Netflix「パドルトン」感想 最期に一緒にいたい相手

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末期がんと診断されたマイケル
親友のアンディに安楽死を手伝って欲しいと頼むが………………
メインキャストはおっさん二人だけ
明らかな低予算
地味な映画である
終盤までは盛り上がるシーンもない
しかし、次第に男二人の空間が居心地よくなる
だらだらとくだらない会話
何気ない日常
だからこそクライマックスは胸に迫った
こんな作品は劇場では無理だろう
Netflixならではの良作である


予告編

Paddleton | Official Trailer [HD] | Netflix

作品情報
作品名「パドルトン」(原題Paddleton)
監督:アレックス・レーマン
キャスト:マーク・デュプラス、レイ・ロマノ、クリスティン・ウッズ、カディーム・ハーディソン
上映時間:89分
製作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

マイケルは末期がんと診断される。安楽死を選ぼうとするマイケルに、親友のアンディは病気と闘うように説得するが………………

感想(ここからネタバレ)

主演二人はアメリカでは有名らしい
全く知らなかった

末期がん

マイケルアンディは同じアパートのお隣同士
中年の独身男同士で気が合い、二人は共に過ごすことが多かった
ある日、マイケルは末期がんの診断を受ける
アンディは病気と闘うように説得するが、マイケルは苦しみを長引かせたくないと薬で安楽死することを望んだ

最期の時には一緒にいて欲しい

そう言うマイケルにアンディは返す言葉がなかった

医師からもらった安楽死の薬の処方箋
ところがそれを受け付ける薬局は、もっとも近くでも車で6時間かかる場所だった
二人は車でそこへ向かうのだが………………

登場人物

マイケル
気楽な独身生活を満喫していた
医師から末期の胃がんの診断を受ける
演じるのはマーク・デュプラス

アンディ
同じアパートに住むマイケルの友人
マイケルに最後に一緒にいてくれと頼まれる
演じるのはレイ・ロマノ

難病もの

難病ものというとお涙頂戴というイメージがある
実際、露骨に泣かせにくる作品は多い
日本映画だとネタに詰まるとすぐに難病ものを持ってくるので、正直食傷気味
おそらくドラマティックなネタとして、お手軽だからだろう

この「パドルトン」はそういう難病ものとは、一線を画している
ドラマティックな場面はほとんどない
おっさん2人の日常が淡々と描かれる
本当に難病ものかと困惑するほどだ

だが時折、病気への怒りや悲しみが顔を覗かせる
それがとてもリアル
号泣するような映画ではないが、深く静かに胸を打つ作品となっている

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ゆるい日常

2人は時間があればパドルトンに精を出す
パドルトンとは2人で考案した交互に壁にテニスボールを打ち合って、ドラム缶に入れるという謎の遊び
何が面白いのか見ている方は分からないが、2人はそれに夢中になっている

末期がんを告知されても、2人はパドルトンをやり、家でピザを作り、「デスパンチ」というB級のカンフー映画を繰り返し見る
まったく発展性のない非生産的な日々だ
しかし、そんな日常がしだいにかけがえのないものに見えてくる

おっさん2人

マーク・デュプラスレイ・ロマノ
2人の自然な演技は見事
本当にマイケルとアンディが実在しているかのように思えてくる
特にアンディを演じたレイ・ロマノの演技には目を見張るものがあった

友達であるマイケル
安楽死などやめてほしい
でも、止めることも出来ない
そんな複雑な心境をレイ・ロマノは巧みに演じている

マイケルとアンディ
恋人関係ではないただの友人
おっさん2人のそんな関係は逆に新鮮だった

ロードムービー

安楽死の薬を処方してくれる薬局が、もっとも近いところで6時間かかる
2人は車で出かける
たった6時間の旅だが、ここではロードムービーの趣きが味わえる
寄り道したり、実のない会話をしたり、男2人のゆるい旅
とても印象的な場面となった

安楽死

それまで淡々と山場もなく続いてきた物語
しかし、とうとう最後の時を迎える

マイケルは本当に安楽死するのか?
アンディはどうするのか?

フィクションとは思えない緊張感があり、固唾を飲んで見守ってしまった
空気感まで何もかもリアル
忘れられないクライマックスとなっている

ラスト

マイケルを失ったアンディ
その喪失感
それでも続いていく日常
だが、ラストは希望を持たせるものとなっている
不思議と前向きな気持ちになれる終わり方だ

まとめ

終盤までドラマティックな展開はない
恋愛要素もない
出てくるのは冴えないおっさん2人だけ
退屈だと感じる人も多いだろう
けれど、そこには静かな感動がある
最後まで見ると、このおっさん2人が愛しく思えてくるだろう
Netflixならではの良作である


Paddleton (2019) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/paddleton
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=367195

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