Netflixオリジナル映画
1968年のオフ・ブロードウェイ舞台劇「真夜中のパーティー」の2度目の映画化
ニューヨーク、マイケルのアパートではゲイ仲間が集まって、誕生日パーティーが開かれていたが…………
基本的には会話劇
大きく動く物語ではないので、ちょっと中だるみは感じた
キャラクターは個性豊か
「ビッグバン★セオリー」のシェルドン役で有名なジム・パーソンズは熱演
またハロルド役のザカリー・クイントの演技が圧倒的だった
当時、初めて同性愛を真正面から描いたといわれる「真夜中のパーティー」
50年以上前の作品なので、少し古臭く感じる部分はあった
しかし、今でも十分に革新的な作品である
同性愛がかなり赤裸々に描かれるので、人を選ぶだろう
ただ役者の高いパフォーマンスも相まって、見ごたえは十分
試してみる価値は大いにあるだろう
予告編
作品情報
作品名「ボーイズ・イン・ザ・バンド」(原題The Boys in the Band)
監督:ジョー・マンテロ
キャスト:ジム・パーソンズ、ザカリー・クイント、マット・ボマー、アンドリュー・ラネルズ、チャーリー・カーヴァー、ロビン・デ・ヘスス、ブライアン・ハッチソン、マイケル・ベンジャミン・ワシントン、タック・ワトキンス
上映時間:120分
製作国:アメリカ(2020年)
ざっくりあらすじ
1968年のニューヨーク。マイケルのアパートではゲイ仲間が集まって、誕生パーティーを開こうとしていたが…………
感想(ここからネタバレ)
古典的名作の再映画化
攻めた内容なので、Netflixにはピッタリだ
バースデー・パーティー
1968年のニューヨーク
今夜はマイケルのアパートにゲイ仲間が集まり、ハロルドの誕生日パーティーが開かれる
マイケルは準備に大忙しだった
そんな時、大学時代の友人アランから電話がかかってきた
今、ニューヨークに来ているので、会えないかというのだ
マイケルは今夜はパーティーがあるからと断った
ドナルド、エモリー、ハンク、ラリー、バーナード
仲間たちが続々とアパートに集まってきた
主賓のハロルドはまだ来ない
皆は和気あいあいとパーティーの準備を進めた
呼び鈴が鳴った
やっとパーティーの主役の登場だ
ドアを開けると、そこにいたのはアランだった
マイケルはアランに自分がゲイだということを隠していた
予期せぬ来客で、仲間たちは微妙な空気となり…………
「真夜中のパーティー」
「真夜中のパーティー」はマート・クロウリー原作による1968年初演のオフ・ブロードウェイ舞台劇
初めて同性愛を真正面から描いた作品と言われている
1970年の終演までに1000回以上上演された
また1970年に「フレンチ・コネクション」のウィリアム・フリードキンによって映画化された
キャストは舞台版と同じ
2018年には50周年を記念し、リバイバル版が上演され、トニー賞に輝いた
そのキャストがそのまま本作に出演している
ジム・パーソンズたちキャストは全て、自分がゲイだと公表している
ジム・パーソンズ
アパートで贅沢な暮らしをしているマイケルを演じる
神経質
もう若くはないことを気にしている
酒はもう飲まないと誓っていたが…………
「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のシェルドン役で超有名なジム・パーソンズ
本作では凄まじい熱演を見せる
改めて演技力の高さを証明
ザカリー・クイント
ユダヤ人のゲイ、ハロルドを演じる
自由でマイペース
32歳の誕生日を迎えた
リブート版「スター・トレック」のスポック役で有名
本作では中盤から登場するが、喋りといいビジュアルといい、もの凄い存在感
完全に画面を支配していた
同性愛者たち
オネエ系のゲイのエモリー
図書館で働く黒人のゲイ、バーナード
自由奔放に恋愛を楽しむラリー
数学教師でラリーと同棲中のハンク
読書好きなドナルド
個性豊かなマイケルの仲間たち
その夜は仲間だけの気兼ねないパーティーになるはずだった
しかし、マイケルの大学時代の友人で、ストレートのアランが訪れたことで、気まずい空気が流れる
時は1968年
まだ同性愛が犯罪扱いされていた時代である
マイケルもアランに自分がゲイだと打ち明けていなかった
マイケルの友人たちに違和感を感じるアラン
「あれじゃまるでオカマじゃないか!!」
その言葉はマイケルの心を深くえぐった
マイケルは禁じていた酒に手を出す
そこからパーティーは徐々に狂い出していく
ゲーム
酒に酔ったマイケルがゲームをしようと言いだす
告白ゲーム
自分がもっとも愛していた人に電話をかけ、告白をするというゲームだ
初恋の人に電話をしたが、愛を打ち明けられない者
途中で電話を切られる者
このゲームを始めたことで、それぞれが隠し持っていた秘密
心の弱さが浮き彫りになる
自分が普通の人々と違うのだという苦悩
それを隠して生きていくことの辛さ
最後にマイケルは泣き崩れる
自分(同性愛者)をもっとも憎んでいるのはマイケル自身だった
まとめ
同性愛者をテーマにしているが、普遍的な人間の物語である
古典だが、十分に現代に通じる
役者たちの演技は見ごたえ十分
とっつきやすい作品ではないが、見る価値はあるだろう
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_boys_in_the_band
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/374092
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