脱帽
それでいてがある
主演2人をアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンというスターが演じたことは、このこじんまりとした作品に、大きな相乗効果を発揮している

親子

チャーリーとニコールの息子、ヘンリー
まだ幼い息子を取り合って、2人は争うことになる

必死にヘンリーのご機嫌を取るチャーリーとニコール
特にチャーリーの父親としての悲哀が心に響いた
連れ出しても母親のところへ帰りたがるヘンリー
一緒にいても、息子はつまらなそうにしている
そのやりきれなさ

親たちが自分を取り合っている
ヘンリーにとっても迷惑な話だ
結局は親の身勝手なのだ

やはり思い出したのはこの映画

「クレイマー、クレイマー」(原題はKramer vs. Kramer)
ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが夫婦役で共演
79年度のアカデミー賞で作品賞、監督賞を含む5部門を受賞
仕事人間の夫に愛想をつかし、妻が家を出ていく
夫は1人で幼い息子の面倒を見なければならなくなる
最初はギクシャクしていた2人だったが、次第に強い親子の絆で結ばれていく
ところが1年後、妻が息子の養育権を主張してきて………………
ダスティン・ホフマンがぎこちない父親を好演
涙なしには見られない名作だ

離婚

離婚について話し合ってはいたが、お互いを思いやっていたチャーリーとニコール
もし別れたとしても友達のままでいたい
ところがローラ・ダーン演じる弁護士ノーラをニコールが雇ったことで、事態は急変する
勝つためには徹底的に相手の弱みに付け込まなけれならない
慌ててチャーリーも弁護士を雇う
外部の人間に促されて、2人は争いを余儀なくされる

チャーリーとニコールは次第にお互いを憎むようになる
この離婚のプロセスが非常に生々しい
相手の些細な欠点を誇張し、自分たちを有利に導こうとする
チャーリーとニコールはいつの間にか自分たちの本心が分からなくなってくる

ラブストーリー

クライマックス、チャーリーとニコールは激しく言い争う
このシーンは圧巻
2人の迫力に気圧された
今までの不満とストレスが爆発し、激しく攻撃する2人
思わずチャーリーは言う

「明日、事故で死ねばいい!!」

直後、チャーリーは泣き崩れる
こんなはずじゃなかったのに
どこで道を間違えてしまったのか

この作品のタイトルがなぜ離婚の物語ではなく、結婚の物語なのか
「マリッジ・ストーリー」はある意味、ラブストーリーである
結婚生活が破局を迎えた時、ようやく2人は気づく
自分がどれだけ相手を愛していたか………………
だが、もう後戻りはできない

裏話

この作品の監督とキャストは、何らかの形で離婚を経験している人が多い
ノア・バームバック監督はジェニファー・ジェイソン・リーと
スカーレット・ヨハンソンはライアン・レイノルズと
ローラ・ダーンも離婚の経験者だ
アダム・ドライバーは両親が離婚した

アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンのアパートでの口論のシーンは、2日かけて50回撮り直した
ちょっとした手直しでも、毎回最初からやり直したからだ

オープニングの相手の良いところを語るシーンは、全て手持ちカメラで撮影されている

ノア・バームバック監督は離婚のプロセスを正確に描写するため、離婚弁護士と台本について話し合い、指導を受けた

まとめ

秀逸な作品である
監督の力量と役者の技量が、高いレベルで結実している
人間の滑稽さ、醜さ、愛おしさ
結婚とは何か?
様々に読み解くことのできる作品だ
2019年を代表する1本である


Marriage Story (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/marriage_story_2019
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/369574

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