Netflixの日本オリジナル映画
これは素晴らしい試みだ
今後もどんどん日本映画を製作していって欲しい
さて、肝心の作品の方だが、全く好みじゃなかった!!(爆
2時間半と長いこともあり、途中はかなり惰性で見ていた
直視が耐えがたい、おぞましいシーンもある
まるで予想していなかったので、精神的にキタ
だが、作品がつまらなかったかと言えば、そんなこともない
とにかく椎名桔平の怪演が凄い
そのパワーで何だかんだで画面に惹きつけられた
ブラックな笑いも多く、ギャグ映画としても面白い
またクライマックスはかなり盛り上がった
あまり人に薦めようとは思わないが、強烈な作品である
監督のファンや、Netflixオリジナルの日本映画に興味がある人は見ておくべきだろう
ただ本当に過激な内容なので、覚悟が必要である
予告編
作品情報
作品名:「愛なき森で叫べ」
監督:園子温
キャスト:椎名桔平、満島真之介、日南響子、鎌滝えり、真飛聖、でんでん
上映時間:151分
製作国:日本(2019年)
ざっくりあらすじ
1995年、世間では銃による連続射殺事件が騒がれていた。家出少年のシンは愛知県から上京してくるが………………
感想(ここからネタバレ)
白状します!!
実は園監督の作品、1本も見てませんでした!!
自主映画
1995年の東京
森の中での銃による連続射殺事件が世間を騒がせていた
家出少年のシンは愛知県から上京してきた
ある日、シンは街でジェイという若者と出会う
彼は自主映画の製作に取り組んでおり、ぴあフィルムフェスティバルでの入賞を目指していた
シンはジェイたちと意気投合した
シンはジェイを通じて、妙子や美津子という女性とも知り合った
彼女たちは高校生時代、共通の友達を事故で亡くし、そのショックからいまだに立ち直れないでいた
シンたちは出演の交渉をするが、お嬢様で引きこもりの美津子は断った
その日の午後、美津子に村田という男から電話がかかってきた
「10年前に借りた50円を返したい」
不審な電話だったが、美津子は悩んだ挙句、待ち合わせの公園に出かけた
その男、村田丈は白いスーツでスポーツカーを乗り回す派手な男だった
紳士的だが強引な村田に、美津子は次第に惹きつけられていき………………
園子温
本作品は園子温監督の「冷たい熱帯魚」や「恋の罪」と同様に、実際の猟奇殺人事件からインスパイアされた作品である
元々は連続ドラマとして企画されたものだったらしい
少しファンタジーな要素もあり、ただ凄惨なだけでは終わっていない
その辺りは監督の手腕だろう
とにかく規制など気にせず、監督が好きに撮っていることが伺える
時には暴走しているとしか思えないほどだ
この辺りはさすがクリエイターを尊重するNetflix
予算もそれなりにかかっており、劇場で公開されていても何ら遜色ない出来である
今後も日本のオリジナル映画をどんどん増やして欲しい
椎名桔平
この「愛なき森で叫べ」でもっとも特筆すべきは椎名桔平だろう
まさしく怪演!!
椎名が演じる村田丈という男が、本当に興味深い
冷酷な詐欺師で、恋人の妹や母親にまで言い寄る
金を騙し取る
達者な口ぶりで、いつの間にか周りを支配下に置く
悪人だと警戒していたシンたちを、いつの間にか魅了している姿は恐ろしかった
もはや怪物である
とんでもない極悪人なのだが、妙にとぼけていて憎めないところもある
椎名桔平はそんな村田丈という男をパワフルに演じている
アカデミー主演男優賞にノミネートされてもおかしくない熱演だった
狂気
連続射殺事件
暴力
自殺
死体解体
ここまで凄惨な物語だとは思っていなかった
死体解体シーンなど、ダイレクトな映像でデティールが細かく、見ていてキツかった
監督たちは解体の過程を、実際に豚を使って試したという
その甲斐もあってか、非常にリアルで直視したくない映像となっている
この作品で恐ろしいのはそういった直接的なシーンよりも、やはり村田という男のカリスマ性である
男も女も魅了していく村田
いつの間にかグループや家庭を乗っ取り、ボスとして君臨する
まるで洗脳の過程を見ているようだった
一種のホラー映画といってもいいほどだ
とにかく村田丈は映画史に残る悪役である
映画としての完成度
正直言って2時間半は長い
まだ半分か、と途中でかなりダレた
これは元々、連続ドラマとして撮っていたことが関係するだろう
脚本もちょっと回りくどい
前述通り、かなりグロイ場面や精神的にキツいシーンが多く、ちょっと苦手なタイプの作品である
椎名桔平だけではなく、役者陣は凄かった
美津子など新人俳優だったらしいが、体当たりの熱演
怪演を見せるでんでんなど、画面から発せられる熱量には圧倒された
クライマックスの森のシーン
ここは素晴らしい
まさかこんなどんでん返しがあるとは
椎名桔平や満島真之介の演技も最高
ここまで我慢して見た甲斐があった
まとめ
毒にも薬にもならない作品が多い中で、まさに劇薬
さすが園子温
さすがNetflix
あまり好みの作品ではなく欠点もあるが、見ごたえがあった
Netflixの日本オリジナル映画としては上出来
万人が好む作品ではない
むしろ好みが合う人は1割程度かも知れない
だが、見終わって無性に人と語りたくなる映画である
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_forest_of_love
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=369674
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