Netflix「プライムタイム」ネタバレ感想 TV局に立てこもった青年の孤独!!

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Netflixオリジナルのポーランド映画
大晦日に1人の青年が銃を手に、TV局に立てこもるが…………

立てこもりを題材にしたサスペンス
序盤からなかなかの緊迫感

主演のバルトシュ・ビィエレニアが複雑な犯人の青年を好演
2人の人質との関係
警察との駆け引き
思いもよらぬ展開もあり、見ごたえがあった
犯人の目的や動機は何なのか?
それが気になり、最後まで退屈せずに見られた
そして、やりきれないラスト
突出した傑作というわけではないが、悪くない出来
一見の価値はあるだろう


予告編

PRIME TIME – Teaser (English subtitles)

作品情報
作品名「プライムタイム」(原題Prime Time)
監督:ヤクブ・ピョンテク
キャスト:バルトシュ・ビィエレニア、マグダレーナ・ポプワフスカ、アンジェイ・クワク
上映時間:92分
製作国:ポーランド(2021年)

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ざっくりあらすじ

1999年の大晦日。1人の青年が銃を持ってTV局に侵入し、司会者を人質に立てこもる。彼の要求は番組で自分の声明を流すことだった…………

感想(ここからネタバレ)

ポーランド映画は良作が多い

大晦日の夜

1999年の大晦日
あるTV局では視聴者参加型の懸賞番組が放送されようとしていた
番組が始まり、司会者のミラが視聴者と電話でやり取りしていた時だった
銃を手にした青年が警備のグシェゴシュを人質に取り、スタジオに乱入してきた
騒然とするスタッフ

「ローラ、どういうことなの!?」

混乱したミラはプロデューサーに問いかけた

「動くな!!」

その青年、セバスティアンはミラに銃を突きつけた

セバスティアンはミラとグシェゴシュを人質に取り、スタジオに立てこもった
彼の要望は自分の声明を生中継すること
だが、そんなことは許可できなかった
武装した警察がスタジオを取り囲んだ
しかし、人質がいるため、うかつに手を出せない
警察はセバスティアンに、交渉を持ちかけるが…………

作品解説

監督のヤクブ・ピョンテクは本作がデビュー作

本作は2021年のサンダンス映画祭で初公開された

セバスティアン

銃を手にTVスタジオに立てこもった青年
目的はテレビで自分の声明を放送すること
何が彼をそこまで駆り立てたのか?
少しずつ背景が明らかになっていく

演じるのはバルトシュ・ビィエレニア
2019年に主演した「聖なる犯罪者」は高く評価され、第92回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた

ミラ

セバスティアンの人質となる司会者
気の強い性格
自分だけでも必死に助かろうとする
演じるのはマグダレーナ・ポプワフスカ


立てこもり映画

「交渉人」「狼たちの午後」
立てこもりを題材とした映画は、いくつもある
テレビ局での立てこもりというと、思いだすのはこの作品

「マネーモンスター」
司会者リー・ゲイツの軽妙なトークが売りの投資情報番組“マネーモンスター”
ある日の生放送中に銃を持った男がスタジオに入り込み、司会者を人質にとる
男はこの番組の言うことを信じて、株で大損したというのだが…………………
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが共演
ジョディ・フォスターの監督作品である

ジョディ・フォスターが社会派スリラーを監督!? この人にサスペンスなんて撮れるの? 半信半疑で見たその結果は………………… 予...

人質

本作はほとんどスタジオの中で展開する
司会者のミラと警備のグシェゴシュ
セバスティアンは2人を人質に取る

最初は自分だけでも助かろうと、必死だったミラ
しかし長い間、セバスティアンと共にいる内に、奇妙な連帯感が生まれてくる
ミラは動こうとしない上層部に代わって、自分でセバスティアンの生放送を実現しようとする

犯人と人質の間に絆が生まれるストックホルム症候群
セバスティアンとミラの間には、信頼が生まれたように思えた
だが、それは偽りだった
思いがけぬチャンスが生まれた時、ミラは必死にセバスティアンから逃げようとする
その時、とっさにセバスティアンが取った行動が、悲劇を招く…………

動機

なぜセバスティアンはこんな過激な行動を取ったのか?
その動機は最後まで明確にはならない
しかし、その背景は少しずつ浮き彫りになる

警察に連れられて、セバスティアンの父親がやってくる
父親はこんな馬鹿なことはやめるように、説得を始める
当然の行動だろう

ところが父親の言葉が、どんどん辛辣になっていく
大学を中退し、親の期待を裏切った息子
ついにはこんな事件まで起こし、恥をかかせた

「お前は失敗作だ!」

セバスティアンの劣等感やトラウマ、孤独、憤りがあらわになっていく
彼がこんな事件を引き起こした背景
それが観客にも痛いほど伝わってくる

プライムタイム

プライムタイムとはテレビ業界において、夜の看板番組が並ぶ時間帯である
こんな事件を起こしてまで、セバスティアンは一体何をテレビで訴えたかったのか?
その声明の内容は、最後まで明らかにならなかった

社会から見向きもされない弱者の声
それがプライムタイムに流れることなどないのだ

まとめ

やるせないラスト
セバスティアンの孤独や空虚さが伝わってきた
少し生真面目すぎる気もするが、なかなかの良作
時間を費やす価値はあるだろう


プライムタイム (2021) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/prime_time_2021
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/377181

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