Netflix「パーフェクション」感想 才能をめぐる戦慄のホラー!!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

才能あふれるチェロ奏者
その華やかな舞台
そこに渦巻く羨望と嫉妬
音楽をめぐる衝撃のホラーである
ハッキリ言って、かなり胸糞悪い
相当に悪趣味な作品
生理的に合わない人も多いと思う
しかし、二転三転するストーリー
そこまでやるかという酷い展開(誉め言葉)
好みが合う人にはどストライクだろう
映画に騙されるのがたまらなく好きな人
歯ごたえのあるホラーが見たい人
ぜひ見ておくべきだ


予告編

『パーフェクション』予告編 – Netflix [HD]

作品情報
作品名「パーフェクション」(原題The Perfection)
監督:リチャード・シェパード
キャスト:アリソン・ウィリアムズ、ローガン・ブラウニング、スティーブン・ウェバー、アライナ・ハフマン
上映時間:90分
製作国:アメリカ(2018年)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ざっくりあらすじ

シャーロットは才能あふれたチェロ奏者だったが、母の看護のために学園を去らなければならなかった。その母も死に、元恩師を訪ねていくと、そこにはかつての自分のような才能ある若い愛弟子がいた………………

感想(ここからネタバレ)

こんなに胸糞悪い映画は久しぶり
だんだんと快感になってくるのがヤバい

思惑

シャーロットは才能に溢れた将来有望なチェロ奏者だったが、母親が倒れてチェロの道を断念し故郷へと帰った
10年もの間、シャーロットは母親の看護をして過ごした
その母親が死に、シャーロットは元恩師であるアントンを訪ねて、中国へ行った
しかし、アントンのそばには、かつての自分のような才能豊かな若きチェロ奏者リジーがいた
リジーはマスコミからも脚光を浴び、話題のチェロリストだった

シャーロットはリジーにとって、かつての憧れの人だった
リジーはぜひ一緒に演奏したいという
シャーロットがチェロから手を退いて、もう10年になる
自分には無理だというシャーロットを強引に説き伏せ、二人は皆の見つめる中で演奏を行った
その演奏は素晴らしいものだった
二人は急速に親密になり、一夜を共にし愛し合った

意気投合した二人は、そのままバスで中国を旅することにした
ところがバスの中で、リジーが具合を悪くする
嘔吐し、暴れだすリジー
二人は山の中でバスから追い出された

リジーが腕の中にがいると騒ぎだした

「だったら、どうすればいいか分かるわね?」

シャーロットはリジーに肉切り包丁を手渡した
全てはシャーロットが仕組んだことだったのだ………………

登場人物

シャーロット
かつては前途有望なチェロ奏者として期待されていた
母親が死に恩師の元へ再び訪れるが………………
演じるのは「ゲット・アウト」アリソン・ウィリアムズ

リジー
今をときめく注目のチェロ奏者
シャーロットと親密になり、彼女の罠にはまる
演じるのはローガン・ブラウニング

アントン
シャーロットの元恩師
チェロ奏者を育成する学園を運営している
演じるのはスティーブン・ウェバー

類似作品

「セッション」

音楽と才能をめぐる壮絶なドラマ
「パーフェクション」を見てこの作品を連想した人も多いだろう
アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズの怪演が凄い
こちらもある意味ホラー

「ゲット・アウト」

センセーションを巻き起こした秀逸なホラー
アリソン・ウィリアムズもヒロインとして出演
雰囲気もどこか通じるものがある

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

才能をめぐるスリラー

序盤のシャーロットとリジーが共に演奏するシーンが素晴らしい
音楽の道を断念して10年になるシャーロット
元恩師や大勢の人が見守る中、リクエストされてしぶしぶ演奏をすることになる

ぶざまなところを見せてしまうだろう

そんなこちら側の不安と裏腹に、シャーロットは見事な演奏を見せる
これだけの才能を持ちながら、音楽の道を断念し、10年に渡って母の看護に忙殺されたシャーロット
その無念はいかほどだったのか

そんなシャーロットにリジーは惹かれ愛し合う
共に中国を旅することにする二人
だが、具合を悪くし、幻覚に苦しみだすリジー

腕の中にがいる!!

騒ぐリジーに肉切り包丁を手渡すシャーロット

なんで旅行に肉切り包丁持ってきてんの!?

全てはシャーロットが仕組んだことだったのだ
頭痛薬だといって、幻覚作用のある抗てんかん薬をリジーに飲ませていた
リジーは自分の腕を切り落とした!!

かつてチェロ奏者としての将来を嘱望されていたシャーロット
今のリジーは本来は自分のはずだった
だからといって嫉妬のためにそこまでするのか

なんて胸糞悪い女だ!!

あまりのエグイ展開に、見続けるのが苦痛に思えるほどだった
しかし、そんなシャーロットの印象は、後にガラリと変わる

完璧さ

腕を失ったリジーに恩師であるアントンは冷たかった
リジーは愛する音楽や自分の居場所、全てを失ったのだ

あの女を絶対に許さない!!

リジーはシャーロットの自宅に押し掛け、スタンガンを押し当て彼女を拉致する
そして、学園へと連れていく

学園の地下の礼拝堂
そこはそのチェロの学園で、優秀な選ばれし生徒のみ演奏が許される場所だった
舞台の上で鎖で拘束されるシャーロット
見つめるリジーやアントンたち

「あなたを救いたかったの!!」

かつてもっとも学園で優秀な生徒だったシャーロット
それゆえアントンたち学園の教師は、彼女に完璧な演奏を求めた
それは半ば洗脳で、演奏をミスすると、性的な暴行や拷問を加えられた

そして、今はリジーが自分と同じような苦しみを味わっている
洗脳を解くには、演奏できなくするしかない
全てはリジーを救うために仕組んだことだった

正気の沙汰ではない
シャーロットも含めここには狂人しかいない
音楽をめぐるサスペンスだと思っていた本作
それが次第にホラーの様相を呈してくる

スリラーからホラーへ

何をもってホラーとするのか?
一つには常軌を逸した異常な空間が描かれることだと思う
そこでは世間の良識や常識は通用しない

健全な学園だと思っていたそこは、狂人が支配する異常な場所だった
もはやサスペンスと呼ぶには、度が過ぎている
そこはお化け屋敷と変わらない

「パーフェクション」は見る者を嘲笑うように、物語が二転三転する
観客は何度も騙される
自分たちが持っている常識や思い込み
それがいかに浅はかなものか
結局は一つの物差しにすぎないのだと思い知らされる
世界はもっと複雑なのだ

いびつな物語

この物語のラストは本当に酷い
いびつでグロテスクで、そして美しい
突き抜けて、ある種の爽快感を覚えるほどだ
生理的に受け付けない人もいるだろう
だが、なるべくしてなった見事なラストにも思える

まとめ

見る人を選ぶカルトなホラーである
印象をガラリと変えていくストーリー
女優二人の熱演も素晴らしい
このいびつな物語を描き切った監督の力量も凄い
見れば不愉快な気分を味わうだろう
だが、それだけの価値はある作品だ


The Perfection (2018) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_perfection
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=368513

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ブログTOP

関連記事
スポンサーリンク
PC レスポンシブ
PC レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする