Netflix「ネクスト ロボ」感想 ロボットと少女の友情 最高クォリティの必見作!!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

NetflixオリジナルのCGアニメ映画
正直、見る前は全く期待していなかった
ピクサーなどの一級スタジオ作品に比べたら、どうせチープな出来だろう
眠いのを我慢して見始めたのだが………………

数分後、眠気は完全に吹き飛んでいた!!
もの凄いクォリティ
物語もアクションあり笑いあり感動ありで素晴らしい完成度
ピクサーなどのCGアニメ映画の名作の数々と比較しても、なんら遜色がない
これがネット配信作品?
ふざけんな、劇場でやれ!!


予告編

『ネクスト ロボ』日本語吹替版予告

作品情報
作品名「ネクスト ロボ」(原題Next Gen)
監督:ケヴィン・R・アダムス、ジョー・クサンダー
キャスト:ジョン・クラシンスキー、 シャーリン・イー、ジェイソン・サダイキス、デヴィッド・クロス、コンスタンス・ウー、マイケル・ペーニャ
上映時間:90分
製作国:中国、カナダ(2018年)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ざっくりあらすじ

ロボットが生活に溶け込んだ未来。中学生の女の子メイはロボット嫌いで、学校にも友達がいなかった。ある日、メイは偶然にも極秘に作られた戦闘用ロボット7723と出会う。最初は毛嫌いしていたメイだが、一緒に日々を過ごすうちに、次第に心を許すようになる。だが、7723が逃げ出したIQロボティック社はロボットを使って恐ろしい陰謀を企んでいた………………

感想(ここからネタバレ)

正直、この作品に関しては称賛の言葉しか出てこない
Netflixオリジナルの中では最高峰のエンターテイメントで、絶対に見なくてはならない作品の一本だろう
これを見るためにNetflixに加入してもいいレベル
本当にとんでもない作品を出してきたものだ

出会い

ロボットが生活に溶け込んでいる未来
街にはロボットが溢れ、人々は新型に夢中になっている
女子中学生のメイはロボットが大嫌い
母親と二人暮らしで学校には友達がいない
父親がいない寂しさもあり、毎日イライラしていた
そんな時、メイは極秘に作られたロボット7723と出会う
研究所を抜け出し行き場のない7723に、メイは冷たく接するのだが………………

ベイマックス

ロボットとの友情というと、思い出すのはこの作品だろう
少年とロボットのハートフルウォーミングなアクションもの
2014年のディズニーの大ヒット映画である

実際、この2作は色々と共通点が多い
少年(少女)とロボットとの友情
戦闘能力を持つが心優しい巨体のロボット
背後で渦巻く陰謀
印象だけだと「ネクスト ロボ」はベイマックスのパクリと思われても仕方ないかも知れない
だが、実際に見てみると、作品の感触はかなり違う

ベイマックス (字幕版)

メイという少女

孤独な少女が心優しいロボットと出会う
いかにも心温まる物語が展開しそうなシチュエーションである
だがメイの取った行動はぶっ飛んでいた!!
最初は冷たく突き放していたのに、7723に戦闘機能があると分かると態度が豹変
まずは学校のいじめっ子たちに7723を使って復讐
これはまだ序の口
街中で目に付いたロボットを7723に命令して片っ端から壊し始めるのだ
軽快な音楽とテンポよいカット割りで楽しく描かれているが、よくよく考えるととんでもない反社会行為である
ディズニーアニメでは間違ってもありえない展開だ
思春期の苛立ちや不満を破壊行動で鬱憤を晴らすメイ
こんなCGアニメのヒロイン、いただろうか
ある意味、おそろしく生々しい

危険な悪役

そして、危険なのはヒロインだけではない
悪役もヤバい!!
大企業IQロボティック社ジェンというロボットシリーズで市場を独占していた
世間では次の6がもうすぐ出るということで話題が持ち切り(原題はNext Gen)
だがIQロボティック社のカリスマ的CEOピンは全てのジェンに爆弾を仕込み、人類抹殺を狙っていた

これ完全に悪役はアッ〇ルじゃん!!
カリスマ的CEOピンは完全にスティーブ・ジョ〇ズだし
かなり強烈なパロディである
これアッ〇ルから訴えられるんじゃねーの!?
本当に危険な悪役である
7723を造った大柄で善良なライス博士の元ネタはスティー〇・ウォズニアックだろう
ここまでこだわらなくても(笑)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

