6月4日にNetflixで配信された韓国映画「甘酸っぱい」
次世代スターとして注目されているチャン・ギヨンが主役
2人の女性の間で、揺れ動く姿が描かれる
離れていく心
切なくてリアルな恋模様
そんな普通の恋愛映画だと思っていた
ところが驚きのラスト!!
あまりの意外な展開に、呆然とした人も多いのではないだろうか?
海外サイトなどを参考にして、この結末を解説してみた
もちろん正しいかどうかは分からない
あくまで一つの解釈だと考えて欲しい
なお映画のネタバレ全開なのでご注意を!!
「甘酸っぱい」
大学生のヒョクは肝炎で入院した
両親や友人たちは感染するのではないかと、見舞いにもろくに来なかった
そんな中、親身に世話をしてくれたのが、看護師のダウンだった
彼女は明るく気さくな性格だった
ヒョクは次第にダウンに惹かれていった
退院したヒョクはダウンに告白した
2人は恋人として付き合うようになった
だが、ヒョクは自分の太った体形が気になった
彼女のために何としてでも痩せなければ…………
数年後、ヒョクは見違えるほどスマートになっていた
ダウンとの仲も良好で、2人は一緒に暮らしていた
そんな時、会社の上司から大企業への出向を勧められる
上手くいけばその企業の正社員になれる
しかし、場所は遠く離れたソウルだ
ヒョクはそれでもチャンスだと思い、その話を引き受けた
ダウンはそんなヒョクを応援してくれた
初出勤した先では、同時に採用されたもう1人の契約社員がいた
その女性ボヨンはヒョクをライバル視して、ことあるごとに張り合ってきて…………
ヒョク役はドラマ「キル・イット ~巡り会うふたり~」や映画「バッドガイズ」などで人気急上昇中のチャン・ギヨン
看護師のダウンを演じるのは、ドラマ「ロボットじゃない~君に夢中!~」のチェ・スビン
契約社員でヒョクのライバルとなるボヨンを演じるのは、ドラマ「プレーヤー ~華麗なる天才詐欺師~」のクリスタル
監督は「がんばれ!チョルス」のイ・ゲビョク
原作は乾くるみの人気小説「イニシエーション・ラブ」
松田翔太と前田敦子主演で映画化もされた
監督は堤幸彦
ラストシーン
仲のいい恋人同士だったヒョクとダウン
だが、多忙な仕事
長距離恋愛の大変さ
次第に2人の間はギクシャクし、口論が絶えなくなる
そして、犬猿の仲だったヒョクとボヨンは、仕事のパートナーとして親密になっていく
そんな時、ダウンの妊娠が判明した
ショックを受けるヒョク
ヒョクはダウンに中絶をしてもらう
それがきっかけで、ヒョクとダウンの心はますます離れていった
ヒョクは仕事に没頭し、ボヨンと一緒にいる時間が長くなった
たまにダウンに会っても、仕事の愚痴ばかり言い、素っ気ない態度をとるヒョク
そして彼女のことをボヨンと言い間違え、ついにダウンの怒りは爆発する
破局した2人
ダウンはヒョクに指輪を送り返してくる
落胆したヒョクにボヨンが急接近
2人は関係を持つようになる
クリスマスに予約していた済州島旅行
もうダウンと行くことはない
ヒョクはダウンに「他の奴と行け」とメールを送る
クリスマス、チケットはキャンセルされていなかった
会社の忘年会で景品は済州島旅行だと聞いて、ヒョクはダウンのことを考えた
自分が愛しているのはダウンだったのだ
ヒョクは忘年会を抜け出し、指輪を持って空港へ向かった
そこにダウンはいた
ヒョクが喜んで駆け寄ろうとすると、誰かにぶつかった
それはもう1人のヒョクだった…………
どんでん返し、その1
本作のどんでん返しの一つは、ヒョクが2人いたことである
イ・チャンヒョク
チャン・ヒョク
序盤の太ったヒョクと、本編のヒョクは別人だったのだ
では何故、同一人物だと誤解したのか?
