Netflix「安らかに眠れ」ネタバレ感想 胸をえぐられるスリラー!!

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Netflixオリジナルのアルゼンチン映画
莫大な借金に苦悩していたセルヒオは、愛する家族を守るために死んだと見せかけて失踪するが…………

追い詰められていく主人公の姿がリアル
涙なしには見られない胸をえぐられるスリラー!!

主演のホアキン・フリエルが鬼気迫る熱演
追い詰められていく男をリアルに演じている
スリラーとしてはゆっくりとした展開だが、終盤の緊張感は息が詰まるようだった
また家族を想う主人公の心情が丁寧に描かれている
スリラーとしても、人間ドラマとしても秀逸
見ごたえのある作品を探しているならお勧め

予告編

Rest In Peace – Official Trailer [English] | Netflix

作品情報
作品名「安らかに眠れ」(原題Descansar en paz)
監督:セバスティアン・ボレンズテイン
キャスト:ホアキン・フリエル、グリセルダ・シシリアニ、ガブリエル・ゴイティ、ラリ・ゴンサレス
上映時間:107分
制作国:アルゼンチン(2024年)

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ざっくりあらすじ

莫大な借金に苦悩していたセルヒオは、愛する家族を守るために死んだと見せかけて失踪するが…………

感想(ここからネタバレ)

アルゼンチン映画もクォリティが高い…………

「安らかに眠れ」

1994年、ブエノスアイレス
セルヒオは工場を経営していたが、もはや倒産寸前だった
借金はかさみ、従業員に給料も払えない
だが、セルヒオは妻のエステラや娘や息子には、そのことを伝えられなかった

高利貸しのブレナーはセルヒオに、1週間以内に返済するように脅してきた
約束が守られなければ、家族の安全は保障できない
どう考えても不可能だった
セルヒオは完全に崖っぷちに立たされていた

少しずつでも返済しようと、セルヒオがブレナーのところへ向かっている時だった
突如、ビルが吹き飛んだ
辺りは煙に包まれ、大勢の人が瓦礫に埋もれている
それは大規模な爆破テロだった

頭を負傷したセルヒオは病院へ運ばれた
怪我は大したことがなかった
セルヒオはエステラに電話をかけようとした
その時、恐ろしい考えが閃いた

このまま姿を消せば、死亡者扱いになるのではないか?
そうすれば生命保険が支払われ、家族は助かる

セルヒオは家族に何も告げず、1人パラグアイへと渡ったが…………

作品解説

監督は「明日に向かって笑え!」のセバスティアン・ボレンズテイン

本作はアルゼンチンでは劇場公開された

セルヒオ

主人公
家族を愛している
しかし、工場の経営が苦しく、莫大な借金を背負っている
爆破テロに遭ったことをきっかけに、死を偽装して姿を消すが…………

演じるのは「ファミリー・ツリー -血族の秘密-」のホアキン・フリエル
追い詰められていく男の焦燥を見事に演じている

エステラ

セルヒオの妻で歯科医
最近の夫の様子がおかしいことに気付いている
爆破テロでセルヒオが死んだと聞かされても信じないが…………

演じるのは「バルド、偽りの記録と一握りの真実」のグリセルダ・シシリアニ

焦燥

クレジットカードは停止
子供たちの学費は滞納
従業員に給料が払えない
借金取りの脅迫

序盤は莫大な借金を負ったセルヒオの苦悩が描かれる
誰にも打ち明けられない孤独
崖っぷちで世界が違って見える
この状況から抜け出せるなら何でもやる
描写が生々しく、セルヒオの絶望感がリアルに伝わってきた

爆破テロ

街を歩いていたセルヒオは爆破テロに巻き込まれる
突然の展開に驚いた
本作で描かれているのは1994年7月18日にブエノスアイレスで実際に起きた「アルゼンチン・イスラエル相互協会爆破事件」である
この事件で85人が死亡、200人以上が負傷した

爆破テロに巻き込まれたセルヒオは、この事件を利用して家族の前から姿を消す
自分が死亡したことにすれば生命保険が下りて、家族は救われる
驚きの展開だが、これまでのセルヒオの苦境が十分に描かれているので、すんなりと受け入れることが出来た

この爆破テロで興味深かったのは、ブレナーの描かれ方である

高利貸しでセルヒオを脅したブレナー
序盤は冷酷な悪役という印象だった
だが、ブレナーは爆破テロで妹を亡くす
夫の借金を返済に行ったエステラに、ブレナーは言う

「この借金はセルヒオのもので、あなたとは関係ない」

ブレナーの人間的な一面が浮き彫りになるシーンである
同じテロで愛する者を失った同士
2人は次第に惹かれ合っていく

殺意

ニコラスと名前を変え、パラグアイに渡ったセルヒオ
仕事にありつけ、付き合う女性もできた
だが、残してきた家族のことは忘れられなかった
そうして十数年が経った(息子マティのバースデーケーキを使った時間経過の演出が見事)
ひょんなことがきっかけで、セルヒオは家族に会いたいという欲求が押さえられなくなる

セルヒオはアルゼンチンに戻った
成長した娘のフロレンシアと息子のマティ
顔を合わせるつもりはなかった
彼らを遠くから眺められれば満足だ

だが、衝撃の事実を知る
妻のエステラが再婚したのは、自分を追い込んだ高利貸しのブレナーだったのだ
悲しみと絶望
見ていて胸をえぐられそうだった
思いつめたセルヒオはパーティー会場のトイレで、拳銃片手にブレナーを待つ
ゆっくりしたペースのスリラーだが、このシーンの緊迫感は凄まじかった
全てを失った男の怒りと哀しみ
サスペンスとしても人間ドラマとしても優れた一作だ

まとめ

アルゼンチンのスリラー
思わぬ優れもの
ホアキン・フリエルの迫真の演技が凄い
人間ドラマとしてもよく出来ている
地味だが目を離せない良作だ

Rest in Peace (2024) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/rest_in_peace

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