社会風刺

この「ネクストロボ」ではスマホをロボットに見立てて、スマホに夢中になっている現代に警鐘を鳴らしている
それが「ベイマックス」との最大の違いである
次のジェンがもうすぐ発売されると熱狂する人々
メイの母親モリーも娘そっちのけで、ロボットに夢中
その姿は客観的に見ると、かなりいびつ滑稽
この作品はファミリー映画の体裁を装いながら、かなり辛辣な風刺を行っているのだ

ディズニーにない毒

CEOのピンのたくらみを察知し、その陰謀を防ぐために7723を造ったライス博士
大柄で善良そうな人柄は、名探偵コナンの阿笠博士に通じるものがある
研究所から逃げた7723を探し出し、メイとも知り合う
かつてピンと力を合わせて会社を設立したライス博士
きっとメイの力になってくれるだろう
当然そう思っていたら、ライス博士はピンにあっけなく殺されてしまう
あまりにあっけなかったので、実は生きてて最後に出てくるのではないかと疑ったほどだ
ピクサーの「インクレディブル・ファミリー」でもあれだけ派手なアクションがありながらも、人は一人も死んでいない
ファミリー映画のCGアニメでは人は死なない
そう信じ込んでいた自分には、かなり衝撃的だった

失われる記憶

この「ネクストロボ」は上記したような尖った部分ばかりの作品ではない
誰もが心を揺さぶられるエモーショナルな作品としても、とても優れている
もっとも秀逸なのは7723の設定である
戦闘用ではあるが心優しいロボット
だがメモリが破損して容量が減り、わずかな記憶しか残せない
容量が一杯になるとリセットされ、今までの記憶が全て消えてしまう
それでも最初は空き容量に余裕があった
けれどメイと仲良くなり彼女との思い出が増えていくと、そのデータを消せなくなってしまう
メイとの思い出こそが7723の宝物だからだ
最初に会った時に7723に罵詈雑言を浴びせたメイ
そんな思い出すら大切で、消すのに苦悩する7723の姿には胸を打たれる
そして悩んだ末に7723は最終手段を取ってしまう
メイとの思い出を残すために、戦闘機能を削除して空き容量を確保したのだ
もうこれで武器はいっさい使えない
再度使うにはリセットして、記憶を抹消するしかないのだ

盛り上がるクライマックス

全人類抹殺というピンの目論見がさらけ出されるクライマックス
ピンは大型の戦闘用ロボットでメイと7723を抹殺しようとする
戦闘機能のない7723に勝ち目はない
7723は迷った末、メイを守るためにリセットして戦闘機能を取り戻そうとする

このクライマックスの盛り上がりは凄まじい
ハイクオリティなCGによるド派手なアクションで、見事な見せ場となっている
そして大切なメイを守るために、メイの記憶を消す決断をする7723
見ごたえのあるアクションと巧みなストーリーの相乗効果で、盛り上がりはピークを迎える
激しい戦闘を繰り広げる中、メイの記憶が一つ一つ消えていく場面は涙なしには見られない
この作品屈指の名場面である

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

作品裏話

この「ネクストロボ」は中国とカナダの合作である
元々は「暴走漫画」という中国の人気漫画シリーズの「7723」という王尼玛さんのロボットマンガが原作
カナダのTangentAnimationという3DCGアニメスタジオが製作しているが、出資しているのは中国の会社で実質的には中国製アニメといっていい
気鋭のスタジオTangentAnimationの力も大きいだろうが、それでも中国製でこれほどのクォリティのCGアニメが作られるとは素直に驚きである
Netflixはカンヌ映画祭でこの作品を気に入り、3000万ドル(約33億円)という大金で中国以外での世界配信権を獲得した
それだけの価値があると認めたということだろう
実際、劇場で公開されてもなんら遜色ない出来である

まとめ

「ネクストロボ」は少女メイの成長と共に爽やかな気持ちで見終えることが出来る
ハートフルウォーミングでアクションあり、笑いあり、ほろりとさせられ、そしてなかなかに辛辣(笑)
誰が見ても楽しめる上質なエンターテイメントである
こういう作品を見逃さずオリジナルとして出してくるNetflixの慧眼は本当に侮れない
Netflixオリジナルの中でも絶対に見ておくべき一本だろう


Next Gen (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/next_gen
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365240

スポンサーリンク
PC レスポンシブ




ブログTOP

関連記事
スポンサーリンク
PC レスポンシブ
PC レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする