2025年3月21日、ディズニーの実写版「白雪姫」が全米で公開された
ディズニー初の長編アニメ映画「白雪姫」を実写化
世界中で長年愛され続けた名作のリメイク
これは大ヒット間違いないだろう
ところが実写版「白雪姫」は興行的に苦戦しているというのだ
一体、何が起こっているのか?
オープニング成績
「白雪姫」はアメリカでは4,200の劇場で公開
当初は6,300万~7,000万ドルの興行収入が見込まれていた
最初の週末のランキングで、「白雪姫」は1位を記録
興行収入は予想を下回り4,220万ドルだった
ディズニーの実写リメイク作品
「リトル・マーメイド」「ジャングル・ブック」「アラジン」「美女と野獣」「ライオン・キング」
これらの作品はいずれも初週の成績が1億ドルを超えている
それと比較して「白雪姫」は、ディズニー実写化作品の中では、最低ランクの興行成績だ
さらに悪いことに、アメリカ以外でも4,300万ドルと振るわなかった
「白雪姫」はまだ完全に失敗と決まったわけではない
2024年に公開された「ライオン・キング:ムファサ」も初週は3540万ドルと「白雪姫」以下の成績だったが、最終的には世界で7億1,970万ドルという大ヒットとなった
ただし、これはかなり稀な例であり、「白雪姫」に同じような奇跡が起こる可能性は低いだろう
では苦戦の原因は何だったのか?
論争
「白雪姫」は公開前から、様々な論争が巻き起こっていた
原作では「雪のように白い肌」と描写されている白雪姫に、ラテン系女優のレイチェル・ゼグラーが起用されたこと
こびとをCG化
原作のストーリーの改変
主演のレイチェル・ゼグラーが1937年版を古臭いと批判したこと
これらの論争が本当に興行成績に影響したかは分からない
だが、少なくともヒットの役には全く立たなかったようだ
低評価
公開前に様々な物議をかもしても、作品の出来が良ければ流れを変えられただろう
しかし、その点でも「白雪姫」は失敗した
シネマスコアの観客の評価は「B+」
他のディズニー実写化作品のほぼ全てがA評価だったことを考えると、残念な結果だ
そして、ロッテントマトの批評家支持率は42%とかなり酷い
一方で観客支持率は74%とそこまで悪くない
悪くはないが「まあまあ」程度では、これほどの劣勢を覆すことは不可能だろう
高額な製作費
2015年に公開されたディズニー実写版「シンデレラ」
全世界で5億4200万ドルを稼いだこの作品の製作費は9500万ドル
一方で「白雪姫」の製作費は2億7,000万ドル
これはディズニー史上、もっとも高額なものの1つだと言われている
度重なる再撮影などにより、製作費が膨らんだのが原因のようだ
「白雪姫」の損益分岐点はおよそ5億ドルと見られている
つまり5億ドル以上の収益を上げないと赤字となる
しかし、現時点では全世界でも1億ドルにも届いていない
「白雪姫」の製作費が低ければ大ヒットしたというわけでもないだろうが、少なくとも損失はもっと抑えられたはずだ
ディズニー実写化作品
16億ドル以上を稼いだ「ライオン・キング」を筆頭に、ディズニーは実写リメイク作品で多くの大ヒット作を生み出している
だが、実は「ダンボ」や「マレフィセント2」のように、不発に終わった作品も少なくない
名作のリメイクだから、無条件でヒットするというわけではないのだ
5月公開の「リロ&スティッチ」(日本は6月6日公開)のように、今後もディズニーの実写リメイク作品は控えている
2026年には「モアナと伝説の海」の実写版も公開が予定されている
名作をリメイクすれば、何でもヒットするというわけではない
それは「白雪姫」が実証してみせた
どの作品をリメイクするかを、今後はもっと吟味する必要があるだろう
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