Netflix「この茫漠たる荒野で」ネタバレ感想 トム・ハンクス主演の西部劇!!

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Netflixオリジナル映画
人々にニュースを読み聞かせることで生計を立てているキッド大尉は、ひょんなことからインディアンにさらわれ育てられた少女を、親族のところまで届ける羽目になってしまい…………

本格的な西部劇
トム・ハンクスと子役のヘレナ・ゼンゲルの演技が素晴らしい

「ボーン・アルティメイタム」、「キャプテン・フィリップス」のポール・グリーングラス監督作品
堂々たる西部劇でありロードムービー
どちらかというとアクションよりヒューマンドラマ寄り
とはいえ中盤の銃撃戦は見ごたえがあった
トム・ハンクスは安定の演技
子役のヘレナ・ゼンゲルが凄まじい存在感
2人の絆が育まれていく過程が心地よかった
序盤はゆっくりした展開でちょっと退屈したが、徐々に惹き込まれていった
トム・ハンクスが好きなら見ない理由がない
Netflixの今月の目玉といってもいい1本


予告編

トム・ハンクス主演『この茫漠たる荒野で』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「この茫漠たる荒野で」(原題News of the World)
監督:ポール・グリーングラス
キャスト:トム・ハンクス、ヘレナ・ゼンゲル、マイケル・コヴィーノ、フレッド・ヘッキンジャー
上映時間:119分
製作国:アメリカ(2020年)

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ざっくりあらすじ

南北戦争が終結して5年後、ジェファソン・カイル・キッド大尉は町を転々としながら、人々にニュースを読み聞かせることで生計を立てていた。ある日、キッド大尉はインディアンにさらわれ育てられたジョハンナという少女と出会い、彼女を親族のところまで送り届ける羽目になり…………

感想(ここからネタバレ)

この1本で2月のNetflixの会費の元が取れる

出会い

1870年、南北戦争が終結して5年が経った
退役軍人のジェファーソン・カイル・キッド大尉は、今では町を転々としながら、人々にニュースを読み聞かせることで生計を立てていた
ある日、道中でキッドはひっくり返っている荷馬車に遭遇した
乗っていた黒人は殺されていた

草陰で物音がした
キッドは1人の少女を見つけた
彼女はジョハンナという名で、先住民の衣装に身を包んでいた
ジョハンナは幼い頃にカイオワ族にさらわれた
そして、そのカイオワ族も軍に滅ぼされた
彼女は親族のところへ届けられるところだったのだ

キッドは軍にジョハンナを預けようとした
ところが担当者が戻るのは、3ヶ月後だという
インディアンに育てられ英語も喋れないジョハンナ
見かねたキッドは、自ら彼女を送り届けることにした

ジョハンナの親族が住んでいるのは、はるか彼方の地
馬でも数週間かかる距離だ
こうしてキッドとジョハンナの長くて困難な旅は始まった…………

作品解説

監督は「ボーン・アルティメイタム」や「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス
「キャプテン・フィリップス」でもトム・ハンクスとタッグを組んでいる

他にはNetflixオリジナル映画「7月22日」がある

ノルウェーで実際に起きた最悪のテロ事件を映画化したものである かなりの力作だ だが正直言うと、あまりの凄惨な事件に見ていてかなり気が滅入...

原作はポーレット・ジルズの小説「News of the World」

本作は2020年12月25日にアメリカで劇場公開された
それ以外の国での国際配給権は、Netflixが獲得した

トム・ハンクス

退役軍人のジェファーソン・カイル・キッド大尉を演じる
南北戦争後は各地を転々として、人々にニュースを読み聞かせている
戦争で争いや流血沙汰にうんざりしている
インディアンに育てられた少女ジョハンナと出会い、最初は持て余すが…………

本作はトム・ハンクス初の西部劇(ウッディを勘定に入れなければだが)
静かで思慮深い男を演じている
さすがの風格で、安定の名演だ

ヘレナ・ゼンゲル

インディアンに育てられた少女、ジョハンナを演じる
カイオワ族に家族を殺され、育てられた
そのカイオワ族も軍に殺された
ジョハンナは家族を二度失ったのだ
英語も話せず、キッドにも懐こうとしなかったが…………

ヘレナ・ゼンゲルはドイツ出身で、本作が英語デビュー作
トム・ハンクスに初めて会った時も、誰だか分からなかったらしい
劇中でのヘレナの存在感が素晴らしい
野生児で奔放で、何を考えているのか分からない
とても演技とは思えず、トム・ハンクスを食いかねない勢いだった
ポール・グリーングラス監督は彼女を役に選んだのが、本作でもっとも簡単な決定だったと語った

西部劇

好きな西部劇はいくつもある
個人的にはセルジオ・レオーネなどの銃撃戦満載の男の西部劇が好き
クリント・イーストウッドの「許されざる者」も最高だった

「この茫漠たる荒野で」はどちらかというと「シェーン」に近いだろう

現代的にリアルな作風になっているが、これはこれで詩情溢れる作品となっている

ニュース

インターネットなどもちろん存在せず、文字を読めない人も多かった時代
人々は世界のニュースを知りたがった
キッドは各地にそれを届ける
西部劇としては珍しい主人公である

人々が情報に飢えているのは、いつの時代も同じ
いや、むしろ当時の方が切実だったかも知れない
キッドの語るニュースに、目を輝かせて聞き入る人々の姿が印象的だった

危機

序盤はかなりゆったりしたペース

いつになったら銃撃戦が始まるのーっ!?

正直、最初はうずうずしていた

しかし、中盤の銃撃戦は素晴らしい出来
ジョハンナを狙って追ってくる3人のガンマン
迎え撃つキッド
かなりスリル満点だった
これぞ西部劇の醍醐味!!
特に弾丸がなくなり、散弾銃に10セント硬貨を詰める演出など最高だった
本作は銃撃戦などの見せ場は少ないが、要所要所で魅せてくれた

英語も話せず、全くキッドに懐きそうになかったジョハンナ
だが、キッドが悪党3人を撃退してから、態度が一変
いきなり懐いてしまう現金な姿が面白かった

家族を二度亡くしているジョハンナ
戦争で妻と離れ離れになったキッド
孤独な者同士
少しずつ絆が紡がれていく

ジョハンナは英語をキッドから教わり、キッドはカイオワ語をジョハンナから教わる

嫌な過去は忘れて前に進めと言うキッド
前に進むには過去を振り返らなければいけないと言うジョハンナ

お互いに影響し合い本当の親子のようになっていく姿が、とても魅力的に描かれていた

旅の終わり

本作はロードムービーとしての一面もある
キッドとジョハンナの長い旅
様々な困難もあった
それでも旅は終着点に辿り着く

ジョハンナとキッドはそこで別れる
最初から分かっていたことだ
1人になったキッドは、今まで避けていた故郷へと足を向ける

過去を振り返らなければ、前に進めない

そしてキッドは自分にとってジョハンナにとって、何が正しいのかに気付く
2人はお互いを必要としていたのだ
旅はまだ続いていく
最後にキッドが語るニュースは、人々を笑顔にするものだった

まとめ

久々の本格的な西部劇
ペースがゆっくりなのは気になったが、次第に惹き込まれた
主演2人が本当に素晴らしい
見ごたえのある一作


News of the World (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/news_of_the_world
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/375592

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