「ロスト・バケーション」感想 楽園の地獄 これぞ正統派のサメ映画!!

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86分でサクッと見れて、スリルも存分に味わえる
こういう映画は大好物
サメ好きなら見逃すな!!


予告編

映画「ロスト・バケーション」予告編

作品情報
作品名「ロスト・バケーション」(原題THE SHALLOWS)
監督:ジャウム・コレット=セラ
キャスト:ブレイク・ライヴリー、オスカー・ジャネーダ、ブレット・カレン
上映時間:86分
製作費:$17,000,000(imdb推定)
製作国:アメリカ(2016年)

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ざっくりあらすじ

医学生のナンシーは亡き母が教えてくれた秘境のビーチを訪れる
日が暮れるまで存分にサーフィンを楽しむナンシー
そろそろ終わりにしようとしていた彼女は、海面に浮かぶ巨大な物体を発見する
それはボロボロになって息絶えたクジラだった
身の危険を感じ砂浜に戻ろうとするナンシーだったが、突如左足に激痛が走り、水中に引きずり込まれる
パニックになりながら目をやると、巨大な一匹のサメが足に食らいついていた

感想(ここからネタバレ)

「ゾンビ・シャーク」とか「シン・ジョーズ」とか
サメ映画ってこんなにあるのかと調べてみてびっくり!!
しかし、そのほとんどがB級
ネタに走ったとしか思えない作品が多い
だが、この「ロスト・バケーション」は一流の監督が作った真っ当なサメ映画
サメをこよなく愛する人間なら見逃せない逸品である

冒頭

砂浜でサッカーしている少年がヘルメットを見つける
それにはヘッドカメラが付いていた
再生してみるとサメに襲われる若者の姿が

後になってじわじわと効いてくる絶妙な冒頭シーンである
このビーチで何か恐ろしいことが起きた
ヘルメットを着けた若者はどうなってしまったのか?
そして時はさかのぼる

美しい楽園

亡き母が教えてくれたメキシコの秘密のビーチを訪れたナンシー
彼女はサーフィンを満喫する

このビーチが海も空も砂浜もとにかく美しい
そしてナンシーを演じるブレイク・ライヴリーの眩しい肢体
もう、このままサメが出なくてもいいんじゃないの、と正直思った(どんな映画だよ

ナンシーの他にはやはりサーフィンを楽しむ地元の若者が二人
一人はヘルメットにカメラをつけている
だが、彼らが話すのはスペイン語で言葉が上手く通じない

日が暮れて先に引き上げていく二人
美しかったはずのビーチが誰もいない寂しい場所へと変わる
ナンシーも海から上がろうとした時に、それは現れる

ジャウム・コレット=セラ

この作品の監督はジャウム・コレット=セラ
一貫してスリラーを撮っている職人のような監督
賞狙いなどに走らないのが好ましい
リーアム・ニーソンとはすでに4度組んでいて、もはや名コンビ

代表作

「フライト・ゲーム」
リーアム・ニーソンは酒浸りの航空保安官
高度1万2000メートルの旅客機の中で見えない殺人犯を探す
犯人との手に汗握る攻防が面白い


「エスター」
怖いとホラー映画ファンの間で話題になった作品
少女エスターを演じるイザベル・ファーマンの演技が凄まじい
監督の出世作

ブレイク・ライヴリー

ライアン・レイノルズの奥さん
正直、それぐらいしか知らない
この作品は水中での撮影が多く、かなり過酷だったとか
撮影中に鼻を強打し、鼻血を出しながら演技を続けたらしい
見かけの華やかさに似合わず、けっこう根性の人?

サメ映画

世の中にあまたあるサメ映画
人はどうしてサメに惹かれるのか
好きな作品を挙げてみる

「ジョーズ」

サメ映画の原点にして頂点
若きスピルバーグの才能が迸っている作品
この作品の影響で動物パニック映画が星の数ほど生まれた
今見ても斬新な演出が多い
「ジョーズ」の成功でスピルバーグはヒットメーカーの仲間入りをした

「ディープ・ブルー」

「ダイ・ハード2」のレニー・ハーリン監督作品
DNA操作で高度な知能を持ったサメたちが大暴れ
この監督の作品は雑で大味なものが多いが、この作品はけっこう面白かった
サミュエル・L・ジャクソンのあのシーンは凄いインパクト

サスペンス

異国で言葉が通じない不安
サメに噛まれ左足には裂傷
砂浜は目の前なのに小さな岩場からそこに辿り着けないもどかしさ
その岩場も満潮になると海に沈んでしまう焦り

様々な小さなサスペンスを積み上げる見事な作劇である
観客もナンシーと共に絶望感を味わうことになる
さすがはスリラーの名手ジャウム・コレット=セラ監督

サバイバル

極限まで追い込まれたナンシーが、ついにサメと戦う決意をするシーンはボルテージが上がった
何としてでも生き残って、家に帰る
そこには父と妹が待っているのだ

あらゆる情報も見逃さず、生き残るすべを考える
ヒロインの生命力と強さに感服
ここから俄然、映画は盛り上がる

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最先端で正統派

スピルバーグがインタビューで興味深いことを言っていた
「もし今の最先端の技術で『ジョーズ』が作られていたら、どのような作品になっていたと思いますか?」と聞かれたスピルバーグは
駄作になっていたと思う。CGがあったら、もっとサメを画面に出していただろうからね。あの映画はサメがほとんど出てこないことが評価されたんだ」

この「ロスト・バケーション」でもほとんどサメは姿をみせない
もちろん予算をケチったわけではないだろう
ジャウム・コレット=セラ監督はサメをあえて見せなかったのだ
CGでリアルなサメをいくらでも見せられるのに

そういう意味でもこの作品はサメ映画の最先端でありながら、「ジョーズ」に連なる正統派である
出てくるのは1匹のサメだけ
出演者はほぼ一人だけ
その質素さは清々しいほどである
これだけの素材で十分に面白い映画が作れる
サスペンス演出に長けた監督の自信が感じられる

残念なところ

残念なのは音楽である
盛り上がるべきところでかかるのが、本当に無個性でありがちなBGM
あらためてジョン・ウィリアムズの「ジョーズ」のテーマがいかに素晴らしいか再確認した
いっそこの映画でもあの曲を使っちゃえば良かったのではないかと思う(出来るわけねーだろ

まとめ

久々に出た正統派のサメ映画である
美しい風景とスリルが存分に味わえる
サメ好きなら見逃す手はない
そして、改めて「ジョーズ」の完成度がいかに常軌を逸していたかを思い知らされた


The Shallows (2016) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_shallows
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356477#1

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