Netflixオリジナルのアニメ映画
海の怪物を討伐するハンターのジェイコブの船に、メイジーという少女がこっそり乗り込んで…………
美しいアニメーションとスリリングな冒険
最後には心暖まる良作
「ボルト」や「ベイマックス」などの名作を生み出したクリス・ウィリアムズ監督作品
モンスターとのバトルの迫力が凄まじい
怪獣映画が好きな人にはたまらないだろう
ジェイコブやメイジーのキャラクターも魅力的
アニメーションのクォリティが高く、ピクサーやディズニー作品と比べてもそん色ない
特に海の美しさが素晴らしかった
胸躍る冒険
ユーモア
心暖まる触れ合い
そして、ひねりの利いた深みのあるストーリー
また吹き替え版の出来がかなり良かった
大人から子供まで楽しめる良作に仕上がっている
文句なしにおススメ!!
予告編
作品情報
作品名「ジェイコブと海の怪物」(原題The Sea Beast)
監督:クリス・ウィリアムズ
キャスト:カール・アーバン、ザリス=エンジェル・ヘイター、ジャレッド・ハリス、マリアンヌ・ジャン=バプティスト、ダン・スティーヴンス
上映時間:119分
製作国:アメリカ(2022年)
ざっくりあらすじ
海で暴れまわる怪物を討伐するハンターたちは、英雄として称えられていた。ある日、若くて優秀なハンターのジェイコブの船に、メイジーという少女がひそかに乗り込んで…………
感想(ここからネタバレ)
子供向けと思っていたら、深いストーリーで驚いた…………
ハンターたち
海の怪物たちに人々が苦しめられていた時代
その恐ろしい怪物と戦うハンターたちを、皆が英雄と称えた
孤児院に住む少女メイジーは、有名なハンターであるクロウ船長の冒険の本を読むのが大好きだった
自分も絶対にハンターになり、人々を救う
ある夜中、メイジーは孤児院をこっそり抜け出した
クロウ船長とそのクルーたちは、怪物を倒して町へ凱旋していた
人々は彼らを熱狂で迎えた
次にクロウが狙うのは「レッドブラスター」と呼ばれる恐ろしいモンスター
かつてクロウの片目を奪った因縁の相手だった
クロウの片腕で優秀なハンターのジェイコブ
船員からも慕われており、クロウはジェイコブを次の船長にと考えていた
盛大な宴の最中、どこからか入り込んだメイジーがジェイコブに話しかけてきた
自分をハンターの仲間にしてくれと言う
ジェイコブは相手にせず、店から追い出した
翌日、クロウ船長が率いるイネピタブル号は出発した
王には今度こそレッドブラスターを倒すと約束した
ハンターたちの士気は高かった
ところがしばらく進んだところで、ジェイコブは樽の中にメイジーが隠れているのを発見して…………
作品解説
本作はNetflixの子会社であるNetflixアニメーションで制作された
クリス・ウィリアムズは「ボルト」や「ベイマックス」で共同監督を務めた
本作では単独で監督を担当している
ジェイコブ
若くて優秀なハンター
海の怪物から人々を守りたいと考えている
幼い頃、クロウ船長に命を救われた
今では船長の片腕として活躍し、次期船長候補と言われている
船にこっそり忍び込んだメイジーを、最初は邪険に扱うが…………
ハンターという職業に誇りを持っていたジェイコブ
だが、メイジーと共に真実を目の当たりにして、迷いが生じるようになり…………
演じるのは「ザ・ボーイズ」のカール・アーバン
メイジー
ハンター志望の少女
孤児院から逃げ出してきた
かつて両親はハンターとして海で死んだ
本を読むのが好きで、「クロウ船長の物語」に夢中
明るく快活
柔軟な思考の持ち主で、世界の真実に気づき間違いを正そうとする
演じるのは新人のザリス=エンジェル・ヘイター
クロウ船長
イネピタブル号の船長で伝説のハンター
今まで数え切れないほどのモンスターを狩ってきた
かつて片目を奪われたレッドブラスターを倒すことに、執念を燃やしている
ジェイコブを実の息子のように可愛がる
クロウの怪物への復讐心が、物語に波乱を呼ぶ
演じるのは多くの作品に出演するジャレッド・ハリス
海の怪物
冒頭、クロウ船長率いるハンターたちと、海の怪物の一匹との戦いが描かれる
これが大迫力!!
傾く船
動き回るカメラ
怪物の恐ろしさ
まるで怪獣映画を見ているようだった
様々な武器を手に怪物と戦うハンターたちの姿は、まさに「モンスターハンター」
モンハン好きにはたまらない
海が舞台であることも新鮮だった
そして、ついに登場する最強のモンスターといわれる「レッドブラスター」
噂の通り、恐ろしい化け物だと思われたのだが…………
ヒーローへの問いかけ
海の怪物から人々を守るハンターたち
文句なしのヒーローだ
ジェイコブを始め、彼らは自分たちの職業に誇りを持っている
そんなハンターたちがモンスターと戦う映画なのだと、非常にワクワクした
ところが物語は予想外の展開を迎える
レッドブラスターに飲み込まれたジェイコブとメイジー
仲間ともはぐれてしまう
そして、到着したのは不思議な島
そこではモンスターたちは平和に暮らしていた
彼らの暮らしを脅かしていたのは、人間たちの方だったのだ
ハンターとして誇っていた自分
怪物は倒すべき敵
そんなジェイコブの価値観は、根本から崩されてしまう
確かにゲームの「モンスターハンター」を遊んでいて、ふと疑問に思うことはあった
このモンスターたちは寄ってたかって狩られるような悪いことをしたのか?
ただ平和に暮らしていただけではないのか?
本当に相手と戦わず分かりあうことは出来ないのか?
全てのヒーロー作品に通じるテーマである
怪物に偏見を持たず、すぐに仲良くなるメイジー
だが、ジェイコブはそうはできない
今まで多くの怪物を倒してきた
そんな自分の過去を否定することになる
しかし、ついにジェイコブは認める
「ヒーローだって間違いをする…………」
恐ろしいモンスターを倒すカタルシスを期待した人は、後半の展開にガッカリするかも知れない
だが、本作の投げかけるテーマは非常に深く、見終わった後も考えさせられるものだった
まとめ
アニメーションのクォリティが高い
そしてモンスターの迫力が凄い
まるで怪獣映画
一方、物語にはひねりがあり、ヒーロー映画へのアンチテーゼともなっている
とはいえ難しく考えずとも、エンターテイメントとして楽しめる
ジェイコブとメイジーの触れ合いは微笑ましかった
アニメ映画好きなら見逃せない一作だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_sea_beast
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/383531
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