理由は以下のものが挙げられる
同じスニーカーを履いていること
名前が似ていること
イ・チャンヒョクが「絶対に痩せる」と言い、次のシーンでチャン・ヒョクが登場したこと
病院で知り合った看護師のダウンに熱烈な恋をしたヒョク
2人は付き合うようになり、ヒョクはダウンのためにダイエットする
一緒に暮らすようになった2人
だが、ヒョクが遠いソウルに出向となり、一緒にいる時間が少なくなって、2人の心は離れていく
あれほどダウンにべた惚れだったヒョクも、こんな心ない態度をとるようになるのか
リアルな恋愛を描いた映画なんだな
…………そう勝手に納得していたら、そもそも序盤のヒョクと本編のヒョクは別人だったのだ
作り手にまんまと騙された!!
どんでん返し、その2
本作のもう一つのどんでん返しは時系列である
この映画はヒョクが肝炎で、病院に運び込まれる場面からスタートする
ヒョクはダウンと恋に落ち、痩せることを決意する
場面が変わって、同じスニーカーを履いたチャン・ギヨン演じるヒョクが登場
ヒョクのスニーカーは使い込まれて古びている
ちゃんと減量に成功したんだと、観客は思う
実際には太ったヒョク(イ・チャンヒョク)がダウンと出会ったのは3ヵ月前
本編のヒョク(チャン・ヒョク)がダウンと出会ったのは1年7ヵ月前
イ・チャンヒョクとチャン・ヒョクが入れ替わる場面で、時間がさかのぼっていたのである
では何故、ダウンはチャン・ヒョクに贈ったのと同じスニーカーを、イ・チャンヒョクにも贈ったのか?
見直せば分かるが5割引で、単に安かったからである(笑)
イ・チャンヒョクはダウンの電話番号を突き止める
かけたはいいが言葉が出ないイ・チャンヒョクに、ダウンは「ヒョクさん?」と尋ねる
これはチャン・ヒョクと勘違いしていたのだ
イ・チャンヒョクと一緒の時、ダウンがマカロンの屋台の店員に「2度目ですね」と言われるシーン
これはチャン・ヒョクと一緒に来たシーンのことを指している
またチャン・ヒョクが交換しなかった電球を、イ・チャンヒョクが替えている
チャン・ヒョクとイ・チャンヒョクの時間は、次第に交差していく
クリスマスの済州島旅行をチャン・ヒョクは、「他の奴と行け」とダウンにメールを送る
ダウンは言われたとおりに、そうしたのだ(メールを見ているシーンが前半にちゃんとある)
それをチャン・ヒョクは、自分を待っていると勝手に勘違いしたのである
つまりこの映画は3ヵ月前から始まり、途中で1年以上前にさかのぼり、現在のクリスマスで幕を閉じる
非常に巧妙な時間のトリックが施されている
中絶
ダウンが妊娠した時、チャン・ヒョクは中絶を促した
結局、このことが2人の破局の決定打になったと思われる
ではダウンは本当に中絶したのか?
結論から言えば、していない
中絶のため病院に行った時、ダウンはチャン・ヒョクを外に追い出した
イ・チャンヒョクの看護をしている時、ダウンは旺盛な食欲を示し、ヒョクの病院食も勝手に食べていた
以前は隠れてタバコを吸っていたのに、イ・チャンヒョクが喫煙しているのを見て、猛烈に怒りだし踏みつぶした
イ・チャンヒョクのベッドで、勤務中に何度も寝ていた
それら全てが妊娠によるものと示唆されている
ラスト、空港で先に歩き出したイ・チャンヒョクに、ダウンはスーツケースを手にしてこう言う
「これ重いわ」
このセリフはただの我がままではなく、胎児を気づかってのものだと思われる
もちろんダウンがまだ妊娠していることを、チャン・ヒョクが知る由もない
まとめ
本作は「イニシエーション・ラブ」を原作としているが、色々と細かい部分は違っているようだ
とはいえクライマックスのどんでん返しはよく出来ている
見直すと新たな発見が多そうだ
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