「ミッキー17」ネタバレ解説 ラストシーンの説明!!

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3月28日に「ミッキー17」が公開された

「グエムル -漢江の怪物-」「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督最新作
主演はロバート・パティンソン
ミッキーは借金取りから逃げるため、氷の惑星ニフルヘイムへと向かう
だが、そこで彼に与えられた仕事は消耗品として、死んではコピーとして生き返る過酷なものだった…………

ポン・ジュノ監督の「パラサイト」以来の新作
あのラストシーンは何を意味していたのか?
海外サイトなどを参考に解説してみた

なお映画のネタバレ全開なのでご注意を!!

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「ミッキー17」

2054年、ミッキーと友人のティモは事業に失敗し、凶悪な借金取りに追われるようになる
このままでは命が危ない
2人は氷の惑星ニフルヘイムの植民地化のスタッフに加わろうとする
ティモはシャトルのパイロットになれたが、ミッキーの役職は「消耗品」
死ぬたびに記憶を引き継いで新しいクローンとして生まれ変わる、過酷な任務だった

4年の旅路を経て、宇宙船はニフルヘイムに到着
惑星のウィルスのワクチンの開発のために、ミッキーは何度も死んで生まれ変わった
そして、17番目のミッキーは氷の亀裂に墜落し、クリーパーと呼ばれる怪物に襲われた
しかし、ミッキーは運よく生き延びて、何とか船まで戻った
そして、自分の部屋に行くと、そこには18番目の自分がいて…………

原作はエドワード・アシュトンのSF小説「ミッキー7」

ミッキーを演じるのはロバート・パティンソン
ナーシャはナオミ・アッキー
ティモはスティーヴン・ユァン
イルファはトニ・コレット
マーシャルはマーク・ラファロ
脚本・監督はポン・ジュノ

映画『ミッキー17』日本版予告 2025年3月28日(金)公開

消耗品

ポン・ジュノ監督は「パラサイト 半地下の家族」や「スノーピアサー」でも、階級社会を描いてきた
この「ミッキー17」でも同様のテーマを探求している
ミッキーは過酷な実験や危険な任務に駆り出され、死んだらクローンとして蘇させられる「使い捨てワーカー」
あらゆる職業の中で最下級の仕事に就いている

「彼らはミッキーを死なせるために印刷している。そのコンセプトにこの映画の喜劇と悲劇の全てがある」
ポン・ジュノ監督はインタビューでこう語った
「現実の世界でも致命的な事故で終わる仕事がたくさんあります。そうなると労働者は去り、また別の労働者がやってきます。仕事は同じで、ただ人が入れ替わるだけです。これは現代の資本主義の悲劇と呼んでいいでしょう。この映画はその極端な姿です」

ミッキー18

命からがら船に戻ったミッキー
そして、自分の部屋に行くと次の自分、ミッキー18がいた
2人の自分がいることは重大な法律違反で、発覚すればどちらも処刑されてしまう
しかもミッキー18は温厚な17と比べて、陰険で攻撃的な性格だった
18は17を始末しようとする

同じミッキーなのに17と18は、何故こうも性格が違うのか?
それはおそらく最初からミッキー(オリジナル)の中にあったものだと思われる
人間には色々な側面がある
それぞれが色濃く表れたのが17と18で、違った性格に見えても、2人の本質は一緒なのだ

マーシャル

氷の惑星ニフルヘイムの植民地化計画
それを率いるのはケネス・マーシャル
2度議会選挙で敗れた大言壮語の元政治家でCEOだ
その言動はトランプ大統領を彷彿とさせる
しかし、ポン・ジュノ監督は似せたつもりはないと否定した

マーシャルの前に連行されたミッキー17と18
船の周りはクリーパーの大軍に囲まれていた
クリーパーのしっぽを多く切り取った方を助けてやる
マーシャルは2人の身体に爆弾を取り付け、クリーパーの中に送り出した

クリーパー

ニフルヘイムに生息する生物クリーパー
見た目は恐ろしいがクリーパーは、ミッキー17の命を助けてくれた
それに彼らが怒っているのはマーシャルがクリーパーの赤ちゃんの1匹(ルコ)を殺し、1匹(ゾコ)を人質に取っているからだ
17は翻訳機を使って、クリーパーの女王と交渉した
女王の要求は人質に取っているゾコの解放と、死んだルコの代償として17か18、どちらかが死ぬことだった

一方でマーシャルはミッキーがクリーパーの女王と交渉しているのが気に食わなかった
あんな下っ端ではなく、トップである私が交渉すべきだ
それでこそ歴史的な瞬間になる
マーシャルは部隊を引き連れて、船の外に出た
その間にミッキーの恋人のナーシャは、ゾコを外に連れ出した
ゾコを受け取ったミッキー17は、そのまま女王へと渡した

クリーパーの群れに攻撃を始めたマーシャルたち
ミッキー18は1人で、マーシャルの車両に飛び乗った
後は17か18、どちらかが死ねば場は収まる
マーシャルと取っ組み合いになった18は、爆弾の起動装置の18と書かれたボタンを押した
2人が乗ったトラックは爆発
約束は果たされ、クリーパーたちは撤退していった

ラストシーンの説明

数ヵ月後、ナーシャはニフルヘイムの政治的指導者となっていた
そして、地球と同じようにニフルヘイムでも、人間のクローンを作ることは禁止された
起工式でナーシャがそのことを発表
それを眺めながらミッキーはうとうとした

夢の中でマーシャルが出てきた
マーシャルはミッキーと同じようにクローン装置で蘇ったのだ

自分の名前を呼ばれて、ミッキーは我に返った
皆が見守る中で、ミッキーはクローン装置爆破のボタンを押した

夢の中でマーシャルが出てきたのは、何故なのか?
彼の復活はもう不可能だ
しかし、また次のマーシャルが、次の支配者が現れるのではないか
ミッキーの潜在意識では、そんな不安があったのかも知れない
それほど階級社会とは根深いのだ
下っ端の労働者が死んでも、いくらでも代わりがいる
本作はそんな現実を、SFという形でまざまざと描いてみせた

「私にとって、それがSF映画を作る意味です」
そう監督は語った
「これは未来、別の惑星についての物語のように見えますが、実際には今の私たちと私たちの周りの現実を描いたものです」

本作は最後に「ミッキー17」という映画のタイトルが現れる
そして、17という数字がガタガタと揺れて消えた後に、「バーンズ」という文字が出現する
これはミッキーが本当の名前とアイデンティティを取り戻したことを意味している

続編は?

実は原作には「ミッキー7 反物質ブルース」という続編が存在する
これは映画の出来事から2年後を描いたものだ
それでは映画でも続編は作られるのか
ポン・ジュノ監督は今まで、続編を一度も作ったことがない
そのため可能性は薄いだろう
とはいえ、可能性は0ではない
今後の続報を見守ろう

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