「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」感想と解説(ネタバレあり) 新3部作とは何だったのか?

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1977年から始まった「スター・ウォーズ」
多くのファンを熱狂させてきた
そんな伝説的シリーズの完結編
ファンなら問答無用で見に行くべきだろう
さて、実際に見た感想は!!

………………微妙(

レイ、フィン、ポー
お馴染みのメンバーは好演
特にアダム・ドライバー演じるカイロ・レンは素晴らしかった
アクションも満載でファンサービスも豊富
心に残るシーンもあった
しかし、どこか物足りない
いったい何が問題だったのか?


予告編

作品情報
作品名「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(原題STAR WARS: THE RISE OF SKYWALKER)
監督:J・J・エイブラムス
キャスト:デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ
上映時間:142分
製作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

スカイウォーカー家の物語の完結編

感想(ここからネタバレ)

ついに伝説的シリーズが完結!!

最後の戦い

皇帝パルパティーンは生きていた!!
カイロ・レンはパルパティーンからレイを殺すように命令される

一方、反乱軍のポー、フィン、チューバッカたちも、ファースト・オーダーのスパイから、皇帝生存の情報を入手していた
レイはレイアのもとで、フォースの訓練に明け暮れていた
ポーたちからパルパティーンが生きていることを知らされたレイ
皇帝はシスのスター・デストロイヤーの艦隊を、惑星エグゼゴルに隠し持っている
攻撃してくるのは時間の問題だ
その前に手を打たなければ
だがエグゼゴルがどこにあるのか分からない

レイはルーク・スカイウォーカーが残したノートに、エグゼゴルの記述があるのを発見した
ルークは惑星パサーナに手がかりがあると突き止めたらしい
レイたちはパサーナに飛んだ
その頃、カイロ・レンもフォースによって、レイがパサーナにいることに気づいていた………………

J・J・エイブラムス

エピソード7「フォースの覚醒」に続いて、再びJ・J・エイブラムスがメガホンをとった
当初は「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレヴォロウが監督する予定だったが、ルーカスフィルムとビジョンが折り合わず降板
熱狂的なファンを持つ伝説的シリーズの完結編
プレッシャーは並々ならぬものがあったはずだ
さらにはエピソード9で重要な役割を果たすはずだったレイア演じるキャリー・フィッシャーの訃報
そんな状況での映画製作は、さぞ困難だっただろう
それでも「スカイウォーカーの夜明け」を仕上げたJ・J・エイブラムスの仕事は、称賛に値する

一方で作品自体はかなり無難な仕上がりで、ファンに配慮したものとなっている
前作「最後のジェダイ」はかなり野心的な作品で、ファンから非難を受けた
そのことが本作に影響を及ぼしたのかも知れない

レイ

1作目では辺境の惑星ジャクーの砂漠で、ガラクタを集めて孤独に生きてきたレイ
本作では成長して、一人前のジェダイとなっている
その力は凄まじく全盛期のルークを超えているのではと思えるほどだ
砂漠でカイロ・レンが乗った機体をライトセーバーで撃墜するシーンは凄まじかった

そして、本作ではレイの出自が明らかになる
レイは皇帝パルパティーンの孫だった
ジェダイとしての自分
自らに流れるシスの血
いずれ暗黒面に落ちてしまうのではないか
レイは苦悩することとなる

カイロ・レン

今年は「マリッジ・ストーリー」など活躍が著しかったアダム・ドライバー
絶好調なだけあって、本作のカイロ・レン役も素晴らしい
野望に燃えるシスとしてのカイロ・レン
良心を捨てきれないジェダイとしてのベン・ソロ
二つの相反する心がせめぎ合っている

そしてレイアの死によって、とうとうジェダイとしての精神を取り戻す
レイアのライトセーバーで、レンがレイと共闘する場面は最高だった
スカイウォーカーの最後の生き残り
ベンは最後にレイと心を通わせ、散っていった

