「スノーデン」感想 英雄か裏切り者か

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この映画を見たことを激しく後悔
あまりに恐ろしすぎる
全てフィクションだと言ってくれ!!

予告編

映画『スノーデン』予告編

作品情報
作品名「スノーデン」(原題SNOWDEN)
監督:オリバー・ストーン
キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、シェイリーン・ウッドリー、メリッサ・レオ、ザカリー・クイント、ニコラス・ケイジ
製作費:$40,000,000(imdb推定)
製作国:アメリカ(2016年)

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ざっくりあらすじ

エドワード・スノーデンは国を愛する平凡な若者
彼は持ち前のコンピューターの知識を生かし、CIAの採用試験に合格する
そこでスノーデンは国家が極秘プログラムで国民を監視していることを知る

感想(ここからネタバレ)

スノーデンのことはニュースで知っていた
勝手に国家の裏切り者、もしくはスパイみたいに思ってました、ごめんなさ~い!!
アメリカから逃げてるし悪人みたいなイメージだったけど、映画を見たらめちゃくちゃ良い奴だった!!

極秘プログラム

「これで何が調べられるんだ?」
「えっ? 何でも」

何も知らないスノーデンの前でNSA(国家安全保障局)の職員が、まるでGoogleで検索するみたいに、国民のメールやSNSや通話記録などから、情報を探し出すシーンは衝撃的である
さらには個人のパソコンを外部操作して、プライバシーを隠し撮りまでして見せる
犯罪者や容疑者だけではなく全ての国民を国家が監視している事実に、若いスノーデンは衝撃を受ける
それはテロを防ぐためには仕方のないことなのか?

ダークナイト

かつてクリストファー・ノーランの「ダークナイト」で、バットマンがジョーカーの脅威を阻止するために、仲間の反対を押し切って、ゴッサムの市民の全ての通話から情報を探すエピソードがあった
バットマンが平和を守るために、今まで踏みとどまっていた境界線を越えた瞬間だった
強大な悪を倒すためには自分も悪に染まらなくてはならない
それも仕方のないことだと僕も思った
街の平和を守るためなのだ
だが、もし同じことが現実に行われていたとしたら?

国家の思惑

スノーデンの指導教官コービンは言う
「平和に暮らしたいのなら対価を支払うべきだ」

スノーデンは国家が国民に隠している汚い仕事を、次々と目の当たりにする
素直に国を愛していたスノーデンは、理想と現実とのギャップに苦しむことになる

恐ろしいのはスノーデンが日本に滞在していた時のエピソード
アメリカ本土と同じように、NSAは日本人のメールやSNSなど全てのデータを監視していたというのだ
もちろん日本政府には無断で
さらにはもし日本が同盟国でなくなった時、日本国内のインフラを破壊できるようにマルウェアを仕掛けてあるという
もはやどちらがテロリストなのか分からない
だんだんとアメリカ政府が悪の組織に見えてくる
さすがにこれ嘘だよね
映画の中のフィクションだよね
そうだと言ってくれ!!(やかましい

キャスト

エドワード・スノーデンを演じるのはジョセフ・ゴードン=レヴィット
前から思ってたけど、この人の名前覚えづらい
もっと短くしてくれない?(知ったことか!!
彼の作品で好きなのは
「ザ・ウォーク」

ロバート・ゼメキス監督の文字通り手に汗握る実話
ニューヨークのワールドトレードセンターで、命懸けの綱渡りを実行した実在の大道芸人フィリップ・プティを演じた

スノーデンの恋人リンゼイ・ミルズにシェイリーン・ウッドリー
「ダイバージェント」の主役の人だったのね

それとスノーデンの教官の一人にニコラス・ケイジ
出番は少ないが、さすがの存在感

オリバー・ストーン

社会派の面目躍如
政府関係者が見たら激怒しそうな危険な題材を真正面から描いている
最後にジョセフ・ゴードン=レヴィットがスノーデン本人に入れ替わる演出は見事
最近の作品はぱっとしない印象だったが、今作では見事に復調

オリバー・ストーン監督で好きな作品は
「プラトーン」

アカデミー作品賞受賞
戦場の臨場感が生々しい
それまで悪役の多かったウィレム・デフォーが善役というキャスティングも面白かった

「JFK」

ケネディ暗殺の謎にパワフルに迫る
3時間超の大作だが一気に見せる

スノーデンの行動の是非

政府が極秘に国民全ての情報を監視している
そんな事実を知ったら良心の呵責を感じない人間はいないだろう
だが、スノーデンのような行動をとれる者がどれだけいるだろうか

勤務地はこの世の天国ハワイ、出世コースで高給、同僚とも仲がよく、仕事も得意分野で誰にも負けない
その全てを失った上に、反逆者として処罰されるのだ
そして永遠にアメリカ政府を敵に回すことになる
僕だったら無理だ
平和のためだと自分に言い聞かせて、やがて何も感じなくなっていただろう
だが、スノーデンは行動を起こした
監視システムの存在を全世界に暴露したのだ

ここで重要なのはスノーデンは監視プログラムそのものをだと言っているわけではないこと
その存在を国民に知らせていないことが問題なのだ
平和のために監視システムが必要かどうか国民それぞれに議論してほしい
そして人々が必要だと合意したなら、堂々と使うべきだろう
諜報機関が正義を名目に勝手にやっていいことではない

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現在のスノーデン

エドワード・スノーデンは今ロシアにいる

アメリカ政府はいまだに彼を情報漏洩などの罪で犯罪者として扱っており、本国に戻ったら逮捕される
ちゃんとした裁判を受けられるのなら帰国するとスノーデンは訴えているが、アメリカ政府はその条件を受け入れていない
オバマ大統領は当時スノーデンのことを「ただのハッカー」だと発言した
そんなスノーデンはその行いを海外に評価されて、ノーベル平和賞に推薦された

まとめ

インターネットやPC、スマホ
知らないうちに自分たちは監視されているのかも知れない
空恐ろしくなる映画である
これらが全てフィクションだったら良かったのに!!
そう思わざるをえない
バットマンは正義をなすためゴッサムの市民を盗聴したが、現実はそれ以上だった
平和に暮らすためなら対価を支払うべきなのか
それはスノーデンが言う通り、皆がそれぞれ考えるべきだろう


Snowden (2016) on IMDb

rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/snowden
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358206

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