仲間たち

フィンポーなどお馴染みのメンバー
本作ではすっかりスター・ウォーズの世界になじんでいるのを感じられた
彼らがかつてのルークやハン・ソロと被って見えた

またチューバッカC-3POR2-D2
ハン・ソロの悪友であるランド・カルリジアンの活躍も嬉しかった
ファンサービス満点という印象である

そして、2016年に亡くなったキャリー・フィッシャー演じるレイア
「フォースの覚醒」の未使用シーンを使って、出演している
違和感は感じたが、これ以外に方法がなかったのだろう
「フォースの覚醒」ではハン・ソロ
「最後のジェダイ」ではルーク・スカイウォーカー
この「スカイウォーカーの夜明け」ではレイアにフォーカスが当たる予定だったという
レイアがライトセーバーを手に、ジェダイとして戦う場面も想定されていたらしい
本当に残念だ

「スカイウォーカーの夜明け」の感想

全体的にシリーズに配慮した無難な仕上がりになっている印象
「スター・ウォーズ」サーガを綺麗に着地させることに、心血を注いでいるように感じた
そのせいか魅力的なシーンもあるが、どこかで見たような既視感を覚えさせる場面が多かった
難解な専門用語も多く、前半は退屈だった

誰でもジェダイになれるという「最後のジェダイ」のテーマを全否定したのにも疑問

結局は血筋かよ!!

ラスボスが皇帝パルパティーンだったのにもガッカリ
レイとカイロ・レンがパルパティーンと戦うクライマックスは、まるで「ジェダイの復讐」をなぞっているかの様だった

前作の「最後のジェダイ」は個人的に嫌いな作品だ
だが、シリーズの既成概念を壊そうという気概は感じられた
それに比べて「スカイウォーカーの夜明け」はあまり印象に残らない凡庸な作品となってしまった

新3部作とはなんだったのか?

「フォースの覚醒」
「最後のジェダイ」
「スカイウォーカーの夜明け」

「スター・ウォーズ」エピソード7から9
シークエル・トリロジーと呼ばれる3部作

ライトセーバーの戦い
ジェダイの格好良さ
フォースの魅力
チューバッカなど懐かしいキャラクターたち
冒険

スター・ウォーズ世界の楽しさを思い出させてくれた
そのことは評価したい
だが、突き詰めると、大いなる蛇足のシリーズだったという印象
エピソード3のラストがエピソード4につながった瞬間、シリーズは完結していた
この新3部作では作られる必然性が、商業的な意味以外では感じられなかった

やはり強く感じたのがジョージ・ルーカスの不在
シリーズを導く先導者に欠けていた
そのためかこの3部作は、作品ごとに監督の特色が色濃く出たシリーズとなっている
「007」や「ミッション・インポッシブル」のようなシリーズは、それでもいい
しかし、「ロード・オブ・ザ・リング」や「スター・ウォーズ」のような連続ものでは、焦点の定まらない印象になってしまう
3部作の全体的なビジョンが、クリエイター同士で共有されていないのだ

こんなエピソードがある
「スカイウォーカーの夜明け」は当初はコリン・トレヴォロウが監督として決定していた
コリン監督はルークが活躍する物語を構想していた
ところがライアン・ジョンソン監督がルークを「最後のジェダイ」で殺してしまった
アイディアが使えなくなったコリン・トレヴォロウは、監督を降りたという

そんなエピソードからも3部作のストーリーが、最初から明確に決定していたのかも怪しく感じられる
全体的な物語を共有できていたのか
そういった綻びは、最終作の「スカイウォーカーの夜明け」で露呈する

皇帝パルパティーンの唐突な復活
前作を全否定するレイのパルパティーンの孫設定

風呂敷を畳むために慌てて修正を加えたようにしか思えない
そのためちぐはぐな印象の3部作となってしまった
はっきり言って完成度は決して高くはない

エピソード6「ジェダイの復讐」で抵抗軍は帝国を打ち破り、大団円を迎えた
それで綺麗に終わっていたはずだった
彼らはその後、幸せに暮らした
それで良かったのだ

ハン・ソロ、ルーク、レイア
旧作の思い入れのあるキャラクターを次々と殺していった新3部作
本当にこんな物語がファンに必要だったのか
終わってみて、そう感じざるを得ない

そこに語られるべき物語があったのか
そんな疑問を抱く3部作となってしまった

1. 「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」 2. 「ジュマンジ ネクスト・レベル」 3. 「アナと雪の女王2」 4. 「キャ...


Star Wars: Episode IX - The Rise of Skywalker (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/star_wars_the_rise_of_skywalker/
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/367080

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